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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
星を繋ぐ子供達
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星光 第137話 不文律

次話を読んでいただきありがとうございます。

ティリオ達が父ディオスと共に、目の前にする超越存在達の会議で…


 アヌビス達、超越存在が並ぶ通信の場でグランナとティリオ、レリス、ファクドの四人の若き超越存在達と、その傍に聖帝ディオスが立つ。

 アヌビスを奥に左右五人づつ並ぶテーブル。

 

 アヌビスが真剣な顔で

「全ての事情は、ディオスから聞いている」


 右側の席にいるグランナとの繋がりがあるセレソウム時空の宇宙王が席を立ち、跪いて

「どうか…今回の事、彼らの好きにさせてください」

と、額を下げて土下座する。


 グランナが自分の大本、本家である宇宙王の土下座を見て涙して

「ゲイオル様…」


 ゲイオルは顔を上げてグランナに微笑み

「グランナ…君のした事は正しい事だ。彼女を…キュリア達を追放してしまったのは…我々の罪だ。だから」

と、ゲイオスは再び額を床に付けて土下座して

「お願いします。皆様、どうか…彼らに力をお貸しください」


 土下座するゲイオルの隣にグランナも座り

「お願いします。どうか…」

と、ゲイオルと共に額を床に付ける。


 それを見てアヌビスを始め、超越存在…宇宙王達の表情が揺らぐ。

 だが、アヌビスが真剣な顔で

「ならん。出来ないモノは出来ない」


 グランナが顔を上げて

「どうしてですか?」


 アヌビスが真剣な顔でグランナを見つめて

「我ら…超越存在である宇宙王は、他の時空に干渉しない事で平安を保ってきた。それをやぶれば…多くの命が失われる時空間戦争へ向かうだろう」


 レリスが

「そのように成らないように…」


 アヌビスの近くにいる宇宙王が

「残念ですが…ムリです。そうならないようには…いかない」


 アヌビスの近くにいる女性の宇宙王が

「戦争シェアリングの話は聞いている。限定的な戦争をする事で利益や権利、交渉をする。つまり…必ず戦争、戦闘に関わるという事だ」


 アヌビス側の宇宙王が

「戦いになれば、必ず超越存在の力を使うしかなくなる。そうなれば…」


 アヌビス側の女性の宇宙王が

「それで相手に甚大な被害を与えれば…後々に遺恨となって…それが…」


 超越存在との戦闘は、他の超越存在への恐れを広げて…。


 ティリオが

「例外がいます。ミカボシが…ネオシウス時空で生まれた超越存在が!」


 アヌビス側の宇宙王が

「確かに例外はいる。だが…その者に繋がる時空はない。要するに強大な力を持った犯罪者だ」


 アヌビス側の宇宙王が

「君達は、違う。我々や多くの…グランナくんの為に頭を下げる程の時空との繋がりがある」


 これは…ティリオ達を諦めさせる会議の場だ。

 

 ティリオ達の立場の再確認。そして、そこからの説得。

 結論が決まっている会議なのだ。


 ティリオがそれでも…

「それでも、ここで…自分達とアナタ方との繋がりを切って、無関係として…」


 ティリオの隣にいる父ディオスが

「ジュリアやエアリナ、ナリルにアリルの彼女達を捨てるのか?」


 ティリオが困惑する。


 ディオスがティリオに

「確かに、ティリオの気持ちは分からないでもない。親友の大切な人を助けたいという気持ちは大いに感心する。だが…それでティリオの大切な人達を切り捨てても成し遂げたい事なのか?」


 アヌビスが真剣な顔で

「ティリオ、ワシはティリオのおじさんとして、ティリオ達に行って欲しくない。行ってしまえば、確実にティリオ達は様々な、大切な者達を失う。そんな未来しか待っていない先へ、ワシは絶対に行かさない。ティリオに恨まれるかもしれないが、それでティリオが守れるなら、ワシは…十分だ」

と、アヌビスは、あの優しげなアヌビスおじさんの顔を見せる。


 それを聞いてティリオは、悲しくも嬉しくもあり…アヌビスおじさんの気持ちが分かってしまう。


 アヌビスが

「ファクド、お前も入っているぞ。お前は狡猾だから、後々…色々とやろうとするが。今回ばかりはダメだ。良いな!」


 ファクドは舌打ちする。

 ファクドが尊敬するゴールドジェネシスの宇宙王アヌビスであり、ファクドの血族の伯父である忠告で差し止める。


 レリスは知る。

 とんでもない力をもっている超越存在…宇宙王でも、破ってはいけない不文律が存在する事を。

 冷静に考えればそうだろう。

 強大な力を持つ者が、その強大な力に任せて暴れれば膨大な被害が広がるし、それを防ごうとする力も働く。

 つい、ティリオ達のように日常的に便利な道具や物資にエネルギーを作る超越存在には、そんな縛りなんてないだろう…と思っていた。


 だが、そうではなかった。

 ティリオ、グランナ、ファクドの三人は立派な超越存在なのだ。

 ドラえもんという存在のように気軽に力を行使する事は、恐ろしい結果に結びつくのだ。


 軽率だった…とレリスは痛感する。


 ◇◇◇◇◇


 ファクドは、シュルメルム宇宙工業学園にある自分のホームに帰って来てイライラしていた。

「クソ」

と、ソファーに寝そべって天井を見上げてイライラしていた。

 

 それに傍人であるアルドが

「久しぶりね。そんなファクドの態度…」


 ファクドはアルドを見て

「アヌビス様に釘を刺された。クソ…」


 アルドが

「でも、諦めていないんでしょう。だからイライラしている。方法が浮かばないから」


 ファクドが寝そべっていたソファーから立ち上がり

「ちょっと、ティリオのホームへ行ってくる」


 アルドが

「遅くなりそう?」


 ファクドがニヤリと笑み

「ああ…徹底的に話し込んでくる。例外があるはずだからね」


 アルドが微笑み

「あんまり、根を詰めないでね」


 ファクドは、返事の手を上げてティリオのホームへ向かうと、途中にレリスとルビシャルと遭遇した。

 三人とも行き先は同じだ。


 ファクドが笑み

「おや、気が合うね」


 レリスが冷静に

「どんな不文律でも例外はあったはずだ」


 ルビシャルが溜息交じりに

「グランナ、引きこもってしまったらしいから」


 ファクドが先頭で

「オレは、落ち込んで塞ぎ込んでいるグランナなんて見たくない。真っ直ぐで、バカで、優しいグランナが…良いんだよ。絶対に裏口を見つけてやる」


 レリスは肩をすくめて、ルビシャルは苦笑いをする。

 ファクドはグランナの事が好きなのだ。嫉妬するくらいに…


 三人はティリオのホームへ集結する。



ここまで読んで頂きありがとうございます。

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次話を出すがんばりになります。

次回、キュリア達の不文律

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