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星光 第30話 再臨

次話を読んでいただきありがとうございます。

マルスと復活したシャナリアが接触する。

それにティリオは、説得を試みようと…


 グランナが青ざめて下がり、マルスは驚愕の顔だ。

 そんな二人が見つめる先には、電子回路の翼を広げるシャナリアが佇み。

「マルス…」


 マルスはシャナリアの姿に

「ええ…そんな…だって、えええ?」


 シャナリアはゆっくりとマルスに近づく。


 グランナがマルスの手を取り

「急いで逃げるぞ」

と、マルスを小型電動バイクに乗せて走り出した。

 急いで逃げようとするグランナと、後ろに乗せられて混乱するマルス。


 だが、二人が乗る小型電動バイクの前にシャナリアが瞬間移動して、グランナはぶつからないように急ハンドルを切ってしまい、小型電動バイクが横転した。

 放り出されるグランナとマルス。


 近くの道路に転がりグランナとマルスが離れる。


 グランナが体を起こして見上げたそこに、唖然として腰を抜かしているマルスと、それを見下ろすシャナリアがいた。


 グランナが

「気をつけろ! そいつは!」

”すこし…黙ってくれたまえ”

と、グランナの脳裏に言葉が入り込む。

 それを聞いたグランナは、全身から血の気が引くほどに硬直する。

 グランナの脳裏に直接に呼びかけたのは、シャナリアを通して見ている聖ゾロアスだった。

 聖ゾロアスの言葉を聞いた程度で、グランナは自分の力の差を感じた。

 聖ゾロアスとグランナは、リンゴの実にある原子一個分もの圧倒的な差がある。

 それをグランナは肌で感じた。

 バケモノ…いや、そんな言葉なんて軽い、埒外、存在している領域が違い過ぎる。


 固まるグランナを余所に、マルスがシャナリアを見上げて

「シャナリア…なの?」


 シャナリアは淡い光を宿す目で

「マルス…私…」

 記憶が破片のようにバラバラで繋がらない。

 だが、マルスと接触した事で、記憶の破片が繋がり始める。

「マルス…ごめんね。私…もっと…アナタと…」

 そう、喋りたかった。一緒に居たかった。

 でも、でも、でも…

 アレを…そう、アレが…。


 この現場にティリオが乗るゼウスリオンが到着する。


 マルスとシャナリアが対面する場を操縦席から見て

「これは…」

と、驚愕するティリオ。

 もしかしたら…説得が…

 ティリオは、ゼウスリオンを近くの広場に下ろして、操縦席から出てくる。

 そして、動かないグランナに近づき

「大丈夫か?」


 グランナが怯えた顔で

「お前…もしかして、あんなバケモノと…戦っているのか?」


 ティリオが渋い顔をした次に、シャナリアとマルスを見る。

 シャナリアの背後からグランナに向けて聖ゾロアスの威圧が放たれているのを知覚し、ポンとグランナの背中を叩いて、その威圧の繋がりを消した。

 

 グランナは、唐突に聖ゾロアスの気配が消えた事に困惑するも

「ティリオが…」


 ティリオが

「ああ…立てるだろう」


 グランナが立ち上がり

「どうする?」


 ティリオが

「説得してみる」


 グランナが渋い顔で

「通じると思うか? 相手は…その…ディオートンと…」


 ティリオは、聖帝ディオスから受け継いだ額のサードアイを開いて、高次元からシャナリアを観測して

「ベースは、人としての彼女で、それにディオートンが付加されている感じだ。上手くコントロールさせるようにして…」


 グランナが

「そうか…だが。一つ疑問がある。アレは…本人なのか?」


 ティリオが渋い顔で

「肉体と魂は…消失したが…。その記憶は…」


 グランナが悲しい顔で

「そうか…死者を弄ぶ…クソって事か」


 ティリオが

「それでも、今の彼女は生きている」

と、ティリオが前に出る。


 マルスとシャナリアが見つめ合っているそこへ

「こんにちは…」

と、ティリオが呼びかける。


 ディオートンとの融合体であるシャナリアがティリオを見つめる。


 ティリオが和やかに

「どこから来たんですか?」


 シャナリアが

「ここの…学校の…マルスと同じホーム…」


 ティリオがマルスを見て

「マルスさん。彼女は知り合いですか?」


 マルスはハッとして立ち上がり

「ああ…はい、一緒のホームで暮らす仲間です」

 ティリオの説得の意図を察して合わせる。


 ティリオがシャナリアに

「少し、調子が良くなさそうですが…」


 シャナリアが視線を泳がせて

「調子、体調…分からない」


 ティリオが

「どうです? 検査を受けて体調を見てみるのは?」

 シャナリアを検査するとしてリミッターを設置する算段を始める。


 マルスがシャナリアに

「ねぇ…ぼくも心配だから、一緒に付いていくから…どうだい? シャナリア」


 シャナリアが暫し考える感じで

「うん…その方が」


 そこへ、紫苑と千華が乗る宇宙艦が現れて、紫苑が操縦席から飛び降りて銃口をシャナリアへ向け

「複製されたクローンめ! 少しでも抵抗するなら!」


「お馬鹿!」と、千華も宇宙艦から飛び降りて、宇宙艦はオートでゼウスリオンの隣に着地する。


 紫苑の銃口を上げさせる千華が

「バカバカ! 説得しているのが分からないの!」


 紫苑が困惑顔で「え」と


 ティリオは青ざめる。

 マルスが顔を引きつらせる。


 シャナリアが顔を両手で覆い

「ああ…そうだ。私…死んだんだった」

と、顔を退けたそこには涙があった。


 あああああああああああ!

 シャナリアが雄叫びを上げて、ディオートンの力を解放する。


「うああああ」とグランナ

「きゃあああ」と紫苑

「ああ! 何てーーー」と千華


 ティリオはマルスへ飛び移り、マルスを抱えてシールドを展開する。


 マルスが

「そんな、シャナリアーーーー」


 あああああああああああ!

 シャナリアは雄叫び、背中から伸びる電子回路の翼を羽ばたかせ飛翔して、どこかへ飛んだ。


 荒れた場でグランナが紫苑に

「アンタは! 何て事を!」


 紫苑が困惑して「ど、どうすれば」


 千華が頭を抱えて

「とにかく、追跡しないと」


 ティリオはマルスを離して、マルスが

「ティリオくん。まさか…また、彼女を…」


 ティリオが苦しい顔をしていると、グランナが

「追いかけるぞ。ティリオ、オレもつき合うぜ」


 ティリオがマルスに

「マルスさんは避難してください」


 マルスは頭を抱えて

「なんで、こんな事に…」


 悲嘆に暮れるマルスにティリオが気が引けるも、グランナが

「オレ達は、オレ達がやれる事をするぞ」


 グランナはティリオのゼウスリオンへ共に乗ってシャナリアを追跡する。


 

ここまで読んで頂きありがとうございます。

続きを読みたい、面白いと思っていただけたなら

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次話を出すがんばりになります。

次回、超越存在の光

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