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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
学園のお祭り
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星光 第72話 交渉の結果

次話を読んでいただきありがとうございます。


時空間組織レッドリのCEOホワイト、ティリオ達の交渉、外交は…


 ホワイトは考える。

 このまま、ティリオの言う通り裏口という繋がりを持つか…やめるべきか?


 ティリオが

「ホワイトさん。アナタには大切な人はいますか?」


 ホワイトがティリオを見つめて

「ああ…」


 ティリオが

「ぼくもいます。家族、友人、幼なじみ…ホワイトさんも同じようにいるのでしたら…。それを守る力を多く持っても損はないのでは?」


 ホワイトが戸惑っていると、ティリオが

「アナタが守りたいと思う気持ちと、ぼくが大切な人を守りたい気持ちは同じです」


 ホワイトは溜息を漏らして

「そうだな。確かに…」

 ホワイトから厳しい空気が抜ける。


 それにレリスとグランナとファクドがホッと安堵する。


 ホワイトが懐から一枚のデータカードを取り出してティリオの差し出して

「これが私と直接、繋がる連絡が入ったプレートだ」


 ティリオも懐からデータカードを取り出して

「これが、ぼくと直接に繋がる連絡先が入ったデータです」

と、ホワイトに渡す。


 ホワイトがそれを受け取り懐にしまって

「今度は、こっちから声を掛けるだろう。その時は…頼むよ」


 交渉は上手く行った。


 ティリオは立ち上がってお辞儀して

「ありがとうございます。よろしくお願いします」


 ホワイトが立ち上がりながら

「私も、ティリオくんと同じだよ。大切な人を守りたい…その通りだ」


 ホワイトは祭りの中へ消えて行った。

 その後を護衛としてヘオスポロスのエピオン達が付いていった。


 グランナが上を見上げて

「全くティリオは」


 ファクドもイスに崩れて

「ああ…緊張した…」


 ティリオの後ろに、テーブル席で客に紛れていたセイントセイバー総隊長のアーヴィングが来てティリオに

「上手くいったな」


 ティリオが笑み

「五分五分、いや、もっと悪かったかも。運が良かった。あの人以外だったら…どうなっていただろうか…」


 レリスが

「全く、終始、緊張しっぱなしで疲れたよ」


 ティリオがレリスに

「悪い。色々とありがとう。レリス」


 レリスが

「まあ、上手く行ったから…いいよ」


 こうして、ティリオの交渉は成果を残した。


 ◇◇◇◇◇


 ホワイトの後ろを歩むヘオスポロスのエピオン達。

 ホワイトが、エピオンに振り向き

「キミは…彼らと知り合いだったかね?」


 エピオンが

「いいえ、違います。私の…まあ、息子のような彼が…彼らの元にいますが…」


 ホワイトがフッと笑み

「とんでもない息子だ。見ていると引き込まれそうになる。あれは…逸材であり傑物だ。そして、その回りに…」


 エピオンが

「ええ…でしょうね。ルビードラゴンから色々と聞いていますが。アナタがそう思うのは間違いでしょう」


 ホワイトがティリオから受け取った連絡データが入ったプレートがある胸に手を触れて

「もしかしたら、この接触は大きな流れを生むかもしれんぞ。その時…ヘオスポロスは…」


 エピオンが堂々と

「我々のやる事は、変わりませんので…」


 ホワイトが

「ダブルスタンダードをやれ…という事か…」


 エピオンが

「その方が…そちらに利益があるのでは?」


 ホワイトが溜息交じりで

「危険な吊り橋だな」

と、告げて歩いて行った。



 ◇◇◇◇◇


 ティリオ達は、上々の結果を手にして喜んでいた。

 今は、ただの情報交換の関係だろうが…。

 ティリオには確信がある。

 事態が大きくなれば…

 そう、必ず自分達を…この自分とグランナとファクドの三人を頼る。

 その最悪な事態が起こる未来を防ぐ為に…


 グランナとファクドは、ティリオが考えている最悪を防ぐという考えを分かっているから、今回の交渉は全部、ティリオに任せた。

