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第790話 新たな光

次話を読んでいただきありがとうございます。

一莵との別れ、それに落ち込むティリオ。だが、父ディオスは久しぶりの家族全員のバカンスを計画して家族旅行をする。

そこで、ディオスはティリオをとある場所に連れて行く。それは自分が来た始まりの異世界の地へ


 ティリオに覇気がない日々が続く。


 そんなある日、ディオスは家族を連れてバカンスをする。

 色々と忙しかったので、家族と過ごしたいというディオスの願いで、ディオス達一家の旅行が行われる。

 その行き先は、ダクラスの元だった。


 家族に予定なんてない。バタバタ、その場限りの旅行が続く。

 その宿泊場にダクラスの屋敷が使われ騒がしい。

 大家族のディオス達の騒ぎが続く。


 ディオスを筆頭にソフィア、クリシュナ、クレティア、ゼリティアの妻達。

 そして子供達は、アイカを始めとしてフェル、リティア、アルの年長の子女達は、もう二十歳が目の前、その年長と共にダン、ティダ、シャルも十代後半で高等部だ。

 その下でルーが中等部後期。

 その下の、ティリオ、リリーシャ、ゼティアが中等部初期

 そして、続いてシュリオ、ゼティオ、ティリアに桜花、七海、ディフィオ

 更に下、ティオル、ゼリオ、ディオル、ディアル、娘のシュリア

 もっと下、三歳くらいになった、ティディット、ゼディン、シューリオ、ディソア、ディソニ

 総勢二十七名のお父さんにディオスはなっていた。


 シュリオ達は小学部後年の十一歳なのである程度は大丈夫だが、まだ、六歳と三歳の子供達は騒がしく

「アンタ達、待ちなさーーーーい」

と、リリーシャを筆頭に上のお姉さん達が追いかけて面倒を見て

「アンタ達も手伝う!」

と、ゼティアに引っ張られて、残りの男児達も小さい子達の面倒を見る。


 そんな子供達に囲まれる父ディオスは、小さな息子娘に何をされても怒らない。

 顔を引っ張られるわ、馬乗りにされても怒らない。


 妻達全員がそれを見て思うのは、威厳ある聖帝の姿がそこにはないが、まあいいか…と。


 ティリオは、そんな何時もの騒がしい光景に笑みが零れる。


 そんな大家族のバカンスの最中、一人のお客が来る。

「やあ」

と、来たのはアインデウスとしての格好ではない、普通のラフな格好のアインデウスだ。

 ラフなタキシードのアインデウスを前にディオスが

「すいません。ダグラスさんの所でノンビリとしようとしているの、この現状で…」


 ダグラスの屋敷をディオスの子供達が駆け回っている騒がしさに、アインデウスが微笑み

「いいさ。子供達の騒がしい風景は面白いからな」


 アインデウスとディオスの子供達の距離は近い。

 成長すればアインデウスという敬いはあるが…小さい子供達は、まだ早い

「アインデウスおじちゃん!」

「これ、アインデウスおじちゃん!」

と、かまってかまってになる。

 それをアインデウスは嫌な顔をする所か、喜んで相手をする。

 アインデウスも同じ子沢山の大家族なので慣れたモノだ。


 そんなバカンスのある日、ディオスが魔導機神を取り出して、それにティリオとアインデウス、ダグラスを乗せてとある場所へ飛んでいく。


 その場所は直ぐに到着する。


 そこは、古い遺跡がある山頂だ。

 崩れた石積みがあり、この山頂全体が大きな居城であるという名残を示している。


 ディオスを先頭にティリオ、ダグラスにアインデウスが続き、その山頂遺跡の中心に立つと、そこからダグラスの屋敷と近くにあるバランの町が見下ろせる。


 ディオスが

「良い風景だろう」

と、息子のティリオに微笑みかける。


 ティリオは頷き

「うん。すごく綺麗…」

と、ティリオが見つめる美しい風景、天使の日差しが降り注ぐ山々と町、そして屋敷。

 絵画のような世界が広がっている。

 

 ディオスは懐から魔導端末を取り出して音楽を鳴らす。

 曲は、キタニタツヤのスカーという曲だ。

 それを鳴らしながら、ディオスはティリオの隣に立ち

「ここから、父さんの人生が始まったんだよ」


 ティリオは隣にいる父ディオスを見つめ

「え? どういう事?」


 ダグラスとアインデウスが来て、ダグラスが

「ディオスがこの世界へ来る時に、ここで私とアインデウス様がディオスを発見したのですよ」


 アインデウスが微笑みながら

「今回、訪れた渡り…ディオスはどんな道を歩むのだろうか? そう…思ったよ。当時は…」


 ティリオは空を見上げて

「ここから父さんが来たんだ…」


 ディオスが

「ティリオは、感じるんだろう。なんというか…空の上の向こう側が近い場所を…」


 ティリオは頷く

「うん。何となくだけどね」


 ディオスがティリオの肩を抱いて

「ここから始まった。色んな事があった。ソフィアやクリシュナにクレティア、ゼリティアと、ナトゥムラさん、スーギィさん、マフィーリアさん、レディアン様、色んな人達と出会って、そして、私がここにいて…ティリオ達が生まれて、アイカ達のように出会えて、そして…」


 ティリオは

「父さんは幸せだったの?」


 ディオスが微笑みながら

「ああ…大変な事はあったが。みんなが助けてくれた。だから…私もみんなを助ける。そうして…繋がりが広がった。色んな運命とも出会って…幸せだ」


 ティリオが

「ぼくも、父さんの子供で良かった。だから」


 その先を言おうとするティリオの口に指を当てディオスは止めて

「ティリオ、聖帝の子供とか、私の息子とか、そんなの考えなくていい。ティリオはどうしたい? ティリオが進みたい道を選べ」


 ティリオが

「でも…ぼくは…父さんの…子供で…」


 ディオスは体だけ多くなった息子ティリオの頭を撫でて

「本当に歩みたい道があるなら、ウソをつくな。教えてくれ…父さんに、ティリオの願いを」


 ティリオは涙目で

「ぼくは、一莵を追いかけたい。助けたい! ぼくの友人を親友を冷たい道から救いたい!」

 ティリオの優しい本気に、ダクラスは涙して、アインデウスは目頭が熱くなってしまう。


 ディオスはティリオを抱き締めて

「ああ…なんて最高な息子なんだ。ありがとうティリオ。こんなに優しい息子に出会えて良かった。私の元に来てくれて…ありがとう」

と、ディオスは涙して…

「ティリオ」

と、ディオスはティリオの肩を持ち

「進みなさい。その道を…その気持ちは…正しい。ティリオの望む道を…」


 ティリオは涙して

「ありがとう。父さん…」


 ティリオとディオスの父子の上から祝福のように雲の切れ間から光が差し込み、天使のはしごで照らしていた。


 聖帝ディオスの物語はここまで

 ここから新たに聖なる光を持つ彼のティリオの道が始まる。

 ティリオの道は険しいだろうが、それでもティリオは歩むだろう。

 色んな悲しみがティリオの心に印を残しても、ティリオは歩んでいける。

 ティリオは一人ではないのだから。


 NEXT→輝く超越の星光達へ

ここまで読んで頂きありがとうございます。

続きを読みたい、面白いと思っていただけたなら

ブックマークと☆の評価をお願いします。

次話を出すがんばりになります。


ここで聖帝ディオスの話は閉幕します。そして次の世代である息子ティリオ

新たな光が歩む話へ進みます。

今後とも、よろしくお願いします。

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