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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
学園のお祭り
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星光 第71話 大物

次話を読んでいただきありがとうございます。


イリスの誘いによって来た大物にティリオは…


 ティリオは、お祭りのテーブルの一つに腰掛けていた。

 対面の席には…レッドリのCEOであるホワイト、そして…両者の間に位置する対角の席にレリスが座っている。


 ティリオが色々と持ち込んだ飲み物や軽食を口にして

「どれも美味しいですよ。どうぞ…」

と、対面のホワイトに薦める。


 ホワイトが

「いや、これで結構です」

と、レリスが持って来た飲み物を手にする。


 ティリオは飲み物を手にして口にして

「さて…色々と見物人が多いですが。お話としましょう」


 レリスとホワイトに緊張が見える。

 ティリオの言う見物人とは、周囲のテーブルでお客として隠れる様々な勢力達だ。

 ホワイトの後ろの席には、ヘオスポロスのネオデウス・ウェポンの五人、エピオン、アルトロン、デスサイズ、ロックサウンド、ヘビーウェポンと…その気になれば惑星級兵器を召喚できる程の者達が。

 その周囲には、聖帝ディオスのセイントセイバーが変装して待機している。

 他のテーブルも、どこかの宇宙王や超越存在に通じる密偵だろう。

 このティリオ達がいるテーブルを中心にテーブル席にいる全員が、スパイないし、何かの密偵か、作戦実行者という。とんでも状態だ。


 それはホワイトとレリスも分かっている。

 無論、ティリオも分かっているが…ティリオに焦る様子が微塵もない。


 ティリオは笑みを浮かべている。

 ティリオは内心で好都合…と本気で思っている。


 ここで、超越存在や宇宙王以外の繋がりを構築できる証明にもなるし、自分がやろうとしている事は、その垣根を越えないと維持できないと分かっているからだ。


 故に、あらゆる時空組織がいる、この場が上出来に仕上がった。


 ティリオにとって満足な結果だ。


 遠くのテーブル席にいるカレイドの千華と紫苑がティリオ達を見つめる。

 千華が顔を引きつらせて

「マジか…聖帝のご子息くん。この状況を楽しんでいるよ」


 紫苑が

「下手な事を言えば…」


 千華が皮肉な笑みで

「その下手も計算の内だったら?」


 紫苑が

「そんな事…」


 千華が

「気をつけろ。ああ…いうタイプは、根回しも上手いから、気をつけないと呑み込まれるぞ」


 紫苑が

「それは、かつて…クィーンだった時の経験ですか?」


 千華が頷き

「ああ…そうだよ」



 ティリオとホワイトの会談。


 ティリオが

「さて…まずは、お互いの認識を確認しましょう」


 ホワイトが真剣な視線を向ける。


 ティリオがそれに笑み

「レリス、ホワイトさんとちゃんと話したいから…色々は後にして貰っても良い?」


 レリスは自分を止める先手を打ったティリオに黙る。

 レリスはホワイトを見ると、ホワイトが小さく頷く。

「分かった。もめ事にはしないでくれよ」


 ティリオが頷き

「ああ…問題ない」


 ホワイトが

「では、お互いの認識の確認とは?」


 ティリオが

「アリアナ銀河で使われたサタンヴァルデットの依り代となるオメガデウスの所在が不明という…事です」


 隠しもしない豪速球が飛んできた。

 オブラートにも、濁しもしない、真っ直ぐで来た。


 ホワイトが手を組み

「ほう…確かに認識の…確認…なるほど。という事は…そちらは…」


 ティリオが堂々と

「ヘオスポロスの情報通りです。シンイラが作ったシステムではない…そういう事です」


 ホワイトが口だけの笑みで

「なるほど、なるほど、確かに…そういう認識でこちらも合っているが…」


 ティリオが

「ぼく達の方も、それで完全に手詰まりです」


 ホワイトの眉間が寄る。

 このガキ、本当に17か? 完全に会話のペースを持って行かれている。

 四十代で倍もある自分が、十代後半の小僧に…

「我々は新しい情報を手にしている」

 カマを掛ける。


 ティリオは焦る事なく

「それは、嬉しいですね。ぼく達は手にできなかった。羨ましい」

 全く羨ましいという態度ではない。


 ホワイトが苦々しい顔で

「我々は、新情報を持っているのだよ。その態度は…どうかと…」


 ティリオは笑み

「ええ…良いですね。どうぞ、先に対応してください。それをぼく達は見習いますので。まあ…それが…」


 ホワイトが息を荒く吐き出す。

「全く、憎たらしい小僧だ。強すぎて嫌になる」


 ティリオが笑み余裕で飲み物を口にした後

「そんな分かりやすいカマカケ、誰も引っかかりませんよ」


 二人のやり取りにレリスは俯いてします。

 ティリオの強すぎる胆力、ホワイトの揺さぶり。

 やっている事は、一歩、間違えば大変な事になるのに…。

 細い糸の上を歩くようなやり取りをティリオは平然とやっていく。

 胆力…とレリスは頭を抱える。


 ホワイトが

「我々と手を組んで、キミにとって何の利益がある?」


 ティリオは真剣な顔を向け

「ぼくは、その被害を抑えたい。それだけです。その為に色んな情報が渡り合う裏口が欲しいだけです」


 ホワイトが

「キミの望みの為に、キミが持つ技術や力が欲しいとなったら?」


 ティリオが手を差し向け

「どうぞ、何が欲しいですか?」


 ホワイトは苛立つ。

 返答が早い。おそらく、こちらが要求する返答の予測を立てている。

 敗北、ここに呼ばれた時点で、この交渉は聖帝の子息の手の上だ。

「キミは、本当に恐ろしい。キミの父上と一緒だ。聖帝ディオス…宇宙王を束ねる皇帝の血筋を感じるよ」


 ティリオが両手をテーブルに置いてホワイトに身を乗り出して

「ホワイトさん。ぼくは、いや…ぼく達は世界を滅ぼしたくない。な、グランナ、ファクド」


 ティリオに後ろにいたグランナとファクドが来て、グランナはティリオの右のイスに、ファクドは左のイスに、そして…ティリオが

「ホワイトさんや、ホワイトさんに繋がる人達にとっても、ぼく達との繋がりは…貴重な筈だ。ぼく達は、侵略も支配もしない。誰しもが平和に暮らせる世界を目指している。それは、ホワイトさんの時空達も含まれている」


 ホワイトは、ティリオ達、次世代の超越存在の魅力に引き込まれそうになるが…頭を振って

「なるほど…」

と、気持ちを落ち着ける為に飲み物を口にする。


 この目映く暖かな光達を見て、ホワイトは…




ここまで読んで頂きありがとうございます。

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次回、交渉の結果

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