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星光 第17話 シャナリアの言葉

次話を読んでいただきありがとうございます。

何とか日々を過ごすティリオに、とある女子生徒が話し掛ける。

シャナリアという彼女は、ティリオと会話を交わして


 ティリオは斜面の草縁で横になっていた。

 ティリオが横になるここは、シュルメルム宇宙工業学園である。

 全てが人工的に作られた学園コロニーであり、この芝生の草部も全て環境を操作するナノマシンの一つで、空気を綺麗に保っている。

 そのナノマシン芝生から香る清涼な空気を感じながら空を見上げる。

 六角形の天井が幾つも組み合わさったコロニーの青空。

 それが悪いという訳ではない。

 だが、自然という環境を身近にあったアースガイヤで育ったティリオにとって、少しだけ哀愁を感じているそこへ

「こんにちは…」

 声を掛けてきたのは女子生徒だ。


 ティリオが体を起こして

「ああ…こんにちは…」


 女子生徒は微笑み

「となり座ってもいいかなぁ?」


 ティリオは頷き上半身を起こす

「どうぞ…」


「ありがとう」と女子生徒はティリオの右に座り

「初めまして、シャナリア・エリストです」


「どうも…」とティリオはお辞儀して

「自分は…」


 シャナリアは

「知っているよ。ティリオ・グレンテルくんでしょう。有名人だもん」


 ティリオは面倒くさそうに頭を掻いて

「有名人になるつもりなんて、無かったんですけどね」


 シャナリアが微笑み

「いずれ、バレていたんだろうし…気にする必要ないと思うし、それに…他に有名な人は多いから…」


 ティリオが学園で思い当たる有名人の面子を思い浮かべる。

 ファクド、ルビシャル、グランナ…と。

 その思い出しを何処かへ置いて、シャナリアに

「ぼくに話を…って事は、何か聞きたい事があるんですよね?」


 シャナリアが複雑そうな顔で

「うん。その…聞いても良いかどうか…不安があるんだけど…」


 ティリオが気軽に

「答えられないなら、答えられないって言うんで…いいですよ」


 シャナリアが

「ティリオくんって超越存在なの?」


 ティリオが頭を掻いて

「らしいですね。自覚が全然ないですけど…」


 シャナリアが

「何か、そういう感覚があるの? 超越存在としての…」


 ティリオは困った顔で

「生まれつきそんな感じなんで、特別感はないですけど…。その…遠くまで感じられるって言えば分かります? 何て言うんだろう…そう、遠くにいる人を感じられるレーダーみたいな感覚って言えば良いのか…そんな感じで、その…とある領域を感じられるんですよ。それが超越存在の証らしいです」


 シャナリアが

「上手く説明ができないんだね」


 ティリオが

「すいません。でも、シャナリアさんだって、自分が当然のように持っている感覚とかありません? そんな感じですよ」


 シャナリアが少し俯き気味に

「私は…普通だから、みんなと違う特別な感覚なんて、ないなぁ…」


 ティリオが申し訳ない顔で

「すいません。その傷つけたみたいで…」


 シャナリアが首を横に振り「いいよ」と

「ねぇ…じゃあ、それを…他の人に分け与えるって事はできるの?」


 ティリオが困り顔で

「ああ…父さんみたいにですか? 残念ですけど…出来ません。ジェネレーター(動力炉)のように利用する事は出来ますけど。同じにしろ…なんて、自分には…」


 シャナリアが「そうか…」と頷く。


 ティリオは、この学園に来ている生徒の大半は、超越存在への覚醒を目的としている。多分、自分を頼れば超越存在への覚醒が成されるかもしれないっていう望みを持ってきたのだろう。

「ごめんなさい。ご期待に添えなくて…」


 シャナリアが微笑み

「いいよ。気にしないで…。また、お話できるかなぁ?」


 ティリオは

「はい、何時でも…暇そうだったら話し掛けてください」


 シャナリアは「じゃあ、少しだけ話そう」とティリオとの他愛もない話を交わした。


 それを物陰に隠れて見ているエアリナがいた。


 ◇◇◇◇◇


 エアリナは、すぐにとある三人に連絡を入れた。

 アンタ達の旦那が浮気をしたわよ!と物陰から隠れて撮影したティリオとシャナリアの会話する画像を添付して、ジュリアとナリルとアリルの端末に送信した。


 それを受け取ったジュリアとナリルとアリルは、呆れて首を傾げた。


 ティリオがホームに帰ってくる。

「ただいま…」


 ジュリアが迎えに行き

「おかえり…散歩はどうだった?」


 ティリオが微笑み

「気晴らしにはなった。でも…やっぱり」


 ジュリアが

「やっぱり?」


 ティリオが複雑な顔で

「この学園に来ている人達の目的は分かっている。だからこそ、どんな方法でも…と必死になる気持ちは分からんでもないが…」


 ジュリアが

「何か、それで…」

 玄関のインターホンが鳴らされる。


 ティリオが

「オレが近いから出るよ」

と、玄関の開閉ボタンを押して玄関をスライドさえたそこに、腰に手を当てて胸を張り偉そうな顔のエアリナがいた。


 エアリナの偉そうな態度にティリオが「なんだよ…」と少しムッとした。


 エアリナが

「アンタ、浮気したでしょう」


「はぁ?」とティリオは首を傾げて


「これが証拠よ!」

と、エアリナがティリオとシャナリアが映る端末を見せた。


 ティリオが鋭い目になって

「お前…また、隠れて見ていたな…」


 ジュリアが呆れた顔で

「だってさティリオ。エアリナさんがその話でうるさくて、ナリルやアリルと一緒に無視していたんだよねぇ…」


 ティリオが腕組みして

「はぁ…全く…」

と、盛大に呆れていた。


 エアリナがティリオに迫り

「さあ、浮気をした事を認めなさい! そして、アタシの事も婿って認めなさい!」

 

 最近のエアリナは、こんな調子なのでティリオが頭痛の種を抱えていた。

 エアリナは、ティリオを隠れてストーキングして、女の子と喋っているなら浮気として、何時もこのように迫ってくる。



ここまで読んで頂きありがとうございます。

続きを読みたい、面白いと思っていただけたなら

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次話を出すがんばりになります。

次回、合同のマキナ訓練

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