表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
逸般の誤家庭
894/1112

星光 第103話 修学旅行 その一

次話を読んでいただきありがとうございます。


ネオシウス時空での修学旅行を続けるティリオ達、その先で…


 ティリオ、ジュリア、アリル、ナリル、エアリナの五人と、ファクド、グランナ、レリス、ルビシャルの四人は、ヴァイオレットに連れられて…とある宇宙学園へ来た。

 全員の服装は、その宇宙学園の制服で、一時的な生徒して体験入学のような感じで過ごす。

 その宇宙学園は、この時空の様々な場所から来た生徒達で賑わっていた。

 ただ、そう…とある空気感がシュルメルム宇宙工業学園と似ていた。

 この宇宙学園にいる生徒は…。


 ティリオ達九人の案内や面倒を任されたのがヴァイオレットの妹であるヴィオラだ。

 この宇宙学園の生徒会長をしている。

 ヴィオラが

「どうですか? このエリザス学園は…」


 ファクドが微笑み

「とても、素晴らしい学園ですね」


 こういう営業事はファクドが得意なので助かる。

 

 ルビシャルも

「ええ…とても穏やかで皆…凜々しい生徒達で素晴らしい学園ですわ」


 ルビシャルもファクドほどではないが…対応が上手い。

 ファクドとルビシャルは、共に地元では王族のような地位にいる家系なので、こういう対応には慣れている。


 ヴィオラも慣れた対応に頷き

「そうですか…是非、将来は…皆様が日々、過ごされています。シュルメルム宇宙工業学園とも交流を持ちたいと考えております」


 杓子定規の受け答え、適切な距離感と挨拶。


 そう、このエリザス宇宙学園は、このネオシウス時空の上流階級の子供達が通う大きな多国籍学園なのだ。

 

 所謂、本音と建て前、杓子定規の受け答え、適切な距離感、そして…隠れた立場の違い。


 ティリオは、学校の内部の生徒達を観察して、生徒達の節々にそれを読み解く。


 エアリナがティリオの脇をつつき、小声で

「ティリオ…あんまり周囲を分析しない方が良いわよ。顔に出てる」


 ティリオは呼吸を整えて「分かった」と小さく返信した。


 ヴィオラを先頭にエリザス宇宙学園の散策と授業や、様々な学校内情を聞く。

 基本、授業は講義式で、生徒の自主性を重んじている。ここでは、家の事情による立場の違いはなく平等である…と。

 それは表面の話だけ。

 どうしても、上流階級では…属している派閥や家の繋がりによって、人間関係が固定化しやすい。

 それはシュルメルム宇宙工業学園でも同じだ。

 表向きとしては、自由と平等は唄うも、その裏向きである階級、ヒエラルキーは存在している。

 それは、ティリオ達のアースガイヤでもあった事だ。

 暗黙の了解…どこにでも存在している。目に見えないルールを察知する事が、一番の処世術であるのは、どこの時空でも同じらしい。


 そして、生徒会室へティリオ達が来る。

 そこは、広めの書斎で、客席のソファーとテーブル、本棚、賞を飾る棚、奥に生徒会長の席と机があった。

 生徒会のメンバーがティリオ達をもてなす。

 ティリオが生徒会室を見渡しながら、歴代の生徒会メンバーの集合写真が置かれた特別なステンドグラスの前に来る。

 その中にある、とある生徒会メンバーの写真の一つをティリオを見つめる。

 それは、あのパーティー会場で揉め事を起こしたルークス皇太子と、その姉上アナスタシアに、ルシアという女子生徒と、そのルシアの後ろに立つ冷徹な目を持つ長身の生徒オルス。

 ティリオは、オルスの独特の雰囲気に憶えがある。

 そこへヴィオラが来て

「気になりますか?」


 ティリオがヴィオラを横見する。

 ティリオは、集中していると戦闘モードのような鋭さがある。

 ティリオは、まだ十八になった少年なのに、歴戦の戦士のような…生きた戦闘兵器のような雰囲気がある。

 少しだけヴィオラが下がるが、ティリオの後頭部に軽くチョップをするグランナが

「お前のそういう鋭さ…人に向けるな」


 ティリオが「すいません」とヴィオラに謝る。


 ヴィオラがティリオの隣に立ち、ティリオが凝視していたであろうオルスを指さして

「この方が…オルス様です」


 ティリオが

「何か、逸話でもあるのですか?」


 ヴィオラが

「なんと言いましょうか…孤高の方であったのは聞いています」


 ティリオが「孤高の方…」と噛みしめる。


 ヴィオラが別のルシアという人物を指さして

「この方に話を聞いて見た方が正確かもしれません。オルス様のパートナーだったらしいので…」


 ティリオは、オルスの前にいる明るい笑顔の少女ルシアを見つめて

「パートナーですか…」


 ヴィオラが

「今は、運輸会社の方を経営しているようなので、姉上に頼めば…お話が聞けると思いますよ」


 ティリオは色々と考えて

「もしかして、ヴァイオレット様は…ルシア様のご学友だったのですか?」


 ヴィオラが頷き

「はい。そして、姉上が持っている時空艦隊もルシア様とオルス様によって…」


 ティリオが鋭い顔で

「オルスが手に入れた超越存在の遺産の一つ…という事か…」

 ヴァイオレットの時空艦隊を修理した時に、使われている技術やシステムから…大凡、そうだろう…という当たりは付いていた。


 ヴィオラが頷き

「はい。このネオシウス時空の名家は全てと言って程に、二千年前に出現した。この時空の超越存在、宇宙王の遺産を継承して、その恩恵によって成り立っています。そして…継承者がいない遺産も多く存在していますが…」


 ティリオが

「なり手は少ない…という事ですか」


 ヴィオラはオルスの写真を見つめて

「オルス様は、その中でも特例中の特例という事です」


 ◇◇◇◇◇


 ティリオ達は、エリザス宇宙学園を後にして、とある人物と話す事になった。


 その現場へ向かうと

「おう、お先に…だぞ」

 オージンが千華と紫苑にルークス皇太子を伴っていた。


 ティリオ達が話す人物、それは

「初めまして、ルシア・アランドラです」

 オルスのパートナーだった彼女である。



ここまで読んで頂きありがとうございます。

続きを読みたい、面白いと思っていただけたなら

ブックマークと☆の評価をお願いします。

次話を出すがんばりになります。

次回、修学旅行 その二

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