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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
逸般の誤家庭
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星光 第100話 壊滅させた後に

次話を読んでいただきありがとうございます。

ティリオがやった事が色々な場所で波紋を呼び…


 ヴァイオレットの時空戦艦達がアースガイヤで修理を受けていた。

 軌道エレベーター式コロニーのミリオンで修理される時空戦艦達をクロスト達が来て見つめる。


 自動ロボット達によって修理される時空艦隊を前に、クロストと金髪の乙女に魔族の角を持つアリエス、額に角があるオーガ族の少年ナハトルが見上げて


 アリエスが

「ティリオが壊しちゃったみたいよ」


 クロストが

「何やったんだよティリオ…」


 ナハトルが

「なんでも、オージン様を誘拐した連中らしくて、ティリオがその誘拐した時空艦隊を壊滅させて、誘拐から救ったらしいよ」


 クロストが

「ええ…そんな必要…あったの?」


 ナハトルとアリエスが首を横に振りアリエスが

「ない。だから、ジュリア達に怒られているわよ…ティリオ」


 クロストは顔を引きつらせて

「ティリオ、覚悟を決めちゃうと徹底的にやっちゃうからなぁ…」


 ナハトルが

「で、壊滅させちゃったから…来たと…」


 クロストが

「この人達…どこの時空艦隊なの?」


 アリエスが空間端末を魔方陣で開いて

「ええ…と、ね。ネオシウス時空の中にある連合宇宙国の一つ、タルコシアス連合宇宙帝国の、第八時空艦隊らしいわよ」


 クロストが

「オージン様を誘拐しようとした理由は?」


 アリエスが調書のデータを捲って

「ええ…何でも、オージン様に聞きたい事があったらしいけど」


 ナハトルが

「それで誘拐か…強引だね」


 クロストが

「ちゃんと、会見したいって申請すれば…問題なかったはずだよね」


 アリエスが更に調書のデータを捲り

「なんでも、この時空艦隊の司令、ヴァイオレット・ロザリアって人が強引に進めた結果らしいわよ」


 クロストが呆れ気味に

「結局、こうなってしまっては意味ないじゃあないか…」


 ナハトルが

「だから、そのタルコシアス連合宇宙帝国の皇帝陛下が直接…来ているらしい」


 クロストが顔を引きつらせて

「時空間外交問題になるよね…」


 アリエスが

「どうかなぁ…こっちには、被害もなかったし、相手に甚大な被害があったから…穏便に済ますかも」


 ナハトルが

「こっちで修理もしているし…」


 クロストが

「また、ティリオ…大きな問題に巻き込まれたのかなぁ…」


 アリエスとナハトルが

「多分ね…」

と、告げた。



 ◇◇◇◇◇


 ディオスの屋敷では、身なりが整った壮年の男性とその部下達が来ていた。

 男性はタルコシアス連合宇宙帝国の皇帝陛下アルヴァート、その部下達。


 ディオスが客間にアルヴァートを通して

「どうぞ…陛下」

と、お茶を勧めるが、アルヴァートが立ち上がって

「今回の問題、誠に申し訳ない」

と、頭を下げる。


 ディオスは焦りつつ

「こちらこそ、その…息子が…そちらの時空艦隊を壊滅してしまい…申し訳ない」


 アルヴァートが

「聖帝のご子息、それ程の力を持っているのは重々承知だった筈だ。何より、我らが誘拐という…」


 ディオスが

「双方に犠牲者がいなかった。それで良しとしましょう。それに…ご事情は伺っておりますので…」


 アルヴァートが溜息を漏らして

「元はと言えば…私のバカ息子が…」


 ディオスが、アルヴァートを客席に腰掛けさせて、対面にディオスが座り

「出奔して行方不明…と」


 アルヴァートが

「息子オルスは…我らが時空の過去にいた超越存在、宇宙王の遺産の一つ、星艦を継承しました。その後、星艦の力で我が時空の混乱と争いを平定させて、私の後を…継がせるつもりだった。だが…」


 ディオスが

「それを拒否して消えた…と」


 アルヴァートが頷き

「星艦は、オルスの弟、次男のアルスに引き継がせるようにして、星艦の製造システムをコピーして持ち出して…何処かへ…」


 ディオスが困った顔で

「何か…複雑な事情がありそうですね」


 アルヴァートが固く両手を握り締めて

「正直、聖帝殿のご子息が羨ましい。着実に聖帝殿の後を継承している。他にも多くの超越存在を覚醒へ導き、行いを正して道を示し…将来は多くの若い超越存在を纏めるリーダーと…」


