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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
星を繋ぐ子供達
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星光 第132話 出会った彼女と彼

次話を読んでいただきありがとうございます。

学園生活を謳歌するグランナだが…再び出会ってしまった。


 グランナが偶々、ネットニュースを見る。

 それは、このシュルメルム宇宙工業学園がある時空から、遠くの時空で起こっている事だ。

 それを見てグランナは苛立った顔をする。


 グランナがいる場所、そこは学園の情報図書館だ。

 偶々、資料を探しに来ただけで、ネットニュースも偶々だ。


 苛立つグランナをティリオが見つけて

「グランナ…」

と、呼びかける。


 グランナは、急いでネットニュースを閉じて

「ああ…ティリオ。どうしたんだ?」


 ティリオが

「ちょっと資料を探しに来たら、グランナがいて声を掛けたんだ」


 グランナが微笑み

「そうか。オレも資料探しなんだ。一緒に探すか?」


 ティリオは頷き

「そうだね」


 ティリオとグランナの二人で、情報図書館のデータを探ってお互いに欲しい資料を探し合う。

 ティリオは、グランナが閉じたネットニュースの項目を憶えていた。

 内容は…とある時空の移民に関する事だ。

 色んな時空から渡ってくる移民。

 事情はどうであれ、元いた時空から渡らなければならない理由があって移民してくる。

 それにグランナが…。


 ティリオとグランナが資料を探し終えて、自分達のホームへ帰宅する最中、ティリオが

「グランナ、グランナの時空に設置したオメガデウス・フォーミュラはどう?」

と、問いかける。


 グランナが

「ああ…問題ない。十分なエネルギーを物資を生成している」


 ティリオが

「前に言っていたよね。十分なエネルギーと物資を生成できるから、過去に出て行った人達に呼びかけているって」


 グランナが溜息を漏らして

「ああ…やっぱり、時間ってのは恐ろしいぜ。移民した時空に根付いてしまって、戻るのは難しいって親父から聞いている」


 ティリオが頷き

「そうか…色々と難しい問題も多いよな」


 グランナがハッとして

「お前…まさか…オレがネットニュースを見ていたのを…」


 ティリオがグランナを見つめて

「もの凄い顔をしていたから」


 グランナは「参ったなぁ…」と頭を掻いて

「ちょっとな…偶々、開いたネットニュースにな…」


 ティリオは

「言いたくないなら、言わなくていいよ。でも…ボクもそうだけど…言う事で楽になるのはあるから」


 グランナが俯き気味に

「ネットニュースに、オレ達の時空から移民した人達が、その時空でトラブルを起こしているのを見てな」


 ティリオは「そうか…」と頷く。


 グランナは上を見上げて

「親父もその人達に呼びかけてはいる。でも…来る事はない。一度、失った信用は二度と元には戻らない。オレ達の時空で昔、分け与えて貰う超越存在のエネルギーの分配を巡って争った事がある。分配が減れば排除するっていう疑念が何時までも…オレ達に付きまとっている」


