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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
輝く超越の星光達の始まり
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星光 第6話 前途多難

次話を読んでいただきありがとうございます。

ファクドからの勧誘を受けるティリオだが。

その途中に…そして、ティリオと手を結ぶ者達が…


 ティリオ達は四人は、ファクドに連れられてデュエロタクトのラウンジに来る。

 そこには

「はぁぁぁい」

と、ソファーに座って笑むルビシャル

 ティリオ達を静かに見つめるレリスとグランナがいた。


 ファクドが「さあ…こっちに」とティリオ達を大きなソファーに座らせるとその正面にいるルビシャルが、ティリオ達の席に近づき

「よく来てくれました」

と、ティリオの隣に座ろうとするが、ティリオの両脇をジュリアとナリルが塞ぎ、ルビシャルを遠ざけるようにアリルが入る。

 ティリオとの間が二人分も開いたルビシャルが

「何よ。別に取って食おうなんて思ってないわよ」


 ティリオが全体を見渡すと、レリスだけはティリオを見つめ、グランナだけは静かに視線を外す。

「あの…スカウトって、どういう事ですか?」


 その問いにファクドがティリオの斜めの席に座り

「言う通りさ。君を我らデュエロタクトへ勧誘しに来たのさ」


 ティリオが眉間を寄せて

「でしたら、お断りします」


 ファクドが

「勘違いしないでくれ。我々が行っているデュエロタクトの決闘に君を巻き込むつもりはないわよ」


 ルビシャルが

「それは理事長からキツく禁止って言われているからね。安心して」


 ティリオが困惑気味に

「では、どうして…勧誘を?」


 レリスが

「君を我らデュエロタクト・メンバー会のサポート顧問として勧誘したいから、ここに来てもらった」


 ティリオが首を傾げて

「サポート顧問?」


 ファクドが

「我らメンバー会の円滑な運営を行うのを補佐する顧問として、所属してくれないかって事なんだよ」


 ティリオが首を傾げて

「その必要はないと思いますが…」


 ファクドが冷静に

「そうかもしれない。でも…君は、実戦を幾つも経験している戦士でもある。そして…産まれながらの血族の超越存在だ」


 グランナが口を開く

「どうして、この学園に様々な時空の生徒が集まっている理由、分かるよな」


 ティリオが口を閉じると、ファクドが

「このシュルメルム宇宙工業学園で、優秀な生徒であると認められたら、君の父君が構築してくれた超越存在への覚醒方法で、超越存在にしてくれる。例え超越存在の適正がなく超越存在へ覚醒できなくても、それに近い人工超越存在には成れる」


 ティリオが黙っているとグランナが

「オレ達は、その為にこの学園に来ている。おま…」

 お前と言いそうだったのを呑み込んで

「ティリオ・グレンテル殿が当たり前に持っている血族の超越存在の力は…どこにでもある普遍的な事じゃあない。それを持たない者達にとって、どんな方法でも手段でも良いから、手に入れたい力なんだよ」


 ティリオが沈黙しているとグランナの直球すぎる物言いに苦笑いするファクドが

「ああ…その…とにかく、オレ達が望んでいる事は、デュエロタクトを安全に運用する為の手伝いを一緒にやってくれないかって事なんだ? 無論、君をデュエロタクトには巻き込まない。約束する。だから…」


 ティリオが視線を下にして黙ってしまう。


 これ以上の勧誘は悪影響と判断してファクドがルビシャルにレリスとアインコンタクトする。ルビシャルは肩をすくめて、レリスは淡々と目を閉じる。

 グランナにはその意図は伝わっていない。

 ファクドがティリオに

「今日はここまでにしよう。悪かったね」

 これ以上、粘っても頑なになるだけと…ティリオ達を解放しようとしたが

 ラウンジのドアが開き

「ちょっと! 何、勝手にやっているのよ!」

と、エアリナが怒鳴り込んできた。


 ファクドとルビシャルは、面倒になるという顔と、レリスは冷淡のまま、グランナが少し顔が固くなる。


 エアリナがティリオ達の座る席に来ると、ティリオの手を取って

「残念、コイツは、私が予約済みなの! だから手を出さないで!」


 ルビシャルが「誰が決めたの?」と皮肉感じで告げる。


 それをエアリナは無視して

「とにかく、勝手に引っ張り込まないで!」

と、ティリオの手を引っ張っていき、それにジュリアとナリルにアリルが続いて、五人はラウンジから出て行った。


 五人が去った後、ファクドが

「全く、あのお嬢様は…引っかき回して…」


 ルビシャルがグランナを見つめて

「グランナ…何であんな事を言ったの?」


 グランナが渋い顔で

「本当の事だろう」


 ルビシャルが冷静に

「どうして、ティリオ・グレンテルのような超越存在の卵ちゃんが、この学園に来たと思う?」


 グランナが

「オレ等の上に立たせる為だろう」


 ファクドが

「違う。明らかに彼は…ティリオ・グレンテルは、普通に学園生活を過ごすつもりだった」


 グランナが

「そんな事、信じられると思うか?」


 ファクドが

「そうだ。だから、ティリオ・グレンテルの目的は学園じゃあない」


 グランナが渋い顔で

「どういう事だよ」


 レリスが

「そんなの…調べれば想像がつくはずだ」


 ファクドが

「とにかくだ。ティリオ・グレンテルは、超越存在への覚醒の理論を構築した神の天才、神才の聖帝ディオスの子だ。おそらく…超越存在への覚醒の方法も知っている。だから、保険は幾らでもあった方がいいだろう」