 ディオスが

「まだまだ、息子は、二十歳にも満たない子供です。親の力は必要です」


 アルヴァートが俯き

「それでも、父親である聖帝殿の意思を受け継いでいる。立派だ」


 ディオスが

「そうですね。立派すぎて、もっと自由であって欲しいと思っています。子供の事で悩まない親はいません。アルヴァート陛下と同じです」 


 アルヴァートが微笑み

「そのお心深い所、やはり、聖帝と言われるだけはある。感心ばかりさせられる」


 ディオスが

「今回の事で気にするのでしたら…どうでしょう? こういう提案は?」


 それを聞いたアルヴァートが

「よろしいのですか?」


 ディオスが頷き

「息子達には、色々と経験させて置きたいですから」


 アルヴァートが

「それで構わないのでしたら、誠心誠意、尽くします」




 ◇◇◇◇◇


 オージンは、アースガイヤの引退貴族と王族達の食事会に参加している。

 大きなホールでオージンはお辞儀して

「このような盛大な歓迎、誠に感謝の極みにございます」


 オージンの挨拶から始まって、緩やかな食事会が始まった。


 オージンを囲むアースガイヤのご老体達、その一人が

「オージン様、聖帝殿のご子息、ティリオ殿については…どう?」


 その疑問にオージンが

「もし、ワシに孫がいたら…こんな感じかなぁ…と思って」


 老体がワインを注ぎ

「そうですか…」


 オージンが「かたじけない」とワインで喉を潤し

「ティリオとは、少々…ぶつかりました。良い子です。相手の事を思いやる優しい子だ。ぶつかったとはいえ、嬉しかったし、楽しかった。こんな子に会えて人生の最後に…良かったと思えた。だが、生き延びた。なら、もう少しだけ…ティリオにつき合いたいと…贅沢を思うようになりましたよ」


 それを聞いたアースガイヤのご老体達が微笑みを見せる。


 オージンが

「私は、短いかもしれません。ですが…今後とも我ら一族との長きに渡るおつき合いをお願いしたい」

と、再度、頭を下げる。


 その方を老体が抱えて

「さあ、もう一献」


 オージンが杯を持ち

「かたじけない。では、今度はこちらが」

と、相手のグラスにワインを注ぐ。


 こうして、緩やかに穏やかに食事会が過ぎていった。



 ◇◇◇◇◇


 それから数日後、ティリオとジュリア、アリル、ナリル、エアリナの五人は、とある時空に…ネオシウス時空の中にあるタルコシアス連合宇宙帝国の主星に来ていた。


 名目は、ティリオの謹慎延長…理由は、あの時空艦隊壊滅によって…お察しである。

 のは建前で、実際はティリオに色んな体験をさせたいというディオスの親心で、ティリオに時空内で色んな国が混じる世界を見せて体験させたいのだ。


 ティリオがアースガイヤの洋装でタルコシアス連合宇宙帝国の主星に入る。

 タルコシアス連合宇宙帝国は、アースガイヤとナジ洋装の服装ばかりなので、ティリオ達に違和感はない。

 種族は、主に人型が基本で、獣人、人類、翼人、爬虫類型の亜人、がメインだ。


 アースガイヤの時空よりバリエーションが少ないタルコシアス連合宇宙帝国にティリオは首を傾げて

「意外と種族が少ないんだなぁ…」


 エアリナが

「アースガイヤ時空が稀なだけよ。だいたいは、このくらいよ」


 アースガイヤ時空には、人族、翼人、ドラゴン人、アラクネ人、スライム人、獣人、魔族、オーガ族、ケンタウルス人、等とキリがない程に色んな種族がごった返している。

 色んな種族がありすぎて、自然と棲み分けが当たり前になって、種族同士の衝突も少ない。


 そんな環境で育ったティリオだからこそ、寂しい感じがしていた。


 そんなティリオに

「よう! 色男さん! 元気!」

と、気軽に肩を抱く男。


 ティリオが溜息を漏らして

「ファクドか…」


 サングラスに金髪、軟派な格好のファクドがサングラスを上げて

「聞いたぜ。ここの時空艦隊を壊滅させて、謹慎延長なんだって!」


「からかうな」と別の男、グランナが来る。

 その後ろには、レリスとルビシャルも来る。


 ルビシャルが笑みで

「よう、謹慎延長の超越存在の王子様!」


 ティリオが溜息を漏らして

「せっかく、五人で…新婚旅行できると思ったのに…」


 レリスが

「申し訳ないね。でも、謹慎中に…あんな大事件を起こすなんて…」


 グランナが溜息交じりで

「ティリオ…学園で、お前が時空艦隊を壊滅させたって噂で持ちきりだぞ」


 ティリオが渋々に

「だって、オージン様が…」


「ティリオ…」とエアリナが腕組みして見つめる。


 ティリオが

「分かっているよ。反省しているよ」


 ファクドが

「ともかく、オレ達がお目付役と同行者って事で…よろしくな!」


 ルビシャルが

「また艦隊を壊滅させないでね」


 ティリオが

「しないわ!」 

ここまで読んで頂きありがとうございます。

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次回、巡る場所

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