星光 第51話 惑星アリアドネ
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スラッシャーに助けられたティリオ達、スラッシャーが協力するという交渉に疑いが走るもエアリナが…
スラッシャーを目の前にティリオ達が交渉していた。
「取引だ。お前等に協力するから、オレの目的を手伝え」
と、スラッシャーが腕組みしている。
ティリオとグランナ達は、鋭い顔でスラッシャーを見つめ、エアリナ、ファクドとルビシャルにレリスに千華と紫苑は、平静としている。
ティリオが
「キサマの目的はなんだ?」
スラッシャーが
「この惑星アリアドネ中枢にある。とあるシステムの破壊だ」
グランナが厳しい目で
「とあるシステム?」
スラッシャーが
「この惑星アリアドネ中枢にあるゾロアス・リヴァイブ計画の産物、ゾロアスになる筈だった部品だ。それを破壊する」
ティリオが厳しい目で
「それがお前にとって何の利点がある?」
スラッシャーが少し呆れ気味に
「オレは…ゾディファル教団と敵対している。敵の敵は味方って事だ」
グランナが
「信用する程の信頼がお前にはない」
スラッシャーが渋い顔をして
「じゃあ、どうすれば信用するんだよ」
ティリオとグランナが鋭くスラッシャーを睨み無言の圧をかける。
そんなのは無いという無言の答えだ。
そこにエアリナが
「ねぇ…こんな事で立ち止まっている時間は無いと思う。数十分後には、ゾディファル教団の大艦隊が、この惑星アリアドネを覆い尽くして…だから、お願い…ティリオ。今だけは…この人と協力して」
と、ティリオを見つめる。
え?という顔のティリオ。
そして、エアリナがスラッシャーを見つめる。
スラッシャーとエアリナは視線を交差させる。
それにスラッシャーが渋い顔をする。
それにエアリナ達以外の全員が気付く。
スラッシャーとエアリナには、何か…関係がある。
ティリオは面倒な感じで頭を掻き
「足手まといになったら、置いていくからな」
スラッシャーが肩をすくめて
「それは、こっちの台詞だぜ」
エアリナが「じゃあ…」
ティリオが溜息を漏らして
「エアリナの言う通りだ。時間が惜しい。早く行くぞ」
エアリナが微笑み
「ありがとう」
と、告げた次にスラッシャーが乗ってきた青い機体を見上げて
「また、会えたねアシェル」
スラッシャーが乗ってきた青い機体アシェルの目が答えるように輝く。
「ん、んん」とスラッシャーが咳払いする。何かを言うな…という感じだ。
エアリナがハッとして
「じゃあ、行こう。場所は、あそこ…スカイギアがある中枢へ」
ティリオは、人を選別した。
エアリナを筆頭にティリオとグランナ、エアリナ、ファクド、ルビシャル、レリス、千華、紫苑の九人とスラッシャーで、この惑星の中心、スカイギアがある施設へ
残りは、着陸した宇宙港にいて、通信でティリオ達とリンクして、もしもの場合は駆けつける。
ティリオ達は個々の機体に乗って、エアリナのマキナを先頭にその場所へ…
エアリナがみんなを導いている最中
”お願い、エアリナ…”
母親のエリドナの声が聞こえる。
「母さん…」
と、不安な気持ちを抱えて、導く。
◇◇◇◇◇
ゾディファル教団の旗艦で教皇マリアンナが
「そうですか…エンキドが…来たのですね」
テスタメントの三人がマリアンナの前に跪き、ホロイエル、クワイエルト、アクレイトがいる。
ホロイエルが
「マリアンナ様…裏切り者、エンキドを殺す許可を…」
その声色には、殺気が籠もっている。
クワイエルトが
「ホロイエル、お前が勝てると思うか? あのネオデウスの継承者に…」
クワイエルトとアクレイトに挟まれるホロイエルが、クワイエルトを仮面の奥にある瞳で睨み
「先程は、突然の事で遅れを取ったが…次は違う」
アクレイトが
「冷静さを欠いている汝には、あの男は殺せない。それどころか…」
三人の眼前にいるマリアンナが
「テスタメントよ。言い争いに意味はありません。どうあれ…彼は…エンキドは、あのヴィルガメスと同じ力を持っている。勝てる見込みはないでしょう」
ホロイエルが
「では…我らの悲願が…」
マリアンナは微笑み
「我らの悲願を諦めるつもりはありません。むしろ…活用するのです。我が妹がいるエリドナへの道を開くには、エリドナの娘であるエアリナだけ。ならば…」
クワイエルトが
「なるほど、先行させて…我々は、後から…」
マリアンナが頷き
「ええ…下手に刺激しては、ゾロアス・エミュレーターが現れて…我々が一網打尽にされてしまいます。ならば…エアリナにエリドナを救わせれば良い。その後…」
『は!』と三人のテスタメントは返事をして頭を垂れた。
マリアンナが背後にある黄金十字の象徴に祈りを捧げ
「全ては、ゾロアスの導きのままに」
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次回、スカイギア