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星光 第39話 アースガイヤに帰宅 その三

次話を読んでいただきありがとうございます。

アースガイヤに帰宅したティリオの待っていた者達がいた。


 一国の宇宙戦艦が惑星アースガイヤから、その隣の星系軌道にある惑星アレスの間を航行していた。

 魔導文明アースガイヤでは、珍しくもなくなった全長千キロの宇宙国家戦艦の一つ。

 その宇宙国家戦艦の名は、セイントセイバー。

 かつて、ディオスの元に集まった十二名の者達を始まりとして、聖帝ディオスの専属戦士から部隊へ、そして…それは今や巨大な宇宙国家レベルの戦力軍団へ拡大した。

 この宇宙国家戦艦セイントセイバーは時空間を移動する時空航行能力を有している。

 その理由は…数多の時空間問題が起こった時に、超越存在や宇宙王達が協定を組んでいる時空間連合軍をまとめる役目を持っている。


 数年前、ディオスがシュルメルム時空、シュルメルム宇宙工業学園の時空で発生したディスガードの事件の際に、宇宙王や超越存在達による時空間連合軍が出撃して、そのディスガードに侵食された銀河を救済した時も、この宇宙国家戦艦セイントセイバーが出撃していた。

 それは、ヴァナルガンド事変というティリオがヴァナルガンドの英雄となった事件の時に…。


 宇宙国家戦艦セイントセイバーの巨大な住居空間、都市がまるごと入っているそこの公園をランニングしている十代後半の少年がいる。

 金髪をなびかせて公園をランニングしていると、目の前に少年の上官であるアーヴィングの姿があった。


「アーヴィング隊長、お疲れ様です」

と、少年が呼びかける。


 アーヴィングが呆れ気味に

「休暇の時に隊長はやめろ。さんでいい。クロスト」


 宇宙国家戦艦セイントセイバーには、十二の部隊がある。アーヴィングはその一番隊、要するに十二の部隊を纏める部隊の隊長だ。

 クロストは、そのアーヴィングの下についている副官の一人だ。


 アーヴィングが

「こんな休暇中でも訓練か?」


 クロストが首を横に振り

「いえ、休暇です。体を動かす方が…気分が良くなるので…」


 アーヴィングが

「健康的で良いが、ムリはするなよ」


 クロストは頷き「はい」と答えた後、クロストの通信に友人の女性が出て

「失礼」

と、クロストは腕にある端末に触れると立体映像が出現し、その友人の女性が

「クロスト! ティリオが帰ってきているって知ってる?」


 クロストが眉間を寄せて

「本当か?」

と、次にアーヴィングを見る。


 アーヴィングが微妙な顔で

「クロスト、ティリオは用事があって一時帰還をしているから…」


 クロストが背筋を伸ばして

「アーヴィング隊長、失礼します。急用ができました」


 アーヴィングが頭を抱えて

「ティリオの邪魔はするなよ」

と、全速力で去って行くクロストの背中へ呼びかけた。



 ◇◇◇◇◇


 ティリオは軌道エレベーター型コロニー・ミリオンの工業区にいる。

 ティリオがいるオペレーション席には、ファクドとレリスにグランナの三人と、グランナの仲間五人がいる。

 十キロ程の巨大な工業施設内を浮遊移動式の席で飛び回りながら、これから目的の宇宙戦艦を建造する。


 十キロの施設ない空間に目的の宇宙戦艦の立体映像の等身大設計図が投影される。

 その立体映像の設計図を元に様々な部品を組み立てる。


 グランナが

「じゃあ、オレ等は施設内に設置されたオメガデウス・フォーミュラ・スペリオルで資材を生産するから」

 グランナの仲間のラドとシェルテの五人が頷く。


 ティリオが

「ああ…よろしく」


 ファクドが

「ぼくも手伝うよ。見ているだけじゃ、つまらないから」


 レリスも

「自分も手伝う」


 ティリオが戸惑い気味に

「いいの? 助かるけど…」


 ファクドは微笑み「いいさ」と。

