星光 第64話 面倒くさいヤツ
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デュエロタクトが始まり、ファクドの事で大きな動きが…
とあるデュエロタクトのラウンジで、何時ものように生徒同士のマキナのデュエロタクトが始まり、ラウンジで見つめるファクド、レリス、ルビシャル、グランナ、ティリオ、エアリナの六人。
グランナが
「コイツは…ルビシャルの方が勝利か…」
レリスが
「今、機神マキナと戦っているウチの生徒は…最近来た新人だからね」
ファクドが
「手痛い洗礼って事で…」
グランナが
「おい、ファクド…ティリオに聞いたのか?」
ティリオがグランナに
「何を…ファクドがぼくに?」
グランナがティリオに
「ファクドを超越存在にする儀式の日程だよ」
ティリオがファクドを見て
「ええ? 日程? ぼくは、何時でも良いけど…ファクドの予定次第なんだけど…」
全員の視線がファクドに集中する。
ファクドが引きつった笑みで
「いや、オレだけってダメだろう。レリスとルビシャルだって」
ルビシャルが
「アタシは、選ばれていないし…」
レリスも
「ぼくも、同じだ。だから、ファクドが先にやっても問題ない」
「うぐ…」とファクドが口ごもる。
エアリナが
「アンタ…早くやりなさいよ。その為にこの学園に来たんでしょう」
グランナが
「ティリオだって今後、予定が入って出来なくなるかもしれないんだぞ」
ファクドは
「いや、でも…ちゃんと卒業するとかしてから」
グランナが
「オレは、そんなの関係なしに成っているぞ」
ティリオが
「別に、それに拘らなくて、良いだろう」
ルビシャルが
「アタシとレリスに気を使う必要なんてないよ。やっちゃいなよ!」
「ああああああああ!」
ファクドが髪を掻き上げて叫ぶ。
こんな慌てふためくファクドを見るのは、全員が初めてだ。
「オレはなぁ! 超越存在になる為に色んな策略とか、作戦とか考えていて、それがなんだぁぁぁぁぁぁ! 運転免許みたいに、試験に合格しました。はい! 配布です! そんなの認められるかよぉぉぉぉぉ!」
レリスが
「ああ…策士、策が好きすぎて困るってヤツか…」
ルビシャルが
「策士、策に溺れるってヤツの変形応用か…」
グランナが呆れ気味に
「じゃあ、どうすれば…ファクドはやるんだよ」
ファクドが取り乱しながら
「ああああ、そうやって! グランナは、いつもいつも、堂々としてよぉ! 作戦を考えているヤツの事、考えた事があるのかぁぁぁぁぁぁ!」
グランナとティリオはアイコンタクトする。
コイツ、完全に面倒くさいモードになってる…と同じ認識だ。
ティリオは溜息を漏らす。
ファクドの良い部分しか見なかったので、こういうダメな部分を早めに見られてよかった。
今後、確実にファクドとはつき合うだろう。
超越存在になれば、同世代の超越存在同士であるグランナと同じく長い長い…本当に長い関係になるだろう…と見える。
ティリオが
「ファクド、どうすれば…キミは納得してくれるんだ?」
ファクドが腕を曲げて肩をふるわせ
「お前と対戦したら! やってやる!」
ティリオではない、グランナをファクドは指さす。
今までファクドとグランナは、デュエロタクトをした事が無いという訳ではないが…片手で数える程度だ。
勝敗は、引き分けばかり。
グランナがフンと鼻息で笑い
「そうか…やっと本気で戦う気になったか…」
ファクドがグランナに迫り
「お前に勝って、オレの花道にしてやる」
グランナがファクドに顔を近づけ
「本気にならないで逃げていたヤツの実力、見てやるよ」
火花を散らす二人に、ティリオは呆れの視線で、ルビシャルはニヤニヤと笑み、レリスとエアリアは肩をすくめた。
グランナとファクドのデュエロタクトをする話は、瞬く間に学園に広がった。
◇◇◇◇◇
グランナに啖呵を切ったファクドは、その夜、ホームで頭を抱えていた。
「なんで、あんな事を言ってしまったんだ…」
ホームの広いリビングで頭を抱えてうずくまるファクドに、アルドとルアラが来て
「今なら…断れるよファクド」
と、ルアラが
アルドが呆れ気味に
「どうして、いつもいつも、そうなるのよ。素直に受ければいいじゃない」
ファクドが
「だって、色々と頑張っていたのを…こんな…」
ルアラが
「ファクドの努力、アタシ達が認めているから。だから…ね。面倒な事をしないでね」
アルドも
「そうだぞ。ファクド」
ファクドが頭を振り
「いいや、やっぱり…グランナと戦うよ。一度でもいいから、本気でグランナとデュエロタクトしてみたい。そうでないと…多分、これから後も…」
ファクドも予感を感じていた。
ティリオを通じた超越存在になれば、その繋がりは長く続く。
だからこそ、一度は本気でぶつかってみたい。
「これが終わったら、チャンと…」
アルドとルアラは微笑む。
◇◇◇◇◇
こうして、二日後。
グランナとファクドのデュエロタクトが開始された。
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次回、痴話げんか




