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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
逸般の誤家庭
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星光 第96話 調べる事実

 次話を読んでいただきありがとうございます。

 ティリオが使った超空間ネットワークモドキの調査、それによって…


 ティリオ達が自宅謹慎で、シュルメルム宇宙工業学園を出発する前に、ヴィルガメス理事長と妻エリドナを前にティリオが

「申し訳ありませんでした」

と、頭を下げる。

 今回の自宅謹慎で色々な方面に迷惑かけているのは自覚している。


 ヴィルガメスが腕を組み深く溜息を吐き

「娘がな…君に対して怒らないで欲しい。お願い…としおらしい態度で、私に言ってきた。

あの…何でも噛みつく娘が…ティリオ君と結ばれて…」

 

 エリドナが微笑み

「ティリオ君、キミも十分に反省しているでしょうから…私達から言わないけど…でも」

 

 ヴィルガメスが

「娘を、エアリナを悲しませないでくれ」


「はい…」とティリオは深く頷いた。


 そして、アースガイヤへ帰還する魔導時空戦艦に戻ったティリオへ、エアリナが

「どうだった?」

と、ティリオが怒られたと思って心配げに見つめる。


 ティリオが微笑み

「キミを悲しませるな…って言われた」


 エアリナが

「そう…父さんと母さんが…」


 ティリオがブリッジの席に座り

「本当に、バカだった。次は…こんな事をしない。約束するよ。エアリナ、ナリル、アリル、ジュリア…」

と、ブリッジにいる彼女達、伴侶達に誓いを立てた。


 ◇◇◇◇◇


 そして、自宅謹慎中のティリオは、朝食を終えて

「じゃあ、行ってくる」

と、出かける。


 アリルとナリル、ジュリアとエアリナがそれを見送り

 エアリナが

「調査なんだよね」


 ティリオは頷き

「ああ…あの時空、アルファイド時空で作っていた超空間ネットワークモドキに使われたアムザクの遺産や、超高次元多結晶体についての分析を頼まれているから…夕方には帰ってくる」


 アリルが

「今日もアタシとエアリナは、義弟妹にゼウスリオンの作る手伝いをして欲しいって言われたから…それを」


 ジュリアが

「ナリルと私は、ヴォルドルの家で、戦闘訓練の手伝いをして欲しいって…」


 ティリオが

「謹慎中なのに、それぞれの用事があるなんて…変だね」


 ナリルが

「事態が混迷しているから、大人しく隠れているって意味もあるかもよ」


 ティリオが頷き

「そうか、じゃあ、行ってくる」

と、背中から機神を取り出して、それに乗り込み。

 ここから反対側にある曙光国へ飛んでいった。


 エアリナが背伸びして

「じゃあ、アリル…行こうか」

と、隣にある義父ディオスの屋敷へ向かうと、手を振って待ち構えているティリオの弟妹達がいた。

 そのティリオの弟妹達の後ろには、先程、建造したゼウスリオン達が並んでいた。


 アリルは乗り込んで操縦テスト、エアリナは自分に宿るネオデウスの力で、幾つもの機体を多数も自在に操作できるので、多数編成で運用した場合のテストをする。

 エアリナの服装もアースガイヤ式のヨーロピアン様相であり、ここに来て三日くらいだが…完全に馴染んでしまっている。

 多分、エアリナが纏っている空気感もティリオと近い感じなので、余計にだろう。


 エアリナとアリルが来ると、ティリオの弟妹がエアリナとアリルを引っ張ってゼウスリオン達の元へ来る。

 ティリオの弟妹は、まだまだ増えるらしい。


 ティリオの両親達は本当に仲が良い。

 ティリオの父ディオスとその妻達四人、クリシュナ、クレティア、ゼリティア、ソフィア、その夫婦達は端から見ていても相思相愛の気持ちが通っているのが分かる。


 エアリナは、自分達もこんな感じになるのかなぁ…という未来が見えた。


 そうして、エアリナは違う時空の出身でも、アースガイヤに馴染んでしまった。


 ◇◇◇◇◇


 ティリオは機神で、惑星の反対側にある曙光国の高エネルギー物質研究所へ到着する。

 駐車場にティリオが操縦する機神が到着して、ティリオが降りると、機神はティリオの背中に回収される。

 それは、何時もの風景のように…誰も慌てる様子はない。

 そして、一隻の時空戦艦が到着する。

 研究所の上に止まり、そこから別時空の関係者も降りて来る。

 その関係者と挨拶するティリオ。

 時空戦艦が研究所の上に静止しているのに、誰も慌てない。

 それが普通のように、皆が振る舞う。


 アースガイヤは、惑星国家から、時空間の繋ぎをするポイントになりつつある。

 かつては、国家同士で争っていたのが…ウソのように国家は、惑星内の枠組みの一つ程度になりつつある。そして、宇宙の惑星同士も…銀河間も、アースガイヤにとっては地域自治体の枠組み程度になりつつある。


 研究所の所長である聖司が

「やあ、ティリオ君」

と、挨拶する。


 ティリオが微笑み

「聖司兄さん、どうも。で…」


 聖司が後ろにする防護ガラスの向こうの装置達に囲まれる爪の先程度の物質、アルファイド時空の事件の際に、ティリオが使った超空間ネットワークモドキの小さな破片。


 聖司が装置を動かして

「この物質が持つエネルギー分布が分かった」


 ティリオが操作する聖司の隣に来て

「天臨丞王のジョウドおじさんが言っていた通り…」


 聖司が頷き

「ああ…アムザクの遺産とは違うエネルギー構成をしている」


 ティリオが考えつつ

「アムザクの遺産をコピーする事は可能ですが。それをする意味は…」


 聖司が

「ないね。必要も意味も無い」


 ティリオが「んん…」と唸る。


 聖司から資料を渡された他の時空の研究者も

「あの…これって、とんでもない厄介事の…」


 聖司が

「善意があり野心があるなら、こんな隠れてやらないよ」


 ティリオが厳しい顔で

「これは、確実に…父さん達の食事会が開かれますね」


 聖司が頷き

「だろうね。ディオスさん達の食事会、世界王族会議の会食…それは、大きな問題を全体に事前周知させる為の意思の共有を目的とした…」


 ティリオが

「父さんは、楽しい食事会にしたいのに…何時も、こういう問題ばかりで…って」


 聖司が

「しかたないさ。それが聖帝の仕事なんだから」


 ◇◇◇◇◇

 

 ティリオは夕方前に帰って来て、ディオスの屋敷へ向かう。

 女中纏め役のレベッカが出迎えて

「ティリオ様…お帰りなさい」


 ティリオが微笑み

「ありがとう。父さんは?」


 レベッカが

「オルディナイト邸の方で書類仕事をしておりますが…そろそろ」

と、言っている間に、ディオスが王都のオルディナイト邸と繋がる空間ゲートから帰ってくる。

「おお…ティリオ」


「父さん」とティリオがディオスに近づき

「父さん、これなんだけど」


 ディオスは頷き

「概要は聖司くん達から聞いた。詳しくは、ティリオの口から聞きたい」


 ティリオが厳しい顔で

「これはマズい…これが隠れて動いている。それが意味する事は…」


 ディオスが

「悪意がある…という事か…」


 ティリオが頷き

「そういう事だと思う」


 ディオスが額を抱えて

「アインデウス様、ライドル様、ヴィルヘルム様達に呼びかける必要があるという事か…」


   

ここまで読んで頂きありがとうございます。

続きを読みたい、面白いと思っていただけたなら

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次話を出すがんばりになります。

次回、世界王族会議の食事会

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