 レリスは頷き了承をする。


 ファクドはゴールドジェネシスの力、空間を操作する力を使って宇宙戦艦のエネルギー経路と細かな部品を生産する。

 そのエネルギーはグランナの超越存在から受け取る。


 レリスは、工業施設内にある膨大な組み立てドローンを操作してグランナとファクドにティリオが設計し生産する部品を目的の箇所の立体映像の設計図へ運び繋ぐ。


 ティリオは、宇宙戦艦のメインエンジンを製造しながら、協力してくれる事で早く完成するので、彼らに感謝した。


 エアリナとルビシャルは…。


 ◇◇◇◇◇


 ルビシャルは、充人の屋敷があるヴォルドルの敷地内で、充人の子供達と共に機神の見せ合いっこをしていた。


 ルビシャルは、自身の機神の中でも最もデウスマキナ(機神人類)の特徴が顕わになった機神を取り出す。

 ルビシャルの背中から独特の紋様、機神の顔を形取った光の像が出現し、そこをゲートに四十メートルという機神が出現する。

 青紫で重甲冑のような体と背中には、巨大な翼を広げているルビシャルの機神。


「おおお」と充人の子供達は喜び見上げる。


 そして、充人の子供達三人も機神を取り出す。

 上下V字の翼を伸ばす甲冑の体を持つ機神が三つ出現する。

 

 ルビシャルと充人の子供達は、お互いの機神に乗ったり説明し合って、アースガイヤを飛んで回る事になった。

 ルビシャルの機神を中心に、充人の子供達の機神が周回する感じで飛んでいき、アースガイヤを巡る。


 それを遠くから見つめる充人の妻の一人レディナは、有り触れた光景なので

「遠くへ行ってはダメよ」

と、何時もの忠告する。


 子供達とルビシャルは、楽しげにアースガイヤの回遊飛行を楽しむ。


 ◇◇◇◇◇


 エアリナは…ジュリアとナリルとアリルの三人と共にディオスの屋敷の日々を見る。

 そこには、ディオスの子供達が機神の素体を元にしてゼウスリオンを庭先で作っている風景を見る。


 エアリナが困惑と驚きに眉間を曲げて

「これ、マジなの?」


 ティリオ達の弟妹が多腕を持つ小型の人型装置、デウスメーカーに乗って、様々な装甲や装置をミリオンから降りて来る輸送艇から取り出して組み立てる。


 エアリナの右にいるアリルが微笑み

「そう、これがティリオの家の日常だよ」


 ティリオと年齢が近い十六歳の弟のシュリオがエアリナの前に来て

「完成したから乗ってみる?」

と、組み立て終わったゼウスリオンを指さす。


 エアリナが困惑するも、その背中をナリルが押して

「大丈夫よ。問題があっても、弟達が何とかしてくれるから…。それに操縦は前に乗ったゼウスリオンと同じ思考制御だから」


「う、うん」とエアリナは頷きゼウスリオンに乗る。

 ゼウスリオンの操縦席、それは前に乗った感じと同じで、思考で動く事が出来る。

 エアリナの指示する思考でゼウスリオンは飛翔して飛んでいく。

 それに、シュリオが機神を呼び出して乗り、後を付いていく。


 エアリナが操縦するゼウスリオンは、数秒で宇宙へ到達、ミリオンがハッキリと見える宇宙域まで来た。

 エアリナは溜息交じりだ。

 エアリナの時空では、マキナ(人型機体)を作る施設は特別で、こんな家庭的な感じで気軽ではない。

「ホント、なんていう時空なの…」

と、漏らしてしまう。


 そして、同時刻、クロストが乗った宇宙艦がミリオンに到着して、クロストは直ぐに感覚を研ぎ澄ます。

 自身にあるシンギラリティの渦の感覚を増大化させて

「見つけた」



ここまで読んで頂きありがとうございます。

続きを読みたい、面白いと思っていただけたなら

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次話を出すがんばりになります。

次回 ティリオの立場

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