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星光 第81話 探し人

次話を読んでいただきありがとうございます。


実績を手に入れたティリオ達、こんどは探している組織の追跡データを洗い出すも


 ティリオ達は、ルナリスが容易してくれたコロニー母艦の都市のホテルで話し合いをしていた。

 このホテルの七十階の階層全てがティリオ達に提供されている。

 このホテルは、重要人物が滞在する為の専用ホテルで、階層ごとに貸し切りが出来て、階層ごとがホテルの一室でもある。


 その階層の客室で、ティリオ達が全員が顔合わせをして、話していた。


 ティリオが

「さて、実績が出来た所で…どうするか? だが…」


 グランナが

「まずは、相手の事を調べるべきだろう」


 ファクドが、グランナの隣にいるクロエラに

「クロエラ嬢、そのテロリストに関する情報は?」


 クロエラが自分の端末を触って

「これが…分かっている事です」


 ティリオ、グランナ、ファクド、ジュリア、アリル、ナリルの6人が囲む中央にデータの立体画面が開示される。


 ティリオがその立体画面を手にして

「テロリストの名は、メメント…」


 ファクドも手にして

「今一、パンチが無い名前だな…もっと、何とか何とか殉教者とか、何とか教義とか、長い名前でもないし」


 グランナが

「どうせ、テロリストに似せた傭兵稼業だろう。小難しい名前なんかより、分かりやすい方が、依頼が来やすいからな」


 ジュリアとアリルにナリルの三人は、ティリオの後ろに行き、ティリオの見ているデータを見つめて、アリルが

「けっこう、節操なく活動しているのね…」


 ナリルが

「主に企業といった研究機関の破壊、窃盗、妨害…」


 ジュリアが

「稀に…政治家を狙うとか…」


 ティリオは、後ろの彼女達が見えるように大きく逸れて、ソファーに座り

「所詮は、傭兵…お金があれば何でもするんだろう」


 ファクドが

「拠点は…」


 そこへ、通信のエアリナが入り

「ごめんなさい。授業で遅れたわ。で…どこまで話したの?」


 ティリオが

「まだ、話し合いが始まったばかりで、目的のテロリストの情報をみんなで分析しているわ」


 通信のエアリナが

「じゃあ、これも役に立つかも」


 全員が見ている立体画面データにエアリナの情報が加わる。


 それを見たグランナが

「拠点が移動しているのか…」


 それは、目的のテロリスト、メメントが活動をした時に、大きなコロニーサイズの宇宙戦艦が移動したデータがあった。


 通信のエアリナが

「色々と調べて、洗い出したら…この時空の管理コードに載っていない、不明のコロニー級宇宙戦艦があったわ。おそらく、それが…」


 ティリオが

「全長が十キロか…これ程のコロニー戦艦なんだ。どこかで物資を補充しているはずだ」


 エアリナが

「そこでは、私では調べられないから…そっちで…調べて、私の所へ持って来てくれれば、私がピックアップして置くわよ」


 ファクドが

「なら、ルナリス司令に頼んでみよう」


 グランナが

「提供してくれるか?」


 ティリオが

「出来なければ、相手が食らいつきそうな囮を使うだけさ」


 ◇◇◇◇◇


 ティリオ達は、ルナリスがいる軍事コロニーへ来て、ルナリスに

「一年以内で大きな物資の補充があったデータを欲しい…と?」


 ティリオを前にグランナとファクドが並び、ファクドが

「はい。お願い出来ますか?」


 ルナリスが顎を摩り

「何か…掴んだのか?」


 ファクドは笑み

「ええ…まあ…色々と…」


 ルナリスは笑み

「分かった。運輸局に私から伝えて置こう」


 ◇◇◇◇◇


 ティリオ達は、乗ってきた偽装時空戦艦ダガーノートへ戻り、ホテルがあるコロニー戦艦へ戻る最中に、ルナリスが権限のパスワードと暗号を送信してくれた。


 ティリオ達は、受け取った権限パスワードと暗号を使って運輸局にアクセスする。


 ファクドがデータ取得の作業をして

「クロエラ嬢が襲われた事件の日から前後1年の間で大きく物資が移動したデータを取得するぞ」


 膨大なデータが転送されて、ティリオが

「さて、洗い出しを行うか…」


 グランナが「判断の基準は?」と


 ティリオが

「まずは、エアリナが調べてくれたデータの日時と場所の物資移動データを抽出、そして…エアリナの手伝いをしながら、痕跡を探すぞ」


 ティリオ達を乗せた偽装時空戦艦ダガーノートがホテルがあるコロニー戦艦へ到着した頃に、データの選別が終わり、エアリナに転送。

 そして、エアリナと共に関連のデータを洗い出す。



ここまで読んで頂きありがとうございます。

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