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星光 第45話 母の星

次話を読んでいただきありがとうございます。


ティリオ達が来た場所は、エアリナが母を行方不明にした現場でもあった。

そこでティリオ達は…

 

 宇宙戦艦デュランダルの艦橋では、着水した惑星の大気組成と、発信される惑星識別コードを解析していた。

 艦橋の星図担当にファクドが

「本当のアリアナ銀河で間違いないのか?」


 星図担当のオペレータ席にいる生徒が

「はい、何度も発信される惑星の識別コードを確認しても、ここはアリアナ銀河の第十三惑星だと…」


 ファクドが怪しむ顔で、次にティリオの席、機関操作席へ向かい

「ティリオ…どうだ?」


 ティリオは、宇宙戦艦デュランダルに備わる外部探索装置を使っている。

 ティリオのオペレータ席の周囲には、デュランダルから飛ばしたドローンの立体映像が幾つも投影されている。

 ティリオが

「これを見てくれ」

と、ドローンの映像の映像の一部を投影させる。

 そこには無人の町があった。

 その町の建造技術レベルは、間違いなくシュルメルム時空のモノだ。


 ティリオが淡々と

「大気組成、そして、ドローンが近くの町の生きている端末にアクセスした結果、そのデータから…間違いなく、ここはアリアナ銀河、第十三惑星ジュライだ」


 ファクドが腕組みして考える。


 その二人の近くにエアリナがいて静かに黙って見つめている。


 ファクドが

「これは…出て行って調査をする必要があるな」


 ティリオが

「現状、まずは…このまま着水した現在位置からデュランダルを動かさずに、編隊を組んで調査するべきだ。ただ…」


 エアリナが

「もし、何か起こった場合、時空転移か、空間転移して自力で帰還できる装備を付けた状態での調査の方が無難よね」


 ファクドとティリオはエアリナの言葉に頷き、ファクドが

「その通りだ」


 そこへ「おおおーーい」と千華と紫苑の二人が来て

「何が起こったの?」

と、千華が説明を求める。


 ティリオが今、分かっている事を千華達に説明すると、千華が渋い顔で

「マジで? 宇宙航行中に、とんでもないバケモノ召喚装置と遭遇して、永遠に所在地が不明の銀河様に漂着しましたって…どんだけ、とんでも小説の世界よ」


 紫苑が

「どうします?」


 千華が

「そんなの…アタシ達も協力に決まっているでしょう」


 ファクドが

「協力を感謝する。で…どんな感じに?」


 紫苑が

「私達の装備、バトロイド(多段戦闘機)の編隊を使います。バトロイドなら単騎でも空間転移が可能ですから、もし…取り残されても帰還が可能です」


 ファクドが頷き

「そうか、それなら問題ない。こちらは…」

と、ティリオを見る。


 ティリオが

「自分とアリルとナリルが、ジュリアは残し、グランナの超越存在の力が入った実戦使用の重装備で出る。そして、デュランダルに残るグランナのハイパーグレート(超越存在)の力のリンクを維持させる。そのリンクによって引き離されてもデュランダルへ帰還できる」


 ファクドが

「ジュリア君を残すは、それが使えなくなった場合の保険ってヤツか…」


 ティリオは頷く。

 ティリオ達、四人は超越存在の力の一つ、シンギラリティの渦という無限にアースガイヤの魔導力を生産する特異点を持っている。それは、同じシンギラリティの渦を持つ者同士が繋がる作用もあり、それを使ってお互いの場所へ行き来が出来る。


 エアリナが

「私も一緒に行きたい」


 エアリナの願いに難しい顔をするファクド

「ここは…彼らに任せた方が…」


 エアリナが

「私はティリオの機体とドッキングして行動するわ。それに…この宙域に詳しいから、より調査が楽になるはず」


 ファクドがティリオへ視線を向けると、ティリオも視線を合わせて頷き、ファクドが

「分かった。無茶はするなよ」


 エアリナが真剣な顔で

「分かっている」


 ファクドとティリオは、エアリナが素直な事に戸惑ってしまう。

 何時もなら暴走しそうなのに、今のエアリナは真剣で慎重だ。

 これなら任せても…大丈夫な気がする。



 ◇◇◇◇◇


 宇宙戦艦デュランダルが着水した惑星を調べる為に、ティリオ達、カレイドの者達、その二つが出撃した。


 カレイドの戦闘機のように鋭いフォルムを持つ小型艦、カレイド専用のバトロイドには、様々な装備が備わっている。レーザーミサイルや、空間転移エネルギーを生成貯蔵する円筒の小型空間転移装置、四カ所に小型ガトリングと戦闘ヘリと戦闘機を合体させた姿は、兵器である雰囲気を出していた。

