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星光 第41話 宇宙戦艦デュランダル

次話を読んでいただきありがとうございます。

完成して学園に来た宇宙戦艦デュランダル、それに別の学園からの参加者が…


 長期航海訓練まで、あと五日となり、アースガイヤで検査を終えた宇宙戦艦がシュルメルム宇宙工業学園へ届けられる。

 その宇宙戦艦に今回、一緒に乗り込むホームの者達が荷物やらマキナやら、色々と運び込む。

 ティリオ達、グランナ達、ファクド達、レリス達、ルビシャル達、エアリナ達の六つのホームの生徒達が共に二ヶ月を過ごす長期航行訓練。

 その違う種族や時空民が共に暮らせるように建造された全長四千メートルの宇宙戦艦に七つ目の生徒達が来る。

 それは…

「こんちは〜」

と、呼びかけるのは千華と

「よろしくお願いします」

と、紫苑だ。


 別時空の宇宙女子学園の生徒という事で、千華や紫苑の組織にいる十代の少女達が一緒に加わる事になった。

 学年で紫、赤と何処となくスーツのようで女子らしいシックな制服を纏う、千華達の組織カレイドの女子メンバーと対面したティリオは渋い顔だ。

 シックな制服は、明らかに布地に似せた特殊ナノマシン合金で構築されていて、様々な武装に変形する。

 それを身に纏う彼女達は特別な改造を施されている。

 ナノマシンとカレイドの技術である次元転移型エネルギーの生産炉。

 カレイドは、かつて…ティリオに超越存在とゾロアスの呪いを植え付けた聖櫃という装置を遙か昔に作り出した。

 今は、その聖櫃は失われて、その応用技術から次元のエネルギーを様々な動力に変換する生体炉を内蔵する、生体人造人間…というべき存在をカレイドは使っている。

 無論、千華や紫苑も…。


 ティリオは渋い顔で千華や紫苑を見つめていると、千華が

「そんな怖い顔をしない。アタシ達も訓練の一環として参加するだけだから、ね」

と、ウィンクする千華。


 紫苑が冷静に淡々と

「それもありますけど、スラッシャーが貴方に固執しているので、今回の事を狙って襲いかかるかもしれないので、そこを…私達が…」


 ティリオが項垂れて

「まあ、いいか。普通の生徒として過ごしてくれるなら問題ないから」


 千華がイタズラに

「もしかして、ウチの子達と、アンタ達の誰かがラブロマンス! なんちゃって」


「フン」とティリオは鼻で笑った。


 千華は不満な顔で

「そういう態度を隠さないのが、腹立つんだけど」


 紫苑が

「まあ、戯れはそこまでとして…今回の実習の宇宙戦艦の名は?」


 ティリオが到着した四千メートルの宇宙戦艦を見つめて

「デュランダル…って名前だ」


 紫苑が「デュランダル…」と言って横に見える宇宙戦艦デュランダルを見る。

 青と赤の船体は鋭い剣のように真っ直ぐで、その周囲を動力と推力を生み出す金属の翼が船体に備わるリングに乗って周回している。


 千華が

「しかし、アースガイヤの技術は凄まじいねぇ。空間を操作して動力と推力を生成して動くなんて、そのお陰で船体に動力炉を備える必要がないとは…」


 ティリオが

「予備的な動力と、マキナやその他の修理、食料生産の動力は別で生産している。全てがあの翼から生成される訳じゃあない」


 紫苑が

「それでも、その技術はどの時空より凄まじいのは変わりありませんから」


 ティリオは無言だ。

 この宇宙戦艦デュランダルに使われている技術は、全部が自分の、アースガイヤで使っている、自分にとっては有り触れたモノばかりだ。驚きはない。でも…

「とにかく、普通に学生の生徒として振る舞ってくれよ」

と、千華と紫苑に釘を刺した。



 ◇◇◇◇◇


 ティリオとジュリアとナリルとアリルの四人が学食の食堂で食事をしていると、エアリナが来て

「座るわよ」

と、ティリオの対面側に座った。


 ティリオが

「そっちの荷物の搬入は?」


 エアリナが

「もう、終わるわ。後は…他の連中のなんだけど…聞いたら、私達と同じらしいわ」


 ティリオが

「じゃあ、問題なく長期航行訓練に行けそうだな」


 エアリナが呆れ気味に

「マキナまで修理運用できる宇宙戦艦って、どんだけ豪勢なんだか…」


 ティリオが顔を上げ

「今までは出来なかったのか?」


 エアリナが呆れ笑みで

「マキナの運用って難しいのよ。それ…ほんと、やれる施設を組み込めるんだからアンタの技術は凄いわ」

 そして、エアリナが

「アンタみたいに、無敵なら何でも出来るんでしょうね。どんなヤツだって救えちゃうくらいに」

と、軽めにエアリナが、ちょっとした皮肉と嫌みだった。

 

 だが、ジュリアとナリルとアリルの三人はティリオの雰囲気が変わったのに気付いたが…


 ティリオが手を握り締めて、ダンとテーブルを叩き

「ぼくは、一番、大切な人を、友達を救えなかった! だから、クソ!」

と、ティリオが再びテーブルと怒鳴って叩いた衝撃で、エアリナの食事が載るパレットが跳ね上がった。


 エアリナは困惑していると、ジュリアとナリルとアリルがティリオを抱えて、ジュリアが

「ごめん、エアリナ。今は…マズいから」

と、ティリオを連れて去って行った。


 エアリナが困惑で固まっていると、そこへ食事しに来たグランナ達が来て、グランナが

「おい、今、ティリオの怒鳴り声が聞こえて…エアリナ、お前…」

 グランナは、エアリナがまた、余計な事を言ったと…。


 エアリナは困惑気味に

「ええ、私が…?」

 

「全く…」とグランナが呆れつつ、後でティリオ達に事情を聞こうと…。


 エアリナは自分の何処が…問題なのか?と困惑していた。



ここまで読んで頂きありがとうございます。

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次話を出すがんばりになります。

次回、学園生活の謳歌

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