 ファクドは、大変な事も多くなるかなぁ…と思うも、まあ、いいか…これも超越存在としての宿命だろう。

 それ程の力を超越存在、宇宙王は持っているのだ。

 それに比例して大きな事件に関わる事も…。


 ティリオ達はノンビルと学園の祭りを楽しんでいる。


 ティリオがファクドに食べ物を持って来て

「どうしたの? 何か…考えているようだけど…」


 ファクドがティリオから受け取って

「この後の未来を思うと色々とね」


 ティリオが顔を曇らせて

「やっぱり…やらない方が…」


 ファクドがティリオを腕で抱えて

「な訳あるかよ。オレ達には必要な事だろう。アヌビス様やお前の親父さん聖帝ディオスだって秘密の裏口を幾つも持っているんだぞ。今回の事だって黙認しているって事は…そういう事さ」


 ティリオが複雑な顔で

「真っ当とは」


「いいや、真っ当だ」とファクドが被せて

「真っ当な外交だ。小さい事かもしれないけど。でも…何かの切っ掛けにはなる」


 グランナが来て

「二人とも、何してんだ?」


 ファクドが笑みながら

「ティリオがさっきやった事を悩んでいるんだと」


 グランナが呆れ気味に

「あのなぁ…ティリオ、お前のやった事は、ちゃんとした外交なんだ。胸を張れよ」


 ティリオが笑み

「ありがとう。何か、気分が晴れたよ」


 ファクドが

「じゃあ、このお祭りを楽しもう」


 ティリオが頷き

「ああ…」

と、答えた次に


「よう、スペシャル様達」


 三人に声を掛ける。


 その声を聞いた瞬間、ティリオが両手に魔導エネルギー剣を召喚して、握り締める。

 声がした背後へ飛びかかろうとしたそこを、青ざめたグラントとファクドがティリオを抱えて押さえた。

「待て! バカァァァ!」

と、グランナ

「バカ、バカ!」

と、ファクド 


 グランナとファクドの二人がかりでティリオを押さえるのがやっとだ。


 ティリオは問答無用で、目の前にいるスラッシャーへ斬りかかろうとしていた。


 スラッシャーが呆れ気味に

「あのさぁ…直ぐに殺そうとするの…やめてくれない? こっちは話に来ただけなんだけど…」


 巨大な肉食恐竜並の殺気でティリオはスラッシャーを睨んでいる。


 その威圧で、周囲の生徒が腰を抜かしたり、全力逃亡している。


 スラッシャーはティリオの殺圧を感じながら平然と

「落ち着け」

と、ティリオの前に来て一枚のデータプレートを取り出して

「これを渡しに来た」


 その横からエアリナが来て、それを手に取り

「ありがとう」

と、返事をした後ろに両手にエネルギー剣を握るジュリアとナリルにアリルの三人がいる。

 三人とも、エアリナに何かがあればスラッシャーに斬りかかるつもりだ。


 スラッシャーが背を向けて

「その場所に行け、話は通してある」


 エアリナが

「そこには何があるの?」


 その問いにスラッシャーが

「そこに行けば、お前達が探している技術に関しての手がかりがある」


 エアリナが

「ねぇ…お互い協定を結ばない?」


 スラッシャーが背を向けたまま

「すまんね。オレは一人狼が好きなんだ」

と、告げた瞬間、露店の脇に隠れていたカレイドの女子刺客達がスラッシャーへ襲いかかるも、スラッシャーは両手にガトリングを創造して構え、刺客のカレイドの女子達を弾き飛ばした後、素早い速度で移動して消えた。


 遠くへスラッシャーが去ると、ティリオは力を抜いて立ち止まる。

 それに押さえていたグランナとファクドが離して、そこへ千華が来て

「アンタ、即、襲いかかるじゃあなくて、色々と聞き出したら?」


 ティリオはフン!と鼻息を荒げて答えた。


 エアリナがティリオの側に来て

「はい。これ…」

と、スラッシャーから受け取ったデータプレートを渡す。


 ティリオは超越存在の感覚で物理的な害がないか?を調べて

「物体的には問題ないが…データを慎重に調べる」


 スラッシャーは、ティリオに情報を持って来た。

 その真意は不明である。


ここまで読んで頂きありがとうございます。

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次話を出すがんばりになります。

次回、新婚旅行

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