 

 ティリオ達のゼウスリオンは、背面に様々な重装備を取り付けてある。大型のスラスターや砲撃装置、グランナの超越存在の力が入った小型空間転移装置、その様は、空飛ぶ重戦艦のようだ。


 ティリオ達は三機のゼウスリオン、千華達カレイドは五機のバトロイドだ。

二方向へ分散する調査隊。

 ティリオ達は近くの都市部へ向かっている。

 そして、ティリオの操縦席にはエアリナの複座があり、ティリオの正面にエアリナがいる。

 エアリナは操縦席の全方位顔面を真剣に見つめている。

 それにティリオは

「エアリナ…キミが目的の場所を見つけた時、その…」


 エアリナが

「暴走すると思った?」


「うん」とティリオは正直に答える。


 エアリナが

「もちろん、その気持ちはあるけど、これは…チャンスなのよ。だから…大事にしないと…」


 ティリオはエアリナが真剣な感じなのを受けて「そうか…」と安心感がこみ上げた。



 ◇◇◇◇◇

 

 ティリオ達が発進したのを見送ったファクドとグランナ、ファクドが

「じゃあ、もしもの場合に備えて置きますか…」


 グランナも「ああ…そうだな」と頷いたそこへファクドが肩に腕を回して

「ダブルDSって何?」


 ファクドの問いにグランナが口ごもる。

 ファクドが

「さっき、ディスガードに囲まれるかもってなった時に、ティリオが…グランナに言っていたよね。それって」


 グランナが渋い顔で

「あまり広めるなよ」


 答えを聞いたファクドが呆れて

「全く、キミ達は…」


 ◇◇◇◇◇


 ティリオ達の部隊が目的の都市部へ到着しようとしていた。


 ティリオとエアリナが乗るゼウスリオンに併走するアリルとナリルの同型装備の二機のゼウスリオンが先行して、アリルが

「ティリオ、何か…センサーに空間の歪みが…」


 ティリオが「エアリナ、操縦を頼む」と交代してゼウスリオンのセンサーの数値を見ると

「マズい!」


 ティリオ達が近づく都市部の上空に湾曲した空間面が出現し、そこからディスガードが出現する。

 三体のディスガードが近づくティリオ達のゼウスリオンへ向かってくる。


 ティリオが「応戦する」と


 ディスガード三体と、ティリオ達ゼウスリオン三体の攻防が始まる。


 エアリナが

「ティリオ! アンタの得意なオメガデウスの装備で!」


 ティリオが

「ダメだ! それじゃあ今、行こうとしている都市部を巻き込む」

 どうすれば…とティリオが思案しているそこへ。


 唐突にディスガードの二体真っ二つになり、細切れになる。


 その動きにアリルとナリルが困惑する。

 ナリルが

「え? あの動き…」

 ディスガードを細切れにする動きに憶えがある。


 最後の一体が黒い空間を削り取る球体達に包まれて消滅する。

 ティリオは、その攻撃に憶えがある。

「ええ…アレ…まさか…」


 エアリナが

「ええ…なんで? どうして、突然?」


 ティリオのゼウスリオンに通信が入る。

「ティリオ! 大丈夫か?」

 ティリオ達の通信画面に出たの、デウスマギウス・アミダライオウに乗る父ディオスと、アリルとナリルのゼウスリオンの前に、ゼウスリオン・アーマーを装備するオジさんのナトゥムラがいた。


「なんで、パパがいるの!」とティリオが叫び。

 アリルとナリルが

「えええ! お義父さん! オジさん!」

と、驚きの声を放つ。


 エアリナだけが?????だった。



ここまで読んで頂きありがとうございます。

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次回、父と遭遇

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