星光 第57話 光の刃
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ティリオ達が始める大きな試み、それにスラッシャーが…
グランナ、ファクド、レリス、ルビシャル、そして、クロスト達…将来のセイントセイバーの少年少女達が話を聞いていた。
ティリオを前に、隣にエアリナ、ジュリアとナリルにアリルの四人がいた。
グランナが額を抱えて
「お前…本当に…やるのか?」
ティリオは頷き
「うん。できると思う。父さんがそうやって、サルヴァードを手にしたから」
ファクドも額を抱えて
「キミの父上、聖帝ディオスが強大な宇宙王となった力を、キミが再現して…手にするって…どんな作戦だよ」
クロスト達も呆然としていたが、クロストが
「自分達も呼んだのは、そういう事か…」
ティリオが
「クロストは、ぼく達の…眷属みたいなモノだし…」
グランナが
「オレは、ティリオのお陰でなった超越存在だからな…」
ルビシャルが額を抱えて考えて
「つまり、エアリナの母親がいる。とんでもない超絶の大災厄…エヴォリューション・インパクトをトリガーにして、宇宙王級の力をティリオが得て、それによって…」
レリスが淡々と
「エアリナの母親や、取り込まれたアリアナ銀河も解放する」
ティリオは頷き
「そういう事。だから…」
ファクドが溜息を漏らしつつ
「絶神鎧の発動を容易にする為に、ぼく達のような素養がある者達や、超越存在に覚醒した者、聖帝ディオスの眷属達が多くあれば良しって」
ティリオが
「やっぱりダメかなぁ…」
グランナが呆れつつ
「ダメとは言わないが…ちょっとは相談して欲しかったよ」
ティリオが頭を掻いて
「すまん。かなり急いでいたから…」
レリスが冷静に
「宇宙王達の会議では、殲滅した方が安全だと…そういう方向に向かっていた」
エアリナが不安な顔で
「お願いします。力を…貸してください」
と、頭を下げる。
全員が溜息を漏らして、ルビシャルが
「断る訳ないじゃん」
グランナが
「普段から、そのぐらい、お淑やかだったら…」
ファクドが
「これも良い経験でしょう」
レリスが
「まあ、やって置いても損はない」
クロストがティリオに近づき
「ティリオ、ティリオの父上、聖帝ディオスと同等の力、サルヴァードを得るという事は…」
ティリオは諦め笑みで
「だね、将来は…セイントセイバーへ来るしかないよね」
クロスト達はニンマリと笑む。
彼ら彼女らの目的は、ティリオを中心としたセイントセイバーの隊を組む事だ。
それが確定となるのは嬉しかった。
ルビシャルが
「準備は…ってもう、やってるか…」
ティリオは頷き
「一時間後には…」
◇◇◇◇◇
宇宙国家戦艦セイントセイバーの上部甲板、宇宙空間から守られるシールドの下で、ディオスは研究者仲間と共に、ティリオをサルヴァードへする装置の準備をしていた。
その中に充人もいて
「まさか…ティリオが同じ道を歩むとは…」
ディオスは黙々と装置のチェックをしつつ
「問題があったら、即座にシステムを停止させるからな」
充人が
「これも、仕組まれた事か…」
ディオスは苛立って口を閉じる。
そして、ティリオ達が入ってくる。
ティリオ達、大勢の少年少女達が来る。
円形の台座の上にティリオ達が上がり集まる。
ディオスは全体が見られる管理装置の所で
「全員、聞いて欲しい」
ティリオ達が視線を集中させる。
ディオスが厳しい目で
「こちらで、君達をモニターしている。何か異常があれば…即座に止める」
ティリオが父親に微笑み
「行って来ます。父さん」
と、言葉の後に、ティリオ達が優しげに微笑んでいた。
苛立ち気味にディオスは頭を振り
「では、システムを起動させる」
ティリオ達がいるシステムの台座が光を放つ。そして、ティリオ達をサルヴァードへの道へ上昇させる。
千キロの宇宙国家戦艦セイントセイバーから一筋の光、ティリオ達を乗せた光が昇る。
その光の中へ何かが飛び込む。
それは、スラッシャーの機体アシェルだ。
「何!」
と、ディオスはシステムを停止させようとしたが、止まらない。
ティリオ達を導く光の道が強すぎて止められなかった。
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