表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
亡国覚醒カタルシス
913/1109

星光 第122話 ティリオ達の気付き

次話を読んでいただきありがとうございます。

ティリオ達がミカボシの目的に気づき…そして…


 ティリオ達は、アルマティスの経歴の調査報告書のデータプレートを見ていた。

 ティリオがいるソファーには、エアリナ、ジュリア、アリル、ナリルの四人も一緒にいて、ティリオが見ているデータの立体映像をティリオと一緒に見ていた。

 ティリオが座るソファーの背もたれの腰掛けにアリルとナリル、ティリオの左右にジュリアとエアリナ。

 五人が一緒にデータの立体映像を見る風景を他の場所で見るグランナとファクド。

 二人は、五人で一緒に見るのは窮屈では?と思っている。

 グランナとファクドにも、個別にデータプレートが渡されてデータの立体映像が見えている。

 だが、ティリオ達の様子に不便そうな感じは無い。


 ティリオが「んん…」と唸っていると、後ろの背もたれに腰掛けるアリルが

「気になる部分があるの?」


 ティリオが頷き

「ここの部分だ」

と、データの立体映像のとある部分を指さす。


 ティリオがんん…と唸っただけで、疑問を感じていると察する彼女達に、ファクドどグランナは、遠巻きで戸惑う。


 ティリオがデータの立体映像を指さしながら

「ここの部分、彼女達アルマティスの目的である新人類汎用機、ネオニスの全てに繁殖能力を付加させる事、そして…同じ生命と他の生命体と同等にする事…そこに疑問を感じる」


 ティリオの周りにいる彼女達四人、エアリナ、ジュリア、アリル、ナリルが指さされた部分を見つめて


 エアリナが

「確かに…投入されているコストが…かなりの度外視ね」


 ナリルが

「戦略的な事を考えて、余裕を持たせているとか?」


 ティリオが鋭い顔で

「もし、同等の権利を獲得するだけなら、ネオニスの自治区を作ればいい。それなら…ネオシウス時空を占拠する程のコストは必要ない」


 アリルが

「じゃあ、ティリオは…どう、思っている?」


 ティリオの顔が更に鋭くなり

「これは、超越存在を作る為に…ネオシウス時空全体のシステムを使っていると思う」


 エアリナがティリオに

「その根拠は?」


 ティリオが別のデータの立体映像を出して

「アルマティスに協力しているのは、オルス…かつて二千年前に出現した超越存在の転生体だ。もう一人も何処かの超越存在で…おそらく、どこかの転生体だ」

 ティリオが、オルスであるミカボシとハジュンが別角度で捉えられた画像と、それによる顔を解析した画像が出して

「オージン様は、過去にオルスと接触している。それは…とある時空の戦争にだ」

 ティリオは、オージンが関わった事件のデータを出す。

「オージン様から、未完成とはいえ…リンク・ハイパーグレートの技術を授かっている」


 エアリナが

「それを完成させた。だから…ネオシウス時空の…アルマティスの彼女達を使って…新たな超越存在を創造する」


 ティリオが厳しい顔で

「理論的にも、実験的にも…ある程度は完成しているだろうが。それでも…」


 そこへグランナとファクドも来て、ファクドが

「トンデモナイ話が聞こえたんだけど、聞かせてくれない?」

と、ティリオ達に加わる。

 グランナとファクドは、ティリオ達の向かい側のソファーに座る。


 ティリオが次々とデータを開示させて立体映像にして

「このネオシウス時空の超空間ネットワークと、そのコアであるアガラシア、更に…ネオシウス時空の超越存在が残した。莫大な遺産の数々」

 ネオシウス時空にある遺産データと超空間ネットワークのデータが繋がる。

「そして、ボク達が調べていた星艦オルボスの内部にあった、調査を頼まれた装置、アレは…この時空の超空間ネットワークをハッキング為に仕込まれたバイパス装置だと思う」


 グランナが渋い顔で

「つまり、かなり前から…この計画は練られていた、と」


 ティリオは頷き

「今回の事件で起こった全ての事を踏まえると…納得がいく」


 ファクドが深くソファーに腰掛けて

「たった一晩で時空の全てが手中にされた。それは、最初から用意されていたから…なるほど、全てが後手になる訳か」


 グランナが

「じゃあ、アルマティスの五人も…最初からその為に作られて…」


 ティリオが嫌そうな顔で

「多分ね。表向きは新人類汎用機の創造という可能性の追求だけど。ホントの所は…超越存在を創造する研究のサンプルで…」


 ファクドが「はぁ…」と溜息を漏らして

「やるせない。幾つも生まれたネオニスの中で、それの適合性が高い…」


 ティリオが頷き「多分ね」と


 グランナが

「それをティリオの父さんに言った方が…」


 ティリオが

「いや、そろそろ…」


 ティリオ達がいる部屋にディオスが来て

「ティリオ、少し聞きたい事があるんだが…」


 ティリオが

「父さんも気付いたんだろう。これが同等の権利獲得じゃあなくて、新たな超越存在を創造する為にって」


 それを聞いたディオスが少し呆れつつも

「なるほど、ティリオもその結論に至ったのか…」


 ティリオが立ち上がり、父ディオスの前に来て

「父さんの想定は合っていると思う。ボクも…そう思う」


 ディオスが額を抱えて

「さて、事は…どうなるか…」


 ティリオが

「これを…ネオシウス時空の方々に知らせたの?」


 ディオスが厳しい顔で

「まだ…だ」


 ティリオも厳しい顔で

「これ、下手をしたら、トンデモナイ混乱になるよね」


 ディオスが頷き

「この時空が分裂する事態になるかもな」


 その一言でティリオ達、周囲が沈黙する。


 不意に、エアリナがとあるデータをデータの立体映像から見つけて

「へぇ…アルマティスの彼女達五人を創造したのも、働いていた場所も、アナスタシア様が関係する会社なんだ…」



 ◇◇◇◇◇


 アナスタシアは自分の宇宙コロニーの都市部にあるビルで、ソファーに座って目を閉じていると、アナスタシアの周囲に光の円環が幾つも浮かんでは、何かをアナスタシアへ転送するように光を伸ばしては消えて行く。


