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星光 第89話 選ぶ事

次話を読んでいただきありがとうございます。

護衛するティリオ達、そして、その裏では…




 クロエラ達がティリオ達の護衛を連れてアサの民の惑星戦艦から出発して直ぐ、オージンは、とある場所に連絡を入れる。

「おお…元気か? アズサワ…」

 通信をしている相手は、エヴォリューション・インパクターのアズサワだ。


 通信に出るアズサワが

「ああ…元気だとも、古の王(オージン)よ」


 オージンが

「ちと、話に乗ってくれないかね?」


 アズサワが

「どんな話だね?」


 オージンが怪しく笑みながら

「今…この時空の企業やトップ達がアサの民の名代と交渉する話があるはずだ。そして、その交渉するアサの民の名代を殺せと…ヘオスポロスへ依頼があったはずだじゃ」


 アズサワが「フフ…」と笑み

「確か君はキミは神のごとき耳を…いや、目を持っていたなぁ…」


 オージンが

「そのアサの民の名代を殺さなくても、襲撃されてケガを負えば…交渉は決裂する。その殺害依頼を重傷だけにするという依頼に変更するようにしてくれないか?」


 アズサワが

「ああ…可能だが…。それ相応の対価が必要だ」


 オージンが

「その対価は…」

と、対価の情報を提示した。


 それを聞いたアズサワは

「なるほど、その情報…十分な対価になる。手配して置こう」


 オージンが「頼む…」とアズサワとの通信を終えて

「我が弟、ヴァーリスよ。お前の考えはあまい。もう…遙か昔に流れは決壊して止めれんのだ」


 ◇◇◇◇◇


 クロエラとルジェルは、この時空のトップ達の会談をするホールへ来た。

 ルジェルは緊張していた。

 交渉は、難航すると思っていたが…。

 トップ達は、ルジェルと握手を交わして、そして…

「我々の時空の…この宇宙領域をアサの民専用の独立国家として提供します」


 交渉の席にいたクロエラとルジェルは、驚きに包まれた。


 対面にいるトップ達は、真剣な顔で

「この提示案を遂行する為には、そちらが…行おうとしている別宇宙への移動の停止と…今後のこの宇宙での超空間ネットワークの使用権を我らに提供して貰うという事が…」


 トップの一人が

「もちろん、こちらも使用権を提供して貰う代わりに、全面的にアサの民のバックアップを約束します」


 ルジェルが困惑する。

 威圧的な態度で、決裂するかもしれないという覚悟で臨んだのに…


 トップ達が真剣な顔で

「もし、この提案で受け入れられないのでしたら…どうぞ、遠慮無くそちらの提案を言ってください。その全てを…受け入れる覚悟があります」


 ルジェルが黙っていると、トップ達が頭を下げて

「我々の祖先がやった事…アナタ達は許せないのは重々承知です。だからこそ…その子孫である我々に…チャンスをください。必ず…過去の二の舞を起こさせない」


 ルジェルの対面にいるトップ達全員が立ち上がって

「本当に申し訳ありませんでした」

と、頭を下げる。

 そして、一人が

「我々にその贖罪のチャンスをください」


 ルジェルは驚きで困惑しつつ

「ああ…分かりました。この話を兄に持って行き兄達に伝えて…この宇宙で共に生きる未来を作る為の努力を」

と、告げている最中に、トップ達の後ろにいる一人が懐から銃を取り出す仕草をする。


 それに素早く護衛として来たジュリアとアリルにナリルが反応して、ジュリアとアリルが盾のようにエネルギー剣を構える。


 銃を取り出した男性が発砲するが、その質量弾の全てをジュリアとアリルがエネルギー剣で消滅させる。

 グランナとファクドも動き、クロエラとルジェルを守ろうと背にする。


 発砲した男性にトップ達や、その仲間達が怒声を上げて押さえる。

 

 それで防がれたと…。


 だが、ジュリアとアリルにナリルの三人は別の方向からの殺気を感じた。

 そして

「うあああ…」

と、ルジェルの左肩が打ち抜かれた。


 ルジェルの左肩を打ち抜いた弾丸は、天井に生じた空間転移の穴から飛び出した。

 その空間転移狙撃をしたのは…。

 ルジェル達が交渉するビルの遠く離れたコロニーの天井に張り付く、ヘオスポロスのエピオンとウィングゼロだった。

 ウィングゼロが巨大な空間転移狙撃砲を構えて、エピオンがコロニー宇宙戦艦のシステムにハッキングして、狙撃したのを確認する。

「見事だ。手配通りに殺害ではない…肩を打ち抜いて重傷にさせた」


 ウィングゼロが

「しかし、暗殺だったのが…重傷に変わるとは…」


 エピオンが

「どちらにせよ。交渉を決裂させるのが目的だ。これで依頼通りになったという事だ」


 ウィングゼロが

「さて…この時空の末路は…我々が介入するか? それとも他の強大な…組織か…存在が…」


 エピオンが

「どちらにせよ。この時空の者達が決める事だ。まあ、悲劇の連鎖が続くだろうが…仕方ない。それを過去に選んでしまったのだから…」


 

 ◇◇◇◇◇

 

 ルジェルが交渉している現場は、大荒れだった。

 左肩を打ち抜かれたルジェルにファクドがゴールドジェネシスの力で治療処置をして、その周りをジュリアとアリルにナリルが警戒で武器を構えている。


 押さえられる男が叫ぶ

「愚かな支配者め! 我らは徹底的に戦うぞ!」


 それを聞いて、交渉を進めていたトップ達が

「これは! 違う! 違います!」


 ルジェルの治療処置を手伝うテスタメントの二人、アクレイトとクワイエルトが

「これは…即座に撤退しか…」

と、アクレイトが告げる。


 クロエラが絶望した顔をしていた。

 上手く行っていたはずだったのに…


 ルジェルが

「いや…待ってくれ。まだ、交渉を…」


 ファクドが

「ジュリア、アリル、ナリル。どういう攻撃をされたのか…分かるか?」


 ナリルが

「予想でしかないけど、空間転移を使った狙撃よ」


 アリルが

「このまま、ここにいれば…狙われる的になる」


 ジュリアが

「局所的な空間転移の狙撃だから、次弾装填までにタイムラグがある。逃げるなら今しか…」


 グランナとファクドがアイコンタクトして、グランナがテスタメントの二人に

「テスタメントさん。二人を」


 クワイエルトとアクレイトは頷き、クワイエルトが

「了解した」


 テスタメントの二人はルジェルとクロエラの二人に触れて、アクレイトが

「君達は?」


 グランナが

「オレ達はティリオと合流してから行く」


 テスタメントの二人は頷き、クワイエルトが

「では、オージン様の惑星戦艦で待っている」


 テスタメントの二人はルジェルとクロエラを連れて空間転移して、オージンの惑星戦艦へ戻った。


 そして、ファクドが

「オレ達も逃げるぞ」

と、急いでその場から脱出する。


 去って行った者達を見て、この時空のトップ達は「終わった。もう…」と最悪の訪れを感じた。


 同時刻、この時空の宇宙域で、巨大な星系サイズの時空戦艦、星艦が出現した。

 その星艦は、カレイドのモノだった。




ここまで読んで頂きありがとうございます。

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