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星光 第86話 過ちの加速

次話を読んでいただきありがとうございます。


各場所へ通信をしているジュリア達の時空戦艦へ、ルナリス達が…


 ディオスは、ジュリア達からの通信を受けていた。

「そうか…ティリオが…」


 ジュリアとナリルにアリルの三人が事情をディオスに説明し、そして…ティリオがワザと捕まった事も…


 ナリルが

「お義父さん…やっぱり、私達のやった事は…」


 ディオスが深いため息をして

「いや、君達は悪くない。しかし…ティリオ…思い切った事をする」


 ジュリアが自分の左手、ティリオの双極の指輪と繋がる同じ指輪をなでて

「私達なら、どんなに離れていてもティリオを感じられる。今すぐに…」


 ディオスが

「君達に判断を任せたのだ。君達の好きに…」

 ディオスにティリオからの通信が入る。

「ティリオ!」


「父さん」とティリオが顔を見せる。


 ディオスが安心して

「良かった。みんな、心配しているんだぞ」


 ティリオは申し訳ない顔で

「ごめん。どうしても…話を聞きたかったから」

 そして、ティリオは全ての事情を説明し、オージンから受け取ったデータをディオスへ転送した。

 それを見たディオスが

「なんて事だ…」


 驚愕する父ディオスにティリオが

「その反応…父さん達には…」


 ディオスが

「すまん。対処する手段がない」


 ティリオが

「シンイラの方は…」


 ディオスが

「これを伝えてみないと分からないが…ないと思う。もし、出来るならティリオ達より先に動いているはずだ」


 ティリオが黙ってしまうと、ティリオの後ろにいるオージンが

「お話の途中、すまん。割り込むぞ」


 オージンがティリオの隣に並ぶ。


 ディオスが通信越しのオージンに

「アナタが…今回の事の…」


 オージンが笑み

「ああ…元凶とも言える。だが、これは…我らアサの民とこの時空に生きる者達の問題だ。だから…関わらんでくれ…とも言いにくいが。まあ、関わってしまっては…仕方ない。この後は傍観者に徹して欲しい。この子は」

と、ティリオを見て

「今すぐにでも帰れる。だが、ちと待ってくれ。聖櫃を…確実に呼び寄せる為に、少し…我らと共にいて欲しい。それぐらいは許して欲しい」


 ディオスが厳しい顔で

「聖櫃の回収を目的とするカレイドが動いている。他にも…幾つかの組織が…」


 オージンが「ははははは」と楽しげに笑い

「人気じゃのう…歌舞伎なら…最高の舞台じゃろう」


 歌舞伎と聞いてティリオ達は首を傾げるもディオスが

「大立ち回りして、場を盛り上げるのですか?」


 オージンは、ディオスだけに意味が通じた事を喜び

「お主…なかなか、興に乗る事を分かっている」


 ディオスが少し訝しい顔で

「多くの歌舞伎者達を集めて、最後の鳳を飾るのですか?」


 オージンが顎を摩り

「その辺を知っているとは…流石、聖帝…伊達では無い」


 ティリオ達には、何なのか分からない。

 

 オージンは

「お主達は、観客として舞台を見ておれば良い。後はごろうじろう…」


 ディオスが溜息交じりで

「分かりました。私は…傍観しましょう。ですが…ティリオはどうするんだ?」


 ティリオは自分がどう動くのか?を聞かれて黙ってしまう。

 このまま傍観者になっても…でも…

 迷っているティリオにアリルが

「ねぇ…こっちに帰って来て欲しい」


 ティリオは通信越しにジュリアとアリルにナリルの三人を見つめる。

 

 オージンが

「よかろう。こちら側へ向かう超空間ネットワークのコードを父親殿に送って、そっちが受け取って来るが良い」


 それを聞いてジュリアにナリルにアリルの三人はホッと安心する。


 ティリオが

「グランナとファクドは?」


 ジュリアが

「今回の事を本国へ報告しているわ。ファクドはこっちと似たような感じだけど、グランナは…」


 ◇◇◇◇◇


 グランナが別の通信室で父親に

「そういう事だった。父さん」


 グランナの父親は渋い顔をして

「マズいな…」


 グランナが

「オレ達は、直ぐに帰って来た方が良いのかなぁ?」


 グランナの父親は頷き

「ああ…直ぐにでも帰」

と、通信が途中で途切れた。


 グランナが「え?」と困惑して通信の状態をチェックすると…

「な…妨害…」

と、直ぐに通信室から出ると、ファクドと鉢合わせて

「ファクド」


 ファクドが厳しい顔で頷き

「ああ…マズい事になったぞ。直ぐにでもここから」


 ガクンと自分達がいる偽装時空戦艦ダガーノートが揺れる。


 二人は急いでジュリア、ナリル、アリルがいるブリッジへ向かう。


 ファクドが

「三人とも何が?」

と、ブリッジの全方位画面を見た瞬間、ダガーノートの周囲を人型機体マキナが取り囲んでいた。


 ダガーノートは、ルナリスがいる軍事コロニーの港にいたままだ。


 ダガーノートの周囲には、ダガーノートをエネルギー束縛を放つ宇宙戦艦達が付いている。


 そして通信から

「警告する。当艦は速やかに投降せよ。繰り返す。速やかに投降せよ」


 次の通信画面にルナリスが出て

「すまないね。君達には…当分の間…つき合って貰うよ」


 ジュリアがファクドとグランナに

「このまま強行突破していい?」


 グランナが

「やっちまえ!」


 ファクドが頷き

「仕方ない」


 ジュリア、アリル、ナリルの三人はブリッジの端末に両手を触れて

『ダガーノート! 偽装解除!』


 偽装時空戦艦ダガーノートの表面が輝き偽装の装甲が発破解除される。


 そこに現れたのは、魔方陣を後部に背負う魔導時空戦艦で、鋭角な船体を持ち、後部に背負う魔方陣から推進力を生み出す。


 ルナリスがそれを司令室から見て

「ブリッジ以外を破壊しろ!」

と、魔導時空戦艦ダガーノートに攻撃命令を放つ。


 ダガーノートの周囲を囲むマキナ達が持っている武装で攻撃する。

 エネルギー砲から質量砲と放つも、魔方陣推進による空間操作で、その全てがダガーノートへ当たる前に曲げられて後部へ向かう。


 ダガーノートへ取り付こうとするマキナもいるが、ダガーノートの白光と輝く船体から放たれる力によって弾かれる。


 ダガーノートが出入口へ進むが、それを塞ぐように巨大な隔壁が降りて来るも、それをダガーノートは突き破って、軍事コロニーの外へ出た。


 その後を追跡する宇宙戦艦達や、高機動マキナ達。


 ダガーノートのブリッジでグランナが

「今すぐ時空転移して」

 

 ブリッジにティリオがいる場所へ向かう超空間ネットワークのコードが転送された。

 ジュリアが

「ここへ向かうわ」

と、そのコードへ向かう先に空間転移させた。


 瞬く間にダガーノートが空間転移して、それを追跡しようとするも。

 超空間ネットワークの根幹を握っていない彼らには不可能だった。


 ルナリスは取り逃がした事で、机を叩く。

 それに秘書官が

「次は…どう?」


 ルナリスが

「彼に…ヴァルスアルヴァに…一莵に…」


 秘書官は頷き

「分かりました」


 ルナリスは額を抱えて

「どうすれば…」


ここまで読んで頂きありがとうございます。

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次回、過ちの対価

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