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星光 第77話 怪しい依頼

次話を読んでいただきありがとうございます。


ティリオは、クロエラの事で迷い、エアリナに相談していると…


 ティリオ達は、シュルメルム宇宙工学学園へ帰って来た。

 そして

「ただいま…」

と、ティリオは自分のホームに帰ってくると

「ああ…おかえりさない」


 エアリナが端末から本を読んでいてソファーにくつろいでいた。


 ティリオが近づき

「ああ…疲れたよ」


 エアリナが端末を置いて

「あれ? 何かトラブルでも起こったの?」


 ティリオがエアリナの隣に座って

「実は…」

 侵入者であるクロエラの話をした。


 エアリナはティリオを隣に座らせて話を聞いて

「へぇ…そんな事が…でも、何か…怪しいわね」


 ティリオは頷き

「ああ…そうなんだ。色々と疑問が多い」


 エアリナが

「例えば?」


 ティリオは考えながら上を見上げて

「まずは、クロエラが言っている誘拐されたルジェルっていうアームズヒューマンなんだけど。クロエラのお気に入りなんだよ。それを子飼いのテロリストが盗むか?」


 エアリナが

「誘拐された状況ってどんな感じなの?」


 ティリオがエアリナの持っていた端末を持ち、そのデータを転送して

「こんな感じ」


 エアリナが覗き込み

「なになに? レッドリCEOの家族が乗る時空戦艦がテロリストに襲撃、身代金の要求をしつつ、レッドリCEOの家族達がいる時空戦艦にある様々な金品を強奪、身代金の要求は、その時間稼ぎだったと。幸いにして被害者はおらず…」


 ティリオが

「アームズヒューマンのルジェルは、護衛装置だからカウントされていない」


 エアリナが

「へぇ…なるほどね」


 ティリオが

「その奪った金品と一緒にルジェルは攫われたらしいんだけど…。その必要がある?」


 エアリナが

「そのルジェルをリセットして新たに売るとかする闇ルートとか?」


 ティリオが

「それって、相当に面倒な作業だし、もし…エアリナの言う通りだとしても、ネットワークにアクセスしたら、信号が送られて盗品だってバレる」


 エアリナが頷き

「確かに、盗むなら、金品か…データとか? その方が身軽だし楽だもんね」


 ティリオが

「なんかなぁ…引っかかるんだよねぇ…。それに…」


 エアリナが「それに?」と


 ティリオが

「クロエラが付けていた装備の一つに…ゾロアスの気配があった」


 エアリナが「え?」と困惑を見せ

「どういう事…まさか、罠?」


 ティリオが

「分からない。だが、クロエラが身につけていたステルス装置の手甲に微弱だけどゾロアスの気配を感じた。その装置がどこから来たのかも…聞いたら、取引している会社の一つに…って」


 エアリナが真剣な顔で

「アースガイヤのお義父さんに相談した方が良いんじゃない?」


 ティリオが「うん…」と

「一応、伝えてみるつもり」


 エアリナが

「そのクロエラって子は?」


 ティリオが

「グランナの所にいるよ。ぼくやファクドの所じゃあ、種族が単一で目立つから、色んな種族が集まっているグランナの所が隠しやすい」


 エアリナが

「グランナの方は警戒している?」


 ティリオが腕を組み

「客人扱いって感じだよ」



 ◇◇◇◇◇


 グランナのホームにいるクロエラは、用意された個室で

「じゃあ、ここが貴女の仮住居になるから」

と、獣人のシェルテが色々と用意してくれた。


 クロエラが

「ありがとうございます。色々と」


 シェルテが

「ここには、色んな訳ありの連中が多くいるから。困った時には、相談しなよ」


 クロエラは頭を下げて

「本当にありがとうございます」


 シェルテが

「早く、貴女の大切な人、戻ってくるといいね」


 クロエラが「はい」と答えた。


 クロエラに色々と説明を終えたシェルテ。

 シェルテは、そのまま自分の部屋へ向かっているとグランナが前にいて

「どうだ? 彼女は…」


 シェルテが

「悪い子ではない…と思いますよ。少なくともウソをついているような緊張の匂いは無かったですね」

 シェルテは獣人系なので鼻がいい。

 感情の機微による匂いが嗅ぎ分けられる。


 グランナが「そうか…」と呟き去ろうとすると


「あ、グランナ様」とシェルテが

「多分、色々と困っているような感情の匂いはしましたから…。困っているのは事実ですよ」


 グランナが

「明日、ティリオ達と相談してくる」



 ◇◇◇◇◇


 翌日、ティリオは父ディオスに相談していた。

 ホームの通信画面に父ディオスを映して話すティリオ

「という事なんだよ。父さんは、どう思う?」


 ディオスは顎を摩り

「ティリオは、どうしたい?」


 ティリオは考えつつ

「そうだね…まあ、関わっても良いかもって思っている」


 ディオスが

「つまり、クロエラ嬢の言う通りに、テロリストの巣窟に入って…そのアームズヒューマンを助けると…」


 ティリオは

「なるべくは、揉め事にならないようには…」


 ディオスが

「テロリストが絡むんだ。ムリだろう。だが…ティリオがやりたいなら、やりなさい。大事になっても構わない」


 ティリオが困惑で

「良いの? そうなったら…父さん達の方まで…迷惑が」


 ディオスが

「まあ、来るだろうが…問題ない。それよりも私が気になるのは父親であるレッドリCEOに娘が相談しなかった事だ」


 ティリオが「確かに…」と

「そっちの方が早く解決するはずだと思う」


 ディオスが

「だから、大事になっても構わない…そういう事だ」


 ティリオは頷き

「分かった。ぼくは、やってみるよ」


 ディオスが

「気をつけてな。手筈は…もう…」


 ティリオが頷き

「グランナとルビーおじさんを通じてね」


 こうして、ティリオはクロエラの問題に関わる事になった。



ここまで読んで頂きありがとうございます。

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次回、潜入偽装

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