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星光 第93話 若き王と古き王

次話を読んでいただきありがとうございます。

ぶつかる様々な者達。様々な思いを…


 オージンが吠える

「下に愚かよぉぉぉ!」

 オージンが動かす百キロ越えの機神スカイギアが膨大なエネルギー波動を全身から放つ。

 そのエネルギーが星系級の領域を形成する。

 全長五十兆キロの拒絶のエネルギー領域が完成する。

 それは、上に聖櫃を位置さえ、そのエネルギー領域にアサの民達を乗せたオージンの惑星戦艦が出現する。

 聖櫃の下にオージンの惑星戦艦と、その惑星戦艦で連結の祈りをするアサの民が乗っていて、惑星戦艦が形状を変化させる。

 全長一万二千キロの惑星戦艦が広がり、十字を中心とした円環の形状になり、その中央に聖櫃を位置させる。

 始まろうとしていた。

 アサの民の宇宙創造と、この時空からの独立、お別れを…。


 惑星戦艦の中の居住区の画面でルジェルが治療を受けるベッドの、その隣に座るクロエラが黙って、全てが進む情景の画面を見つめている。

 ルジェルがいるベッドで、クロエラがルジェルの手の上に自分の手を重ねる。


 ルジェルが

「お嬢様…もう…終わりです。お嬢様は、家族の元へ」


 クロエラが

「それでも、私はアナタの隣を選択したい」


 ルジェルが俯き

「お嬢様…」

 それしか言えなかった。


 ◇◇◇◇◇

 

