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星光 第59話 エアリナの気持ち

次話を読んでいただきありがとうございます。


エアリナの母親が戻り、大事件の後でも…何時もの日常が訪れるが、変化もあった。

 

 エアリナの母エリドナは救出された。


 シュルメルム宇宙工学学園へ、ヴィルガメスの前に妻エリドナが

「お帰り…エリー」

と、ヴィルガメスは妻を抱き締めた。


 エリドナもヴィルガメスを抱き締めて

「ただいま…アナタ…」


 それをディオス達とティリオ達も見つめて、ティリオの前にいるエアリナは涙ぐんでいた。


 元に戻ったアリアナ銀河は、今後…様々な調査が入り、半年後には住民の流入が始まる。

 惑星アリアドネにあったスカイギアは、今回の事件…後にフォーミュラリオン事案と呼ばれる際に、問題の存在の依り代として消費されて消えた…という事になった。


 波乱の長期航行訓練だったが、その後は何時ものように…

 エアリナが、エリドナのいる理事長宅から

「行って来ます。お母さん」


 エリドナが微笑み

「いってらっしゃい」


 娘を見送る母親。


 エアリナは何時ものようにティリオ達がいるホームへ向かう。

 その足取りは軽く楽しそうだった。


 ティリオ達を迎えに行き、そして、グランナ、ファクド、ルビシャル、レリスと学舎で合流して、何時ものように講義へ。


 あんな大きな事件があった後でも、ティリオ達は学生なのだ。

 普段の学生へ戻る。


 それでも違う部分がある。

 それは…ティリオ父親である聖帝ディオスが度々、シュルメルム宇宙工学学園へ来るのだ。

 事件の後処理や諸々で…。

 その途中でティリオの元へ来る事がある。

 ティリオはシュルメルム宇宙工学学園のホームに来た父ディオスに飲み物を出しながら

「で、どんな感じになりそうなの? アリアナ銀河」


 ディオスは飲み物を貰いながら

「まあ、調査しても問題な部分は少ないし…ゆっくりだが、来月くらいから住人の受け入れを開始するそうだ」


「そうか…」とティリオはディオスがいるソファー席に座る。


 ディオスがティリオに

「そっちはどうなんだ?」


 ティリオは肩をすくめて

「何時もの学生に戻ったよ。何時も通り」


 ディオスが頷きながら

「なら、良かった。サルヴァードを得た事で大きく変化したのなら…」


 ティリオが

「将来の事が大きく変わったけどね」


 ディオスが渋い顔で

「ティリオが望むなら、セイントセイバーの事は…」


 ティリオが微笑み

「クロスト達との約束だ。必ず守るよ。でも…アースガイヤの民以外の…」


 ディオスが腕を組み

「問題ないだろう。クロスト達もむしろ…加わって欲しいと言っていたらしい」


 ティリオが遠くを見て

「本格的にセイントセイバー部隊は…アースガイヤだけの…」


 ディオスが頷き

「ああ…これから、もっと大きな時空間の問題が起こるのは目に見えているからな」


 ティリオは自分の両手を見つめながら

「対処できるかな…ぼく達で…」


 ディオスが微笑み

「ティリオは一人じゃあないだろう」


 ティリオは頷き「そうだね」と答えた。


 その後、ディオスはティリオが運営を手伝っているデュエロタクトの事が見たいとして、ティリオ達、ティリオとジュリア、ナリル、アリルの四人と共にデュエロタクトのラウンジへ向かった。


 ◇◇◇◇◇


 学園のラウンジへ来たディオス

「ほう…こんな感じなんだ」

 その後ろにティリオ達が続く。


 ラウンジにいたファクド、ルビシャル、グランナ、レリス、エアリナの五人が気付き、ファクドがディオスに近づき

「ようこそ、聖帝ディオス様」


 ディオスが

「ああ…今は、息子の保護者として来ているから…」


 グランナが来て

「ティリオのお父さん、ご無沙汰です」


 ディオスが頭を下げ

「息子が…ティリオが何時もお世話になっています」


 ルビシャルも来て

「いいえ、こちらこそ、何時もティリオくんには助けて貰ってます」


 レリスも来て「どうも」と挨拶をする。


 エアリナも来て

「お義父さん、来ていたのなら…声を変えてくださいよ。水くさい」


 ディオスは暫し頭が固まる。え? お義父さん?と言うエアリナの言葉の意味が…

 あれ? ティリオは…この子を…ええ?

「ああ…うむ…すまない」

 無難に答えた。


 エアリナもティリオの前に来て

「ティリオ、なんで…お義父さんが来ているのに、呼ばないのよ…」


 ティリオがエアリナを見つめる。


 ディオスがそれを見つめる、他のみんなも見つめる。


 あの時、ティリオは堂々とエアリナを伴侶と宣言していた。

 そんなティリオが右手の親指を立てて笑顔で

「エアリナ…離婚!」

 

「は?」とエアリナの目が点になるほどに開く。


 ティリオは淡々と笑顔で

「だって、エアリナは…お母さんのエリドナさんを救う為にぼくを使っていたんだろう。もう、エリドナが救出されたんだから、そういう事は必要ないよね。だから、離婚!」


 ティリオの笑顔とは、裏腹に周囲が、えええええ!と無言で驚愕している。


 エアリナが俯き、ティリオの肩に手を置く。


「ん?」とティリオは首を傾げる。

 エアリナがティリオの襟首を掴み上げる。

 ティリオの力が強いので、エアリナが自分の力で持ち上がる。

 ティリオは何時も通りにエアリナを支え上げるが、エアリナが右足をティリオの左足に絡めて体勢を崩す。

「え」と体勢が崩れたティリオが困惑する左頬にエアリナのパンチが入り、エアリナとティリオは共に床に転がった。

 三回転して床にティリオが転がる。

 ええええええ!とティリオは驚いて殴られた頬を摩る頃には


「ティリオのバカァァァァァァァァ!」

と、叫んで去って行くエアリナがいた。


「ええええ…」とティリオが困惑する。


 それで全てを察した父ディオスは頭を抱えた。


 ティリオとディオス以外の全員が拍手する。

「いや凄い」とファクド

「マジ、凄いわ」とルビシャル


 グランナが「今のはティリオが悪い」


 ティリオが困惑しながら

「な、ええ? なんで、ぼくが悪いの?」


 ジュリア、ナリル、アリルの三人は頭を抱えて夫ティリオの元へ来て、立ち上がらせて

「さあ、エアリナを追いかけて、謝って来なさい」

とジュリア

「そうだよ。今のは、ティリオが悪い」

とナリル

「全く、なんでそういう所はお義父さんと一緒なのよ」

とアリル

 ジュリア、ナリル、アリルの三人はティリオの背中を押した。


 ティリオは父ディオスを見る。

 ディオスは、自分と同じ失態をした息子に

「ティリオ、ゼリティアと同じなんだよ」


 ティリオは青ざめて

「エアリナ!」

と、走って行った。


 ジュリアが

「今夜は、帰って来なくていいからぁぁぁ」

と、夫を見送った。



ここまで読んで頂きありがとうございます。

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次回 二人の道

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