星光 第97話 世界王族会議の食事会
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ティリオの調査で分かった事実をアースガイヤの内部で話し合う為にアースガイヤの国々から国家元首達が集合する。
アースガイヤのディオスの屋敷があるバルストラン共和王国に次々と機神が飛んで来る。
機神の一つ、ティリオの弟シュリオが操縦する機神がディオスの屋敷に着地して、両手に抱えている客席の部屋を下ろす。
シュリオも機神から降りて
「ライドルおじさん達を連れてきたよ」
シュリオの機神が下ろした客席の部屋から隣国、ロマリア帝国の一行が姿を見せる。
それをディオスが出迎えて
「ライドル様、ようこそ…」
ライドルは笑み
「四日前にも来たのだがなぁ…」
ディオスは笑み
「いいじゃないですか…会いたい時に会う。理由としては十分でしょう」
ライドルも頷き
「そうだな…」
そうして会話をしている内に、別の機神が到着する。
それはティリオの弟ゼティオの機神で、同じく客席の部屋を下ろして、ゼティオが機神から降りて
「ヴィルヘルムおじさん達を連れてきたよ」
と、隣国、フランドイル王国からの客人を連れてくる。
ヴィルヘルム一行が
「おお、ディオス! また、お呼ばれに来たぞ」
ディオスが
「ようこそ、ヴィルヘルム様。どうぞ…くつろいでください」
そうして、次々と機神達が降りては、ディオスの屋敷の前に抱える客席の部屋を下ろす。
その全員に挨拶をするディオス。
その風景を屋敷の窓から見つめるエアリナ。
エアリナにディオスの妻の一人クリシュナが近づき
「ごめんね。休んでいる最中なのに…賑やかになってしまって…」
エアリナが微笑み
「いいえ、クリシュナお母様…彼らは…」
クリシュナが
「アースガイヤ全土に点在する王家の人達よ。まあ、王様達ね」
エアリナが
「つまり、各地区の統治者…という事ですよね」
クリシュナが腕を組み
「一部、そうでもあるし…国の象徴みたいなモノね」
エアリナが困惑しながら
「そんな、身分が高い人達が…ディオスお父様の一声で…集まるなんて…」
クリシュナが溜息交じりで
「何時もの事よ。最近は、アースガイヤもまとまって平和になって、良かったけど。外宇宙やら、外時空との問題も多くなって、それについて話し合う事がね」
エアリナが
「機神を使っているという事は、ティリオのお兄様お姉様、弟妹達がお迎えに…」
クリシュナが
「そういう場合もあるけど、半分以上は、その国の機神使いがいるから、その彼らが…ね」
エアリナが
「その機神使い達もディオスお父様と繋がりが?」
クリシュナが微笑み
「ほとんどの機神使い達は、息子や娘達…ティリオやリリーシャにゼティアが、各地で発見して、機神を宿らせて…その後、充人の元へ勉強に行かせて、各地に戻るわ」
エアリナが
「充人様は、確か…デウスマキナの初代、始まりの方ですよね」
クリシュナが
「ええ…らしいけど。ウチでは完全に夫の親族のおじさん扱いになっているわね」
「そうですか…」とエアリナは驚きと困惑で答えつつ、窓の外を見つめた。
改めてティリオ達の交友関係や繋がりの凄さに無言で驚いてしまう。
前にティリオに実家のアースガイヤでの距離感を聞いた事がある。
家があるバルストラン共和王国の周辺国は、ティリオ達にとって数分程度でいける近場らしく、惑星の反対側へは一時間程度も掛かるのでちょっと距離があると…。
つまり、ティリオ達兄弟姉妹達にとって、惑星アースガイヤが市内という感覚で、アースガイヤがある時空全域が国のような感覚、他の時空は外国という感覚なのだ。
ティリオ達が接する人達も、その全員が…何処かの財閥や組織のトップで、ティリオ達の弟達が許婚しているのも、国の象徴とされる王家の血族ばかり。
上流階級でもトップの繋がりばかりだ。
エアリナは改めて痛感する。
ティリオは、普通より少しだけズレている家だよ…って言っているが。
そのズレは、ズレではない。逸脱している。
これが聖帝の血族…。
それを感じていた。
その後、アースガイヤを取り纏める王達の食事会、世界王族会議の食事会がバルストランの大きなレストランで開かれて、王達やその関係者達が楽しく食事会をして談笑していると、その最後の締めである議題をティリオが説明する。
その説明とは…ティリオが関わったアルファイド時空の事件について。
そして、そのアルファイド時空が集めていた…超高次元多結晶体、超空間ネットワークモドキの調査結果だ。
多くの王達の視線を前にティリオは堂々と説明を続ける。
それを遠くから見つめるエアリナ。
海千山千であり豊富な経験と知識を持つ王達が、ティリオの説明を真っ直ぐと聞いている。
無論、隣の席には父ディオスがいるも、静かにティリオの説明が終わるまで待っている。
ティリオの説明、超空間ネットワークモドキに使われた超高次元多結晶体の疑問と、その背景に関しての調査報告が終わり、ディオスの近くにいるアインデウスが
「そうか…またしても…そのような大きな裏が…」
ディオスが
「皆様、今は…表面化してはいませんが…いずれ」
ディオス達の席にいるライドルが
「ティリオ…オージン殿は…もしかして…その事について知っていたのでは?」
ティリオは頷き
「はい、食事会の前に聞きました。知っていたと…」
ライドルの隣にいるヴィルヘルムが
「では、そのオージン殿も呼んで、話を聞きたいのだが…」
ディオスが息子ティリオを見つめると、ティリオは頷き
「問題なく呼べると思いますよ。オージン様達が管理している充座システムは問題なく動いていますから。余裕はあるはずなので…」
アインデウスが
「さて、呼び出すお題だが」
ティリオが自分を指さして
「ぼくを出汁にすれば良いと思いますよ」
ライドルが笑み
「確かに…呼ぶ理由にはなるな。ティリオがそちらでやってしまった事に関して、我々で話し合いたい…とすれば」
ティリオが
「ええ…そういう建前で呼べば、来ると思いますし。それに…オージン様は、皆様と同じ王ですから…」
ティリオが王という言葉を使った事で、食事会の全員がオージンの事を垣間見えた。
ティリオが
「ぼくは、まだまだ…若造です。オージン様と話しても…オージン様の思惑通りに動かされてします。ですが、王であります皆様なら…」
アインデウスが
「という事だ。皆の者、まずは…この事の周知から始めよう。ディオス、お前は天の川銀河連合や、他の銀河連合、惑星王国連合との」
ディオスが頷き
「ええ…他の宇宙王達にも…」
ティリオが
「父さん、これは…あくまでボクの予測だけど…密かに他の時空、宇宙王達や超越存在達に広がっているかもしれないよ」
ディオスが
「それでも一言でも話を通すだけでも違う」
こうして、食事会は終わった。
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次回、出迎えにて…