 全てが進み始める情景を遠くで見るカレイドの千華が、目の前にいるスラッシャーのアシェルと、マリアンナのオメガデウスに

「キサマ等…敵だな」

と、千華が操縦する全長二百メートル級の巨大な神機を前に、スラッシャーとマリアンナが操縦席越しで強烈な殺気を感じる。


 スラッシャーが

「おお…怖い怖い。それが…かのクィーンと呼ばれた絶対的な支配者の真の姿でございますか…」


 千華の殺気が倍増して

「殺す…」

 亜光速でスラッシャーとマリアンナの機体、マキナへ突貫する。


 スラッシャーとマリアンナは、マキナで応戦するが、その攻撃が千華のクィーンの巨体神機に触れた瞬間、弾かれる。


 マリアンナが

「空間相転移砲でも、無傷ですか…」


 スラッシャーが

「流石、残虐天神を殺しただけはある」


 千華が更にキレて

「おああああああ」

 全長一万キロの惑星を覆い尽くす程のエネルギー砲を放った。


 敵味方関係なく破壊しようとする千華の行動にカレイドのバトロイド達へ退避命令が発令される。

 急速離脱するバトロイド達に紫苑もいて、紫苑が

「千華…もう…やめてください」

と、通じるか分からない通信を飛ばした。


 ◇◇◇◇◇


 ティリオは、自分が乗る十五メートルのマキナ、ゼウスリオンが圧倒的な極小になる程に巨大な機神スカイギアを前にして

「オージン様。ごめん、でも…やっぱり、オージン様がやろうとしているのは…やっぱりダメだと思う」

 ゼウスリオンをオメガデウスへ神化させる。

 ゼウスリオンから白銀の翼を備えるオメガデウス・ゼノディオスにして、ティリオは巨大機神スカイギアへ向かう。


 百キロの巨大な機神スカイギアのオージンが

「小僧よ。この世には解決できない事が山ほどある。これも数多にあるその一つだ!」

と、全長一万二千キロのエネルギーソードをティリオのオメガデウス・ゼノディオスへ振りかざす。


「確かにそうだよ!」

と、ティリオは叫びオメガデウス・ゼノディオスから同じ全長一万二千キロのエネルギーソードを放ち衝突させる。

 そのぶつかりだけで、膨大なエネルギーの嵐が発生する。

 巨大な機神スカイギアにとって砂粒以下の大きさしかない、極小の一点でしかないオメガデウス・ゼノディオスが巨大な機神スカイギアと互角に渡り合う。


 巨大な機神スカイギアとオメガデウス・ゼノディオスがぶつかりながら

 オージンが

「所詮、どんなに頭が良かろうと、理解が早かろうと、子供という事だ!」


 ティリオが

「この時空の人達は、自分達の罪を受け入れて、それを…直視して、受け止めて…償おうとしている! それを償おうとするのを奪ってはダメだ!」


 オージンが

「贖罪なんぞでは! 何も解決しない!」

と、巨大な機神スカイギアが胸部から惑星を吹き飛ばす程のエネルギー砲を放つ。


 ティリオが

「他に解決しようとする方法を探したんですかぁぁぁぁぁ」

と、オメガデウス・ゼノディオスが同じエネルギーのバリアを纏って、その攻撃と衝突する。


 オージンが

「したわ! だが…できなかったし、拒絶されて無駄だったわ!」

と、巨大な機神スカイギアが数千億の光の豪雨を発射する。


 ティリオが

「それでも! 希望を捨ててはダメだ!」

と、ゼノディオスが惑星規模の光の嵐を纏って、光の豪雨を相殺する。


 オージンが

「小僧! この世には、どんな存在でさえ、解決できない事がある。それは神をもってしてもだ! それを知るのが知識なのだよ。知識とは最悪を避ける為に身につけるのだ。その最悪を回避する為に復讐を捨て、新天地を目指して」

と、巨大な機神スカイギアが両手を上に伸ばし、三十光年サイズの光の巨剣を構築する。

「怨みを、憎しみを捨て、新たに踏み出そうとして何が悪い!」

三十光年の光の巨剣が降り降りる。振り下ろされる光の巨剣の周囲にマイクロブラックホールが幾つも発生しては蒸発して、膨大なエネルギーの奔流になり、そのサイズは三十万光年サイズの光の柱になり、世界が終わりそうな光の奔流がティリオのゼノディオスへ襲いかかる。

 その暴威は、全域の戦場まで巻き込み掻き乱される。


 ティリオは

「それで、アナタは、オージン様は死ぬ気だろう!」

と、ゼノディオスが同等のエネルギーを発生させて、向かってくる全長三十万光年サイズの光の放流を相殺する、光の激流を発生させてぶつけて

「アナタが自分を犠牲にして、全てを終わらせて! それで解決なんておかしい!」


 三十万光年サイズ同士のエネルギーのぶつかり合いは、周囲を激流のエネルギー渦に引き込み、カレイドの星艦も退避をする。

 スラッシャーとマリアンナも、千華との戦いを辞めて全力回避する。


 だが千華は…

「お前等、殺す…」

 そこには、怨念にそまった黒い何かがいた。


 人外な邪神の類いを見たスラッシャーが

「イカレているぜ…」


 千華は、あの残虐なクィーンに戻っていた。

 全てを破壊し尽くす。破壊の化身になっていたが…

”お前も、相変わらずだな…”

と、千華の脳裏に声が届く。


 破壊の機神と化していた千華が止まり、聖櫃の方を向いて

「アタシは…」

と何かを叫んでいたが、千華の巨大機体の周囲にカレイドのバトロイド達が来て、巨大機体を捕縛しつつ、紫苑のバトロイドが千華の巨大機体のコクピット前に来て、紫苑がバトロイドから降りて、コクピットを開けると、疲れ切って眠る千華がいた。

 紫苑は、右手に持つ鎮静剤のピストル注射を仕舞って千華を抱えて

「帰りましょう。千華…」 


 回収される千華の巨大機体とバトロイド達を見つめるスラッシャーとマリアンナのマキナ機体。


 スラッシャーがティリオの方を見て

「後は…スペシャル様の仕事か…」



ここまで読んで頂きありがとうございます。

続きを読みたい、面白いと思っていただけたなら

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次話を出すがんばりになります。

次でこの章が終わります。

次回、葬送の彼ら

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