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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
亡国覚醒カタルシス
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星光 第125話 艦隊派遣と強引な

次話を読んでいただきありがとうございます。

裏切り、暴露するルシアだが…全ては手遅れ。何時の世も、己しか見えない者に未来は見えない

 

 セイントセイバー号の執務室でディオスは、頭を抱えていた。

 正面には、裏切りのルシアが立っている。


 ディオスが座る執務室の机の両脇には、息子のティリオとアーヴィングが立っていて、ルシアから聞いた言葉に顔を引きつらせている。


 ルシアが

「それが…今回の出来事の顛末であり」


 ディオスが鋭い顔で

「それで? それを我々に伝えて…どうしろ?と…」


 ルシアが困惑を見せて

「と、止めて…」


 ディオスが怒りを込めて

「止められる訳がないだろうが!」


 アーヴィングが

「ディオスさん、落ち着いて」


 ルシアは驚きで固まっている。

 ルシアは…止めて欲しかった。自分には出来ない。だから…できる可能性がある人物に…だが…。


 ディオスが頭を抱えて

「全ては、アマテラスの転生体の計画で動いていると…アマツミカボシの願いである新たな超越存在を利用しつつ、超越存在であるアマツミカボシを…ネオシウス時空に縛る。そして…双極の超越存在としてネオシウス時空に君臨する。それを止めて欲しい? ふざけるな、ムリだろうが!」

 もう、完全に終わっている。

 出来上がった状況で一切介入できないし、そもそも…ディオス達は他時空の者だ。

 他の時空に干渉する。

 それは、超越存在同士にある不文律、暗黙の了解を潰す事になる。

 例外はいる。だが、それは例外であって、ディオスは例外ではない。


 ルシアが助けを求めるようにティリオを見るが、ティリオは呆れて視線をそらせて

「貴女は…何も考えていないんですね。自分がやったリークの意味を…」


「え?」とルシアが困惑していると、アーヴィングの通信に「はい、あ、はい」と答えた後に「ディオスさん」と耳打ちする。


 ディオスは溜息交じりで

「通してくれ」


 アーヴィングが頷き執務室から出て行き直ぐに…連れてきた。

「ご機嫌よう…聖帝様」

と、アナスタシアが弟のルークスを伴って現れた。


 ルシアが青ざめている横をアナスタシアが通り過ぎて鋭い横目で

「愚かな女…お前は昔から自分の利益しか見ていない矮小な女。だから…こうして…私が先回り出来るのよ」


 アナスタシアであるアマテラスの転生体は、ディオスに微笑みながら近づき

「聖帝ディオス様、お願いがあって参りました」

 後ろにいるルークスは少し怯えている。


 ディオスは、深い溜息を漏らした後

「アマテラスの転生体、超越存在アナスタシア殿、汝の言う通りにする」


 ルシアが沈黙の驚愕を見せる。


 アナスタシアは微笑み

「流石、神の如き先を見通すと言われた方。ありがとうございます。艦隊は…いつ頃、派遣すれば?」


 ディオスが額を抱えながら

「明日だ。明日の明朝には一斉に奪還へ行動を開始する。その後は、我々は即座に撤退する。それで良いな」


 アナスタシアがお辞儀して

「はい。では、この後は…我らネオシウス時空も…聖帝ディオス様の時空連合に加えて頂きたいと思っています」


 ディオスがアーヴィングを向くと、アーヴィングがデータプレートを取り出して

「これが…我々が科している憲章です」

と、アナスタシアに渡す。


 アナスタシアは微笑み

「はい。ありがとうございます。では…全てが終わった後で…また」

と、ルシアの元へ来ると

「さあ、帰るわよ。お前のやる事なんて、ここに何一つないわ」

 

 ルシアは青ざめて黙ってアナスタシアに従って帰って行った。


 ディオス達は、執務室から出て行ったアナスタシアに、ティリオが

「恐ろしい人達だね」


 ディオスが腕を組み

「全くだ。だが…領分は守るだろう。その部分さえ一致すればいい」


 アーヴィングが

「じゃあ、ディオスさん。予定通りに…」


「ああ…頼む」とディオスが頷き、アーヴィングは次の作戦実行の準備へ向かった。


 ティリオが

「父さん。ぼくは?」


 ディオスが少し俯き気味に

「すまんな。ネオシウス時空で修学旅行させたかったのに…こんな事に巻き込んでしまって…本当に」


 ティリオが

「いいよ。ボク達は帰還の為に待機でいい?」


 ディオスが頷き

「ああ…静かにして、明日、作戦が終わると同時に帰還だ」


 ティリオが頷き

「じゃあ、みんなに伝えてくるよ」

と、ティリオは執務室を出て行った。


 ディオス一人になった執務室で、ディオスは頭を抱えて

「全く、厄介事ばかりで辟易する」


 

 ◇◇◇◇◇


 翌日の早朝、多くの時空連合艦隊の艦隊が出発するのをティリオはセイントセイバー号の大窓から見つめていた。

 これから、最後のネオシウス時空奪還作戦が始まる。


 その隣に千華が来て

「よう、凄い光景だねぇぇ。数多の力がある超越存在達の連合艦隊の移動は、壮観だわ」


 ティリオが隣に並ぶ千華に

「色々と巻き込んですまない。こんな事になるなんて…」


 千華が腕を後頭部で組み

「気にしちゃあいないよ。アンタが原因じゃあない」


 ティリオが空間転移していく時空連合艦隊を見つめて

「この事態や他の事を見ても思う。ぼくは…まだまだ、ひよっこで子供だ。父さん達の力を借りないと解決できない事ばかりだ」


 千華が微笑み

「お前…まだ、十七歳のガキだろう。保護者に頼ればいいんだよ。もっと成長して色んな事を知れば、後々になって…父親のように誰かを助けられる。焦って急がなくても、やるべき事は、向こうからやってくる! そういうモンだから、どんと構えていな!」


 ティリオがぷっと笑み

「流石、五百歳オーバーの転生体の言う事は違う」


「ああ!」と千華は眉間を寄せてティリオに近づき

「アタシは、アンタと同じ十代のピチピチの乙女じゃい!」


 ティリオが苦笑いで

「今の十代は、ピチピチなんて言わないと思うけど…」


 千華がコラ!って威圧の笑みの後、真剣になって外の時空連合艦隊を見て

「でも、今回は…本当に…凄い事態だわ。時空が宇宙が落とされる。今までにない前代未聞だわ」

 

 そう、今回の出来事は…それ程までに大きいという事だ。

 巨大な国家一つがたった数名の個人達によって落とされたという衝撃なのだ。



ここまで読んで頂きありがとうございます。

続きを読みたい、面白いと思っていただけたなら

ブックマークと☆の評価をお願いします。

次話を出すがんばりになります。

次回、釈迦の手の内

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