 ルビシャルが

「アンタも期待されて送り出されているんだから。直情的にならずに計算して行動しなさいよ」


 グランナは痛い所を突かれて黙る。


 ルビシャルがファクドに近づき耳打ちして

「ねぇ…例の機関、カレイドが接触して来たら…」


 ファクドが

「そこを押さえても意味が無いだろう。再度、時期を見て再説得だ。貴重な人材だからな」


 ◇◇◇◇◇


 エアリナに連れられるティリオ達、いや、エアリナのお陰で勧誘から救出されたと言った方が良い。

 ティリオが手を引くエアリナに

「ありがとう。助かったよ」


 ラウンジの施設の外に出てエアリナが手を離して

「そう、じゃあ…貸しって事で」


 ティリオが「え!」と身を引かせる。


 エアリナが腕を組み胸を張って

「当然でしょう。これ、貸しね。それが嫌なら、アタシの下に入りなさいよ」


 それを聞いてティリオの後ろにいるジュリアが笑ってしまう。


 エアリナはそれを凝視して

「何よ。笑って…助けてやったのに」


 ジュリアが

「無理矢理に引っ張って行って助けたって。ずいぶん横柄だなぁ…と思ってね」


 エアリナが指さして前に出て

「言って置くけど、アイツら…もの凄く丸め込むのが上手いんだから。気をつけた方が良いわよ」


 アリルが

「経験があるって事ね」


 エアリナが腰に手を当て

「あんな連中と組むより、私と組みなさいよ。私は理事長の娘だし。それに…まあ、あのクソ親父が、アンタ達の」


 ナリルが

「アンタ達じゃあない。名前がチャンとあるわ」


 エアリナが

「とにかく、クソ親父が貴殿達の平穏な学園生活を約束しているなら、それを守る義務も私にあるのよ。だから、私と組みなさい」


 ティリオが

「エアリナさんと組んで、どうするんだね?」


 その問いにエアリナが

「アナタ達は、私を強くするコーチをしてくれれば良いの。それ以上は…望んでいないから。デュエロタクト全員の顧問になるより、私一人の顧問の方が楽でしょう。それに…」

と、エアリナはティリオを見つめて

「ティリオ・グレンテル。貴方しか、私の望みを叶えてくれる人はいないから」


 それを聞いてティリオが

「君のお母様の…」


 エアリナが頷き

「そう。だから…」


「何をしている」と全員から離れた場所から声が放たれる。

 その主は、ヴィルガメスだ。

 ヴィルガメスが渋い顔をしてエアリナに近づき

「エアリナ、お前…また、何か問題でも起こしたのか?」


 エアリナが苛立ち気味に

「そんな事していないわよ! じゃあね! とにかく、予約済みだから」

と、ティリオ達を指さして去った。


 ヴィルガメスは項垂れつつ

「やれやれ、反抗期というヤツなんだろうな…」


 ティリオが

「色々とあるみたいですから…」


 ヴィルガメスが息を吐き

「ああ…そうだ。君達が暮らすホームが完成したよ。後で貴艦を入港させるといい」


 ティリオがお辞儀して

「色々とありがとうございます。理事長」


 ヴィルガメスが

「気にするな。むしろ、こっちが君の力を頼らなければいけないのだから」


 ◇◇◇◇◇


 シュルメルム宇宙工業学園内の居住区で、ティリオ達のホームが完成し、そこにある港にティリオ達が乗ってきた魔導時空戦艦が着艦する。

 ティリオは、ホームの施設に色々と持ち込み。

 とある部屋で荷物を入れている後ろのベッドに、一人の乙女が座っている。

 シュルメルム宇宙工業学園の制服とは違う、何処かの学園のブレザーを着た白桃色の髪をした乙女がベッドに座ってティリオの背中を見つめていると、ティリオが

「黙って見ていないで、何か話したらどうだ? 千華さん」


 ベッドに座っていた白桃色の髪の少女は頬を膨らませ

「千華でいいって」


 ティリオが千華へ振り向き

「入学の手続きは終わったよ。千華」


 千華は立ち上がって

「ずいぶんとトラブル続きで目立ってたじゃん」


 ティリオが渋い顔で

「予定外が多すぎた。今後は気をつける」


 千華が腕を組み

「まあ、いいけど。それよりも…これ」

と、ティリオに差し向けるのは、データが収められた指先サイズのデータ端末だ。


 ティリオは受け取り

「後で確認して置く」


 千華がデータ端末をティリオに渡して

「コピーや移動させようとした瞬間、接続している機器ごと、ショートするから。それと、画面から別に画像で写そうとしても、その写した画面にはデタラメな映像しかないから」


 ティリオが首を傾げて

「どんな情報処理なんだ?」


 千華が微笑み「企業秘密」と言って出て行こうとするが部屋のドアが開き、そこには黒髪の乙女がジュリアとナリルにアリルの三人に捕まっている姿が現れる。


 黒髪の乙女が

「千華、ごめん。捕まった」


 千華が笑み

「やっぱ、紫苑じゃあ、そうなるか…」


 紫苑という黒髪の乙女を連れてジュリア達三人が来てナリルが

「お茶をしましょう。ゆっくりできるでしょう。その方が…十分とお話ができるでしょう」


 千華が苦笑して

「分かったよ」


 ティリオが

「千華、カレイド(万華)は、どう考えている?」


 千華が

「カレイドは、やっぱり…抹殺をしたいみたいね。エリドナ・エア・シュルメルムを…」


 ティリオが複雑な顔で

「封印の人柱になっている人を…か…」


 エリドナ・エア・シュルメルム…エアリナの母親である。

  

ここまで読んで頂きありがとうございます。

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次話を出すがんばりになります。


次回、ティリオの目的

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