星光 第119話 救援者
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駆けつけた北斗の救援によって難を逃れたティリオ達、そして…ネオシウス時空には…
ティリオ達はグッタリとしてその場に座っている。
ティリオ達がいる場所は、北斗達の時空戦艦だ。
閃光の輝きを放つスフィアのような時空戦艦、全長が惑星サイズの水滴型の時空戦艦の休憩ホールでティリオ達は安心して力が抜けていた。
ティリオ達十五人の周囲にメガデウス人類の人が回復の効力を持った飲み物を持って来て
「大丈夫ですか?」
ティリオ達はそれを受け取って飲みつつファクドが
「ギリギリでした」
と、回復飲料を口にする。
そこへ北斗が来て
「大変だったな」
ティリオは回復飲料を口にして立ち上がり
「エアリナは? オージン様達は?」
「ティリオ!」と走ってくるエアリナと、その後ろにオージン達が続く。
ティリオはエアリナの元へ走り
「大丈夫だったか?」
と、エアリナを抱き締める。
エアリナが驚くもティリオの背中を摩って
「大丈夫よ。オメガデウスに乗っていたんだもの」
千華が近づき
「スカイギアが現れたぞい」
オージンも来て
「こっちもギリギリじゃったが…この者達のお陰でな」
と、メガデウス人類達を見ると、メガデウス人類達の一人が
「本当に少しでも遅れていたら…間に合って良かったです」
北斗の水滴型の時空戦艦の周囲に多くの時空戦艦達が出現する。
エメラルドグリーンや機神型の大多数の時空戦艦達、その中にセイントセイバー号も出現して、直ぐに北斗の水滴型の時空戦艦と接触して
「無事か!」
と、ディオス達が入ってきた。
ディオス達が来て、ティリオが
「父さん…」
ディオスは、ティリオとジュリア、アリル、ナリル、エアリナの四人が無事なのを確認してホッと胸をなで下ろして
「良かった」
オージンが
「聖帝殿、こちらの事情の説明だが…」
ディオスがオージンを見つめて
「来る前に概要だけは…」
オージンが「なら、詳しく説明しようぞ」とオージンが説明をしてくれた。
説明を聞き終えたディオスは額を抱えて、隣にいるセイントセイバー総長アーヴィングが
「なんて事だ…」
額を抱えているディオスに息子のティリオが
「父さん、本当に前代未聞な事態になっている」
ディオスがティリオの後ろにいる北斗を見て
「なるほど、北斗くんを先に選んだ理由が分かった」
北斗が腕を組み
「ティリオの予測は正しかった。この事態の裏に強大な力を持った超越存在が隠れているなら…自分のような、アンチ超越存在でもある神越存在が必要だ」
ディオスが北斗に
「北斗くん、相手は?」
北斗が鋭い顔で
「二柱の超越存在ではありますが。アヌビスやディオスさんのような超越存在の成り立ちではない…と」
ディオスが真剣な顔で
「では、我々のような超越存在の宇宙王達が…押さえるとなったら…」
北斗は鋭い顔のまま
「ムリでしょう。自分が対処した方が早い」
そう、毒になる北斗自身が対処した方が…。
ディオスは腕組みして考え
「なるほど、さて…どうするか…」
そこへ、ヴァイオレットの時空艦隊が到着して、ヴァイオレットが来て
「聖帝様!」
と、ディオスの元へ駆けつけて
「聖帝ディオス様、アルヴァート陛下が…」
ディオスがアーヴィングと視線を合わせた。
こうなったか…というアイコンタクトをして
「分かった。行こう…」
と、ディオスがアーヴィングと共にヴァイオレットの旗艦へ向かう。
旗艦の艦橋ホールの巨大画面にアルヴァートが出て
「聖帝様、申し訳ありません。せっかくのご子息の修学旅行がこんな事になってしまい」
ディオスが首を横に振って
「アナタ方のせいではないです。それよりも…」
通信画面のアルヴァートが渋い顔をして
「お恥ずかしながら…我々は…何も出来ません。皇族や王族が管理運営している全ての星艦や時空戦艦が航行不能状態で、それから外れていた僅かな時空戦艦や宇宙戦艦が動けるだけ。言うなれば…無力です」
ディオスが渋い顔をして
「我々は侵略者ではありません。アルヴァート陛下や、ネオシウス時空の協力がなければ…救援を…」
アルヴァートが
「先程、秘匿回線を使って各個々の皇族や王族と連絡を取り、聖帝様の存在も知らせました。そして、全員の一致をもって、とある決議を決めました。その決議書を持ったティリオ様のご学友がそちらに」
旗艦の艦橋ホールのオペレーターが
「司令、友軍反応が。空間転移して」
ディオスが会話する旗艦の正面から空間転移した小型宇宙船が出現する。
それを操縦するのは、レリスとルビシャルの二人だ。
レリスが操縦席の隣席にルビシャルが
「何とか戦闘に巻き込まれずに到着できたか…」
と、自分が抱えるカバンを撫でる。
操縦するレリスが
「ああ…何とか辿り着けた」
二人の操縦席にティリオ達全員が映る通信画面が出てグランナが
「無事だったか!」
ルビシャルが抱えいるカバンを掲げ
「やばいミヤゲ付きだけどね」
二人が乗る宇宙船が無事にヴァイオレットの旗艦に入り、ディオスがいる艦橋ホールへルビシャルが預かったカバンを持っていき
「はい、聖帝ディオス様。これが…」
「ありがとう」
と、ディオスは受け取ってカバンを開けると、数枚の書類とデータプレートがあった。
ディオスがその書類を見つめていると隣のアーヴィングが
「ディオスさん」
ディオスが鋭い顔になって、そこへ北斗も来る。
ディオスは、北斗とアーヴィングに挟まれて、書類を丁寧に読み終えて顔を上げて
「これより、セイントセイバー部隊は…タルコシアス連合宇宙帝国並びに、ネオシウス時空の統治機関と連携して、この事態の解決に当たる!」
アーヴィングが素早く動き右手を左胸に当てる敬礼をして
「受領しました! これより、聖帝ディオス様の指揮下に入ります」
北斗が鋭い顔で
「オレ達、超越存在や宇宙王の連合は?」
ディオスが鋭い顔で
「我ら連合を組む超越存在や宇宙王達に呼びかける。時空国家が転覆する全体未聞の大事件ゆえに、協力を呼びかける」
北斗はカツンとカカトをならして背筋を伸ばして
「我らメガデウス時空部隊、聖帝ディオス様の指揮下に入ります」
ディオスがネオシウス時空の統治者の願いがこもった証明を深く懐に握り締め、通信画面のアルヴァートに
「アルヴァート陛下」
と、一本の指を立てる。
アルヴァートが
「一ヶ月、いや、事態解決に一年もかかるのですね」
ディオスが
「一週間です。一週間以内に、この時空規模のテロを粉砕する。約束します」
アルヴァートが困惑を見せて
「そんな、ムリでは? 我々は年単位と…」
ディオスが堂々と聖帝の威風を伴って
「出来ない約束はしない。出来る事を出来ると言って何が悪いんですか?」
それを通路に隠れて見ているティリオ達がいた。
ティリオの後ろにはエアリナ、ジュリア、アリル、ナリルの四人がいる。
ティリオは鋭い顔をしていて、エアリナが
「そんな事…可能なの?」
ティリオは淡々と
「父さんは、一度も…約束を破った事は無い。やれるから約束する」
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次回、救援者達の裏で