星光 第142話 家族への説得
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それぞれの家族へ…ティリオは彼女達四人を連れて、ファクドは父と伯父へ、グランナは父へ
レリスはシステム元であるヘオスポロスへ
ティリオは、ジュリア、エアリナ、アリル、ナリルの妻達を連れて実家のアースガイヤへ帰って来ていた。
当然の帰宅にディオス達は驚くも、快く受け入れる。
ティリオ達とディオス達と、大家族の温かな夕食や時間を過ごして夜
「父さん、母さん達。話があるんだ」
ディオスと母親達、ソフィア、クリシュナ、クレティア、ゼリティアは少し困惑するも、ティリオ達と話し合いをする為に、広めの書斎で…
ディオスが母親達を背に
「どうしたんだ? 急に帰宅して…」
ティリオ達はディオスの対面で、真剣な顔で
「父さん、ソフィア母さん、クリシュナ母さん、クレティア母さん、ゼリティア母さん。ボクは…戦争シェアリングに、ディーエ時空連合に介入する」
「何を!」
と、ディオスは驚いて座っていたソファーから立ち上がる。
ティリオが
「お願いだ。父さん…やらせてくれ…」
ディオスが初めて息子に声を荒げて
「分かっているのか! アソコには!」
ティリオが声を張って
「分かっている! ゾロアスから全部、聞いた! 父さん達が警戒している存在や! そのシステムの正体も」
ディオスが黙りティリオの後ろにいるジュリアやエアリナ、アリルにナリルの四人を見ると、四人とも頷いた。
ディオスは青ざめて座り頭を抱え
「ダメだ。絶対にダメだ」
ティリオが
「父さん、ボクは…どうして外に時空へ勉強に、出た理由を知っているよね」
ディオスが
「一莵君のような人達を助けられる力を…だが…」
ティリオが座っているソファーから立ち上がって、隣に正座して
「父さん、頼む。行かせてくれ…」
と、土下座する。
その後ろにエアリナ、ジュリア、アリル、ナリルの四人も正座して座り
「お願いですお義父さん」
と、四人とも掛け声をしてディオスに土下座する。
それにディオスの後ろにいた妻達、ソフィア、クリシュナ、クレティア、ゼリティアの四人は
「アナタ…」
「夫殿」
「ダーリン」
「ディオス」
ディオスは頭を両手で抱えた後に顔を上げて
「条件がある。ティリオ…一人…で…」
ティリオが
「ボクの他にグランナや、ファクド、レリスも一緒に行く」
ディオスが溜息を漏らして
「ジュリアちゃん、アリルちゃん、ナリルちゃん、エアリナちゃんの四人は、ティリオが…終わるまで、ウチで預かって守るからな」
エアリナが
「はい、最初からそのつもりですし…ジュリアとアタシは、身重で…ティリオの足手まといにしかなりませんから」
「え!」とディオス達五人は、驚きの声を放った。
ティリオが
「父さん、四人をお願いします」
ディオスが額を抱えつつ
「もし、最悪の結果になりそうだったら、ティリオ達だけを救出するからな。他は切り捨てる。いいな」
ティリオが頷き
「はい。ありがとう…父さん」
ディオスが真剣な目で
「何があっても帰って来いよ。ティリオ、お前は…もう、一人じゃあない。身をもって守らなければならない者達がいるんだからな」
「はい」とティリオは頷く。
ディオスは、ティリオのする事を了承した。
◇◇◇◇◇
黄金創世民、ファースト・エクソダスの主時空の主星で、アヌビスは白目を剥いた。
アヌビスの隣には補佐のオシリスがいて
「はぁぁぁぁぁ」
と、アヌビスは呆れた溜息を漏らす。
その原因は、目の前にいるファクドだ。
ファクドが
「アヌビス様、父上、オレはティリオと一緒にやるよ。だから、すまん」
ファクドの父オシリスは驚きの顔で固まり、アヌビスは天を仰ぎ見て固まる。
ファクドが嬉しそうな顔で
「大丈夫、絶対に帰ってくるから!」
アヌビスは額を抱えて
「そういう問題ではないのだ」
全身全霊で呆れかえってしまう。
父オシリスが
「ファクド、お前の傍人達は…」
ファクドが
「全員に真剣に告白したら、受け入れてくれたけど…必ず帰って来いって約束されたよ」
父オシリスも額を抱える。
アヌビスが鋭い顔で
「ファクド、どう…止めても行くのだから、言って置くが…もし、最悪の結果が見えた瞬間、お前の仲間…」
ファクドが
「ティリオ、レリス、グランナも行くよ」
アヌビスが頭を抱えた次に
「最悪の結果が見えたら、お前達以外は放り捨てて救出に行くからな! 分かったか! このイタズラ坊主が!」
ファクドが満面の笑みで
「大丈夫! 何とかしてみせるから!」
アヌビスとオシリスは二人して頭を抱えつつ、認めた。
◇◇◇◇◇
グランナは…
「父さん、オレ…キュリアを…キュリア達を救ってくるよ」
父グラゼオと共に自分の時空に帰宅して、グランナから話を聞いた父グラゼオは頷き
「そうか…すまんな。グランナ。ワシが不甲斐ないばかりに…」
グランナが
「父さんのセイじゃあない。だから、自分を責めないでくれよ」
父グラゼオが
「お前達の事だ。何とかしてくるだろう。朗報を待っているぞ」
グランナが微笑み
「ああ…必ず、必ずやり遂げてみせるよ」
◇◇◇◇◇
レリスは、ヘオスポロスのエグゼクティブ達の通信の間で話をしていた。
「という事なんで」
と、レリスが淡々と告げる。
エグゼクティブ達が
「なるほど」
「ほう…」
「そういう事が…」
レリスが
「ボクは、勝手に行かせて貰うから…」
エグゼクティブ達が沈黙していると、同じく通信に参加しているエピオンが
「何か、欲しいモノはないか?」
レリスが
「自分が持っている装備やら、後…ティリオ達が加わるから、大丈夫さ。じゃあね」
と、淡々と終えて通信を切った。
レリスが消えた通信の間でエグゼクティブ達が
「これは…どう、動けば…」
「チャンスなのか? それとも…」
「だが、大きい動きになるのは間違いない」
そこへ…とある人物達の通信が入る。
その人物達とは?
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次回、宣戦布告