星光 第120話 救援者達の裏で
次話を読んでいただきありがとうございます。
ネオシウス時空のテロに対処する事になったディオス達、超越存在達の時空艦隊
それによって奪還されるネオシウス時空だが…
ディオスがアルヴァートに取り戻すと宣言して、数時間後に様々な時空の部隊が加わった連合艦隊がネオシウス時空に到着した。
ディオスがアルヴァートに約束した一日で、占拠されたネオシウス時空の三分の一が奪還された。
それはネオシウス時空のタルコシアス連合宇宙帝国並びに、ルークスのルークスシアス共和宇宙王国の周辺まで奪還された。
ディオスが編成した連合時空艦隊はとんでもなかった。
黄金創世民のアヌビスのエメラルドグリーンの時空艦隊
機神人類のアダムカインの百キロ越えの機神達の時空戦艦
更に、多くの超越存在達の時空艦隊
那由他の桁の時空戦艦達がネオシウス時空に現れて、奪われた超空間ネットワークを一斉に奪還した。
その時に応戦として出ていた五機の機神スカイギアだが。
ディオスのセイントセイバー部隊が対処して、敗走した。
そもそも、機神スカイギアを設計したオージンがいるのだ。その弱点は明白だ。
テロリストのアルマティスは…敗走を続ける。
◇◇◇◇◇
アルマティスの時空戦艦で治療を受けるミカボシが、治療ベッドにいて右手を治療装置の円筒に包まれて横になっている隣にハジュンが立って
「外部の時空艦隊が来て数時間で、我らが苦心して作った超空間ネットワークのハッキングが解除された」
ミカボシが治療ベッドにいて笑み
「これは、三日と持たんなぁ…」
ハジュンが
「牽制と時間稼ぎの為に聖帝ディオスの惑星へ送った惑星兵器が…我らの手口を教えてしまったようなモノだな」
ミカボシが
「それほど、聖帝ディオスの権勢は強いという事か…」
ハジュンが
「どうする? 計画を前倒しに…」
ミカボシが
「そうだな…もう少し…時間が欲しかったが…」
そこへ彼女達五人、ジョカ、イナンナ、シャヴァ、ブリジット、ケインナが入り、ジョカが
「ミカボシ! どういう事だ!」
と、ミカボシに詰め寄る。
ミカボシがうるさそうに
「反撃は予定通りの事だろう」
イナンナが怒り顔で
「私達の力、機神スカイギアが全く通用しないわ」
ブリジットが怒り顔で
「反超越存在の兵装も…全く意味を成していない」
ハジュンが
「落ち着け、まだ、三分の一だ。残り三分の二も残っている」
ケインナが苛立った顔で
「アンタ達、まさか…私達を裏切る気?」
ミカボシは溜息を漏らして
「そんなつもりはない。大丈夫だ。少々…計画が前倒しになるが…何とかなる」
彼女達五人は疑っている。
ミカボシが彼女達五人に
「君達の目的は、私の願いでもある」
ハジュンが困り顔で
「まだ、治療が終わっていないのだ。少しは気をつかってくれるとありがたいのだが…」
シャヴァがミカボシを睨み
「裏切ったら地の果てまで追い詰めて…」
ミカボシが溜息を漏らして
「分かっている。君達は五人で一人だ。その恐ろしさは理解しているよ」
彼女達五人は去って行った。
ハジュンが
「ミカボシ、本当に不思議だ。彼女達は新たな人の雛形なのに、悪しき部分は、まるで人のようだ」
ミカボシが
「人は人という形ではなく、人が人として育った環境が決めるという事だ…」
◇◇◇◇◇
ディオスは、セイントセイバー号の執務室で、とある調査を待っていた。
セイントセイバーのアーヴィングが入り
「ディオスさん…今回のテロリスト、アルマティスの五人の所在です」
と、立っているディオスにデータプレートを渡す。
デュオスが受け取り
「ありがとう」
と、データを展開して見ていく。
アーヴィングが
「説明をしますか?」
ディオスがアーヴィングを見て
「アーヴィングは、どう思う? アルマティスの彼女達に関して…」
アーヴィングが渋いひげ面の顔をしかめて
「まあ、よくある新型人類と旧型人類の確執…とか」
ディオスが「んん…そうか…」としか言えない。
アーヴィングが
「ディオスさんは、どう?」
ディオスは考えつつ
「私は、別の目的があるように思える」
アーヴィングは首を傾げて
「テロの目的は、自分達のようなネオニスとする新型人類を旧型人類と同等に扱うように…という同権が目的ではなく」
ディオスが
「それは、本当だと思う。アルマティス五人の彼女達の生い立ちを考えれば、そういう考えに行き着くには当然だ。だが…」
アーヴィングが真剣な顔で
「引っかかる事があると…」
ディオスが頷き
「やっているレベルが大きすぎる。必要なら…ネオシウス時空の一部をネオニスという新型人類だけの独立国家にして、そこを足掛かりに…」
アーヴィングが
「この宇宙全体が占拠される程の事をする必要がないと…」
ディオスがデータプレートの情報を見ながら
「効率の話だ。今回のテロは、それに見合っていないレベルのコストが掛かっている」
アーヴィングが驚きの目をして
「もっと巨大な何かが…」
ディオスがデータプレートを見つめながら
「ああ…そして…このネオシウス時空にあるアガラシアというシステム…本当にネオシウス時空の超空間ネットワークを維持する為に存在しているのか?」
アーヴィングが
「それが何か重要な部分として…」
ディオスが頷き
「アルマティスは、このアガラシアというシステムをコアにして超空間ネットワークを乗っ取った。これに…秘密があるんじゃあないのか?」
ディオスの思考が怪しい部分を示していた。
◇◇◇◇◇
ティリオ達の元にも、アルマティスに関する資料が来ていた。
ティリオ達は、セイントセイバーの居住区にある宿泊施設のホールで、資料のデータプレートを見ていた。
ティリオは、ソファーに座り、その後ろの背もたれにナリルとアリルが座り、左右にジュリアとエアリナが座り、ティリオが捲るデータプレートの資料を見ている。
その様子にファクドが
「あれ…見にくくないか?」
と、隣にいるグランナが
「ティリオ達にとっては、あの方が話しやすいってさ」
ファクドが「そう…」と、ティリオ達の一心同体に呆れる。
ティリオ達五人は、五人一緒に同じデータプレートを見つめて、ティリオがデータを捲る手を止める。
そこには、アルマティスである彼女達の生い立ちがあった。
「これは…」
と、ティリオは顔を鋭くさせた。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
続きを読みたい、面白いと思っていただけたなら
ブックマークと☆の評価をお願いします。
次話を出すがんばりになります。
次回、彼女達の生い立ち