 ティリオは黙ってしまう。

 自分がどうこう言える事ではない。


 グランナは

「いくら、オレが超越存在になっても…解決しない事は多いのさ」


 それにティリオは、どう答えれば良いかの言葉が浮かばない。


 グランナもそれを察して

「だから、コレはオレ達の時空の問題だ。ティリオ達が気にする事は無い。オレ達が時間を掛けて解決するしかないんだ。ありがとうな…話をして少し楽になったよ」


 ティリオは

「もし、困った事があったら何時でも相談してくれよ。グランナ」


 グランナが頷き

「ああ…その時はよろしくな」



 ◇◇◇◇◇


 その夜、グランナはベッドから飛び起きた。

「これは!」

 その次に、百キロもあるシュルメルム宇宙工業学園の震動が伝わる。


 グランナは、ベッドから出て簡易な服装に着替えて部屋を飛び出すと、ホーム内は震動に気付いたホームの仲間達で慌ただしかった。


 グランナが通りかかったラドに

「ラド! 強いエネルギーを感じたぞ!」


 ラドが

「グランナ様、学園の南端の方、部品置き場になっている倉庫ビル群の方で何かあったらしいです」


 グランナがラドを連れて

「何かの爆発か?」


 そこへシェルテが来て

「グランナ様! これを!」

と、小型端末画面を持って来て、グランナに映像を見せる。


 そこには燃え上がる倉庫ビル群の上を撮影するドローンから送信される情報で、所々に燃える倉庫ビル群の中心に立ち上がる巨大な人型機体マキナの二体が戦闘をしていた。


 グランナは困惑して

「戦闘? なんで、ここで?」


 グランナは困惑しつつ自分のマキナがあるホームの格納庫へ向かい、自分のマキナであるガイオロスに乗って

「ホームの生徒は、被害に合わないように待機。オレは…」

と、ガイオロスがホームの格納庫から出ると


「グランナ!」

と、上空からティリオ達が乗るゼウスリオンのマキナの三機が降り立つ。

 ゼウスリオンに乗るティリオが

「グランナ! 状況は?」


 グランナは操縦するガイオロスを出して

「映像で戦闘する様子を見ただけだ!」


 ゼウスリオンを操縦するティリオが

「ファクドとレリス、ルビシャルがエアリナとアリル共に他のホームにいる生徒達の避難をしている。ボク達は、学園の警備であるヴィルガメス様達と共に」


 グランナが

「戦闘が行われている場所へ、援護か…」


 ティリオが

「出現して、今も戦闘をしている者達は、突然、時空転移して現れて…戦闘を継続しているらしい」


 グランナが苛立ち気味に

「どこのどいつだ!」


 グランナとティリオのマキナは、発進して向かう。


 グランナ達は、直ぐに戦闘が行われている倉庫ビル群の上に来て旋回する。


 全長が五十メートル級の両者が、激しくエネルギー光線を放って応戦している。

 それをマキナを操縦しながら見るグランナとティリオ達。

 グランナが

「警告に行くぞ」

と、ガイオロスを向かわせて、ティリオも続く。


 戦う両者にグランナのガイオロスとティリオのゼウスリオンが近づき

「警告する、ここは戦闘区域ではない。繰り返す」

と、グランナが呼びかけるが、戦闘は止まらず、一方が片方を倒してしまう。


 倉庫ビル群の瓦礫に埋もれる一体、それを見下ろす一体。


 倒された一体にグランナのガイオロスが近づき、見下ろす一体へ

「戦闘は終わりだ! やめろぉぉぉぉ!」


 倒されたマキナの頭部ハッチが開いて操縦者が出てくる。


 グランナがガイオロスをそちらへ向けると同時に、ティリオのゼウスリオンが来て見下ろしている一体に対峙する。

 牽制だ。


 グランナがガイオロスを五十メートル級のマキナの頭部の近くへ下ろして、ハッチを開いて

「大丈夫か!」

と、脱出した操縦者へ呼びかける。


 操縦者は女性で、軍服のような意匠があるパイロットスーツを身に纏っている。

 脱出した女性は顔を上げてグランナを見つめて

「まさか…」


 グランナは脱出した女性と顔を見合わせる。

「ええ…まさか…」


 女性とグランナが視線を交差させる。

 女性は、銀髪で十代半ば、グランナと同年配だろう。

 凜とした感じを放っている。


 グランナが女性を一目見て分かった。

「キュリア…なのか…」


 女性は、キュリアは苦しそうな顔で伏せて

「会いたくなった…」

と、呟いた。


 ティリオのゼウスリオンの周囲にジュリアとナリルのゼウスリオンも来て、ゼウスリオン三体と向かい合う五十メートル級のマキナ。

 そのマキナの通信から

「おお…また、会ったなぁ…聖帝のご子息殿」

と、ティリオ達に通信を開いた顔は、ミカボシだった。


「な!」とティリオは驚愕に染まった。


 通信には、怪しく笑むミカボシがいた。


 その離れた場所には、驚くグランナと、苦しい顔をするキュリアの二人がいた。


 またしても運命は回り出す。


  

ここまで読んで頂きありがとうございます。

続きを読みたい、面白いと思っていただけたなら

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次話を出すがんばりになります。

次回、グランナと彼女

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