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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
星を繋ぐ子供達
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星光 第133話 グランナと彼女

次話を読んでいただきありがとうございます。

正体不明の巨大マキナに乗っていたキュリアという女性、それにグランナは…


 ティリオは再び、あの男ミカボシと遭遇した。

 ミカボシが乗っている五十メートル級のマキナが着地して、胸部のコクピットが開くと、開いた扉を足場にミカボシが姿を見せる。


 ティリオが緊張すると共にゼウスリオンで来たジュリアとナリルも緊張が増す。


 ミカボシが見下ろすようにティリオ達が乗るゼウスリオンへ

「そう、緊張するな。もう…戦いは終わりだ」


 ティリオが

「何が目的だ!」


 ミカボシがグランナとキュリアが遭遇している場を顎で示し

「話は、あの小娘から聞け」

と、告げた瞬間、ミカボシは空間転移で消えた。

 五十メートル級のマキナを残してミカボシは去り、残されたのはキュリアだけ。


 ◇◇◇◇◇


 突如、現れた二機の事件から翌朝。


 ティリオは、回収される五十メートル級のマキナ達の分析をしていた。

 シュルメルム宇宙工業学園の分析場として用意された巨大格納庫で、二機の所属不明マキナを無重力で吊し上げて調査する。


 端末を操作して所属不明のマキナを分解したりしているティリオの隣にヴィルガメスが来て

「調査はどうだい?」

と、ティリオに尋ねる。


 ティリオが

「ああ…ヴィルガメス理事長…進んでいます。ですが、よろしかったのですか? ボクが…いえ、自分が調査を…」


 ヴィルガメスはティリオの隣に並んで

「我が時空の産物なら我々が調査するが…これは、明らかに別の時空の産物だ。なら、その知識を持っているキミになら…安全に分析できるだろう。許可なら心配するな」


 ティリオは頷き

「ありがとうございます。早速ですが、調査の結果です」

と、データ端末をヴィルガメスに渡す。


 ヴィルガメスは、データ端末を見ながら

「なるほど、我らの時空周辺より遠くの時空の物体か…」


 ティリオがアームで分解される二機の所属不明マキナを見つめて

「使われている素材、ハイブリッドエネルギーマトリックスにあるコア原子にある、時空波を検出して、その時空波が一致する時空を探し出しました。ほぼ、そこで間違いないと思います」


 ヴィルガメスが

「我らのような超越存在や宇宙王の連合以外の時空か…良く分かったな」


 ティリオが

「ヘオスポロスのデータにもアクセスしましたから」


 ヴィルガメスがティリオを見つめて

「キミは、ヘオスポロスにアクセスする事ができるのか?」


 ティリオが複雑そうに頬をかいて

「ヘオスポロスと繋がりがある。ルビーおじさんの権限を借りてアクセスしています。そもそも、物体の時空波に関するデータは、それほど重要ではないデータですから。アクセスも容易ですし、他にも重要でないデータにはアクセス制限もありませんから」


 ヴィルガメスが頷きデータ端末を見ながら

「では、この機体に使われている技術は?」


 ティリオが

「基本的には、フィールド・ジェネレーター・アクチュエーターで動いています。シュルメルム時空のマキナと同じ技術ですが。動力に関して」


 ヴィルガメスはティリオを見つめて

「動力に関して? 何か…」


 ティリオが鋭い顔で見つめる先に、分解されて顕わになった所属不明マキナ筒型の動力炉が

「この動力炉に使われている燃料、エネルギーですが…原子サイズ、ナノサイズのエネルギー素材は…とんでもない程に問題な素材です。反応から察するに超高次元多結晶体のそれを加工した何かです」


