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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
亡国覚醒カタルシス
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星光 第111話 嵐の前

次話を読んでいただきありがとうございます。

ティリオは、頼まれた依頼をこなしていると…


 オージン達は、ネオシウス時空のとある霊廟に来ていた。

 オージンとルークスの二人を先頭に、千華と紫苑にクロエラの三人が続く。

 全てがクリスタルで作られている巨大な霊廟の宮殿の通路を進む、オージン達。


 ルークスが

「我がネオシウス時空の初代の超越存在様の大霊廟に観光とは…」

と、告げる口調はどこか誇らしげだ。


 オージンが鋭い顔で、クリスタルの大回廊を進む。

 そのクリスタルの大回廊には、この世界の、ネオシウス時空の超越存在だった者の成り立ちがクリスタルの大回廊の壁に壁画として描かれていた。


 ルークスがその壁画を示し

「このクリスタルの壁画は、この惑星が破壊されない限り、永遠に残る偉業を讃えるでしょう」


 クロエラがその壁画を見て

「二人、超越存在がいたのですか?」


 そこには、男女の対になった壁画が多い。


 女性の一人が天を照らす日の光を背負い。

 男性が背中に漆黒の渦を背負っている。


 ルークスが

「このネオシウス時空で、超越存在の根源と繋がる力を持つ血族の女王によって、一人の超越存在が覚醒した。その超越存在が、我らルークスシアス共和宇宙王国とタルコシアス連合宇宙帝国と、多くの王族達の祖先になったのです。我らは、その根源の女王と超越存在の由緒正しい正当な血族なのです」

と、自慢げだ。


 千華が訝しい顔で

「なぁぁぁにが由緒正しいだ。どうせ、勝ち組の戯言でしょうが」


 紫苑が焦って

「千華、それは言っては…」


 ルークスは鼻で笑い

「幾らでも言うがいい。我らは我らの正当性を理解している。煩わしい戯れ言に騙されんわ」


 千華がムムム…と口を尖らせて

「だって、偉そうに…ねぇ。オージン様はどう思います?」

 こういう時に限ってオージン様と様付けに呼ぶ。


 オージンが淡々と

「そうじゃな…どうでも…」

と、次を言う前に奥の広場に到着した。


 そこは巨大な百メートルサイズのホールで、その中心にクリスタルが外の光を送る庭園の大樹があり、その大樹を中心に多くの皇族や王族の墓石が並ぶ。

  

 ルークスが

「あの奥にある大樹がネオシウス時空の初代である超越存在の墓所であり、その伴侶であり半身でもあった根源の女王も一緒に眠っている」

と、大樹を指さす。


 そこへオージンが近づくと大樹の回りを回って、とある碑石を見つける。

 その碑石には、黒い太陽と…そこへ向かう稲妻の図が描かれていた。

 それをオージンは凝視している。

 その碑石には、とある楔形から呪術文字へ変貌した漢字の名が刻まれていた。


 オージンがそれを見つめていると、ルークスが来て

「この碑石に刻まれた太古の名は…」


 オージンが鋭い目で

「天津甕星…」


 黒い太陽と稲妻達が落ちる碑石には、漢字で天津甕星と…


 ルークスが

「ご存じなのですか?」


 クロエラと千華に紫苑が来て、クロエラが鋭い顔のオージンに

「お爺様…何か?」


 オージンが

「歴史とは物事の流れ。そこに生じる人の思いまでは…分からぬものよ」

と、碑石の前に膝を突き、天津甕星の名の隣にある古の文字を目でなぞる。


 ルークスが

「この碑石は、初代の超越存在様が自ら残したモノで、天津甕星という呼び名以外は、どう読むのか…伝わっていません」


 オージンが

「では、口にしよう」

と、オージンが碑石に書かれていた文字を読む


 ”主よ、アナタはどこにいるのですか?

  主よ、アナタはどこにもいないのですか?

  アナタは、答えてくれない。どうして?

  ああ…そうか、主は、神なぞ…いない。

  いや、始めから存在していなかったのだ。

  神は、人が作った幻想、妄言でしかなったのだ”


 ルークスが驚きの顔で

「そんな事が刻まれていたのですか!」


 オージンは、とある人物の言葉を過らせる。

 それは、かつて…とある事で関わった人物、オルス…ミカボシの言っていた言葉だ。


”神なんて存在しない。人が父母を求めて甘えるおしゃぶりが神の正体なんですよ” 


”だから、人は何時までも神というおしゃぶりから卒業できない。社会だって宗教と同じ何かのおしゃぶりを信じ込む事で成り立っているのですから”


 それは、ミカボシの言葉だった。


 オージンが渋い顔をして目を閉じる。

「そうか…だから、アマツ ミカボシ…天津甕星なのだな」


 ◇◇◇◇◇


 ティリオ達は、星艦オルボスの長大な内部空間にある惑星建造物の調査をしていた。


 グランナとファクドは、お互いのマキナ、ガイオロスとサスハラジャに乗って調査する惑星建造物を周回してデータを取る。


 そのデータを受け取るのは、ヴァイオレットの時空艦隊の旗艦の艦橋にいるティリオだ。


 通信でグランナが

「どうだ? オレとファクドのマキナからのデータは?」


 ティリオが転送されたデータの立体映像を睨み

「これは…なんだ? 物質ではなく、エネルギーの集合体で構築されているなぁ…」


 ファクドが通信に入り

「エネルギー素材で出来ているのか?」


 ティリオが「ああ…」と頷いた。


 通信のグランナが

「こんな巨大なエネルギー素材の塊…何の為に作ったんだ? デカすぎるだろう」


 ティリオがデータを解析しながら

「それは、これから」

と、次を口にする前に別の通信画面が出た。

 その画面には、クロストが映っている。

 ティリオが困惑気味に

「クロスト…どうしたの?」


 画面に映るクロストが苦笑で

「オレ達も…ティリオ達の修学旅行につき合えってさ」

と、クロストは他の仲間達を拡大画面にしてティリオに見せる。


 ティリオが訝しい顔をして黙る。 

 クロストの拡大画面にいるのは、ティリオと同年配のセイントセイバー達の十名だ。

 ティリオには、来させる理由が分からなかった。

 クロストが連れてきたセイントセイバーの十名は、ティリオに近く能力が高いメンバーだ。

 そんな重要な者達をたかが修学旅行へ送る事に…

 ティリオは、ハッとして

「もしかして、何かあった?」


 クロストが

「ちょっと、話をしないか? そっちに向かっても良いよね?」


 ティリオは深い溜息をして

「分かった。待っている。現在位置を送る」


 クロストが頷き

「直ぐに行く」


 ティリオは嫌な予感を感じていた。



ここまで読んで頂きありがとうございます。

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次話を出すがんばりになります。

次回、帰って来た男

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