 アナスタシアが目を開けて

「順調のようね…」

と、鋭い視線になる。

 その視線は、部屋を捉えていない。

 それは、別の人物の視界とリンクしていた。


 リンクしていた人物の視界には、右腕の治療を終えるミカボシに、ミカボシに手を貸すハジュンの姿があった。


 アナスタシアがリンクする人物からの視界を見て笑み

「ええ…そうやって、治療を終えて…」


 アナスタシアは、リンクを閉じると、別の通信画面を開く。

「父様、アルヴァート様…」

 その通信画面には、アナスタシアの父親にしてルークスシアス共和宇宙王国の王であるルクセウスと、タルコシアス連合宇宙帝国の王であるアルヴァートが

 その二人を前に、アナスタシアは怪しく笑み

「こちらの予定通りに全ては進んでいますわ」


 アナスタシアの父ルクセウスが頷き

「よろしい。では、予定通りに…」


 アルヴァートが困惑の顔で

「まさか、そんな事が…アナスタシア嬢は…」


 アナスタシアの背後に光輪が浮かぶ。その光輪は様々な象形文字を組み合わせた光輪であり、そして、その光輪は…とある秘術の伝承通りだった。


 ルクセウスが

「しかし、我が娘が…とは」


 アナスタシアが金髪の髪を撫で振るい

「徒然ですわ。遺伝子とその素養がある者達が、ある程度、揃って一致する状況を継続させれば、そうなりますわ。その為にアガラシア(転輪呪樹)を作ったのですから」


 ルクセウスが頷き

「大いに期待しているぞ。娘よ。いや…アマテラス」


 アルヴァートが

「周囲の王族や皇族達の根回しは、任せてくれ…いや、行わせて頂きます。根源の女王様」


 アルヴァートとルクセウスの通信が終わり、次に弟のルークスとカイラルドの二人が出る。

 通信画面には、怯えるルークスと、頭を下げるカイラルドがいた。


 アナスタシアが

「ルークス、逐次、怪しい動きを聖帝側がしたら報告しなさい」


 ルークスがアナスタシアへ怯えるような目を向けて

「あの…何時から…ですか?」


 アナスタシアが笑み

「何時から、最初からよ。生まれた時から、この体に転生してからね」


 ルークスが怯えて震えている。

 アナスタシアが何時もの優しくも厳しい姉のアナスタシアの顔になり

「ごめんなさいルークス。でも、これで大丈夫だから、ね」


 ルークスが何時もの姉の顔が見られて安心し

「はい、分かりましたアナスタシア姉様」

と、通信画面が終わる。


 カイラルドが

「我々は、何時…はせ参じれば?」


 アナスタシアが鋭い顔を、あの恐ろしい女王の顔になり

「ジョカ達、ネオニスのリンクによれば、後…三日だそうよ」


 カイラルドが頭を下げ

「では、その日までに艦隊の準備を…」


 アナスタシアが頷き

「ええ…期待しているわ」


 カイラルドが顔を上げて

「全ては根源の女王、アマテラス様のご意志のままに…」

と、通信が切れた。


 アナスタシアは再びアマテラスの光輪を展開して

「ルシア!」


 ルシアがいる別の宇宙コロニー、ルシアがいる書斎のシステムをハッキングして呼びかける。

 書斎で一人だけのルシアが怯えて

「アンタ、何時から…」


 ルシアがいる机の前にシステムを乗っ取ったアナスタシアの立体映像が出て

「始めからよ。元からね」


 ルシアが苦しそうな顔で

「アンタもアンタなら、オルスもオルスね」


 アナスタシアが呆れ気味に

「本当に、オルスは…二千年前のミカボシのままだったわ。私は…少しだけ変わっていくけどね」


 ルシアが厳しい顔で

「で…アタシに、どんな事を頼むのよ」


 アナスタシアが鋭い視線の笑みで

「リークなさい。聖帝ディオスの一行に…アガラシアのコアには…かつて、このネオシウス時空で誕生した超越存在の力が封印されている…と」


 ルシアが嫌そうな顔で

「理由は? 変な事を言えば疑われるわよ!」


 アナスタシアが上から言うように

「オルスが残した日記に…そういう部分があったわって言えば良いわ。それで十分、その後…ルシアは望み通りになる。アンタは別系統のネオシウス時空の超越存在の子を宿す聖母になれるのだから」


「う…」とルシアは言葉を詰まらせる。


 アナスタシアが怪しく笑み

「富みも地位も手に入れて、次に欲する…ネオシウス時空の聖母の名誉に加えてやるんだから…従いなさい」


 ルシアが

「アンタは、昔からそう。強い確信と強い威圧を持っていた。まあいいわ。目的の事が手に入るなら何でも…」


 アナスタシアが

「アナタのそういう利益に賢い所は好きよ」

と、ルシアとのハッキング通信を終えて、再びミカボシの傍にいるジョカ達の視界とリンクする。

「やっと…やっと、この時が来たわ。アナタが悪いのよ…アナタが…そのまま崇高であり続けるから…」

と、リンクした視界からミカボシを見つめ続けた。


 


ここまで読んで頂きありがとうございます。

続きを読みたい、面白いと思っていただけたなら

ブックマークと☆の評価をお願いします。

次話を出すがんばりになります。

次回、暗躍と深謀遠慮

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