 ヴィルガメスが深い溜息をして

「なるほど…」


 ティリオが

「グランナに保護させた彼女から…話を聞くしか…後は…」


 ヴィルガメスは

「その当たりはグランナ君に任せよう。彼の知り合いでもあるようだしな」


 ティリオが困惑気味に

「よろしかったのですか? シュルメルムの統治機構に…この事を…」


 ヴィルガメスが真剣な顔で

「別の時空が絡む神経質な問題だ。穏便に済ませたい…そんな感じがあるし。それにここには、多くの別時空の生徒達がいる。下手に手を加えて、別時空との摩擦も防ぎたい。色々と政治的な事の動きがあって、我々に任されたような感じだ」


 ティリオが沈黙してしまう。


 ヴィルガメスがティリオに

「とにかく、逐次、報告は頼む。そして、問題があった場合は…」


 ティリオは頷き

「はい、すぐに報告しますし、対処をお願いします」


 ◇◇◇◇◇


 グランナのホームに彼女キュリアがいた。

 用意された個室のベッドに座るキュリア

 そこへノックがして

「入るよ」

と、シェルテが食事のパレットを持って来て

「久しぶりだね。キュリア」

と、呼びかける。


 キュリアは無言で答える。


 シェルテが食事のパレットをテーブルに置いて

「ここに食事を置いておくね。好きに食べてね」

と、シェルテが去ろうとすると

「シェルテ…」

と、キュリアが呼び止めて

「ここの生活は楽しい?」


 シェルテが振り返って

「うん。凄く楽しい!」


 キュリアが

「色々と聞かせて」


 シェルテがキュリアの隣に座って、ここでの生活を話す。

 グランナと共に超越存在になる為に来た事、グランナがティリオによって超越存在になった事、色んな事件に遭遇した事、学園での生活を話したりして、シュルテは久しぶりの幼なじみとの会話を楽しんだが。


 キュリアは頷いてシェルテから色々と聞いて

「ありがとう。シェルテ」


 シェルテが心配そうに

「キュリア…今までどうしていたの?」


 キュリアが話そうとした時に、ノックがして

「はいるぞ。キュリア」

と、グランナが入る。


 グランナの顔を見てキュリアが顔を伏せる。

 それにグランナが苦しそうな顔をしたが、冷静になって

「キュリア…話を聞かせてくれると…いや」

と、グランナはキュリアの隣に来て跪き

「お願いだ。キュリア…キミの…今までの事を教えてくれ。何があったんだ? オレは…何時だってキミの事を忘れた事なんて一度もなかった」


 それを聞いたキュリアは苦しそうな顔で

「グランナ・新王。私達を追い出した一門である新王派の長の息子よ。お前に話す事などない」


 グランナが苦しそうな顔で

「その通りだ。オレは…君達を追い出した側だ。でも、今は…それを後悔している。済まなかった。本当に申し訳なかった。だから…教えてくれ。もう一度…やり直すチャンスをくれ」


 キュリアは瞳をにじませてグランナを見るも、再び視線を外して伏せる。


 グランナが跪いたまま

「全てはオレ達が悪かった。だから、君の気が済むまで罵倒してくれて構わない。その後で構わない。何があったんだ?」


 キュリアが再び顔を上げて涙を零しそうになって、何かを口にする前に、キュリアの服に備わっているシステムが通信を入れて

「キュリア少尉。何が起こった? 今、機体の反応があるシュルメルム時空へ向かっているのだが…」


 キュリアはコメカミを押さえて通信システムと意識を繋げて

”申し訳ありません。トラブルがありまして…”


 服にある通信システムがキュリアと意識を繋げて

「迎えに行く。現在位置はそこで問題ないな」


 キュリアは頷き

”はい”

と、キュリアは通信を終えて

「グランナ…」

と、口にしたが…立ち上がって

「迎えが来たようです。速やかに私と私達のマキナを渡した方が無難です」


 キュリアが告げた頃、シュルメルム宇宙工業学園の隣に、全長百キロの巨大な時空戦艦が到着した。

 その時空戦艦の通路のシュルメルム宇宙工業学園が見える場所に

「あらあら、聖帝のご子息がいる学園にとは…」

と、アズサワが怪しい笑みを向けた。


ここまで読んで頂きありがとうございます。

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次話を出すがんばりになります。

次回、時間の無情さ

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