第788話 覚醒の聖ゾロアス
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ついに計画を達成させた聖ゾロアス、その礼と称して
聖帝ディオスと衝突を開始する。
そして、ティリオは…
超高次元で極天と繋がるディオスが、無限数の宇宙達より巨大な超大龍樹の攻撃を一莵に繰り出し。
一莵は、自分と繋がる進化の果てから、無限の雲海から数多の宇宙の色を背負った龍頭達を放って応戦する。
その衝突が数多の宇宙達を創造する創造爆発となって、多くの宇宙達を誕生させて、時空群の元へ降り注ぐ。
その宇宙達が降り注がれる場所を上昇する存在がある。
聖ゾロアスである。
レメゲトンの神座を背負う聖ゾロアスがディオスと一莵の衝突の間に現れると、ディオスと一莵の戦いが止まる。
ディオスは、現れた聖ゾロアスを凝視する。
一莵は、聖ゾロアスの隣に来て
「おはよう。おめでとう」
聖ゾロアスは一莵の頭を抱き締めて
「ああ…ありがとう。我が半身にして父にして母にして、兄弟よ」
ディオスが怒りを爆発させる。
「お前等が! オレの大切な子をティリオを!!!!!!!」
全ては聖ゾロアスを誕生する為に使われたと知って、怒りが頂天を迎える。
超大龍樹の攻撃が聖ゾロアスへ向かう。
聖ゾロアスが艶やかな笑みを浮かべ
「聖帝ディオス殿、汝のお陰で私は産まれる事ができた感謝しよう。なので、その怒りに付き合うとしよう。それが礼儀だ」
と、告げた後、聖ゾロアスが一莵を通じて進化の果てと繋がる。
それは、黄金と深緑の龍の鎧を纏う聖ゾロアスのアヌンナキ・ホモデウスであり、超越存在としての力の権化が出現する。
進化の果ての領域から現れた聖ゾロアスの権能、アールディスがディオスの超大龍樹と対峙する。
ディオスが怒りを爆発させて、聖ゾロアスのアールディスへ襲撃する。
無限の龍樹から伸びる龍達の枝、その一つ一つが何百の宇宙を噛み砕く程に絶大だ。
アールディスは、背中の外套を広げる。
そこには、膨大な数の光が広がり、その一つ一つが光の翼を持つ神徒となる。
無限に発生する光の神徒達を従えてアールディスは、ディオスの超大龍樹へ攻撃を開始する。
幾百の宇宙を噛み砕く龍頭達と、宇宙を破壊する神徒達の衝突。
それは、数多の宇宙達を創造して、その宇宙達に神の破片を降り注ぎ、生命を与える。
宇宙創成の破片達と、生命を生み出す神の破片達が混じり合い。
膨大な数の宇宙創造が行われる。
そんな壮絶な戦場の終わりは見えない。
神と生命と世界を生み出す争いは、終わりがなく無限に続くと。
神であった聖ゾロアスがアールディスの中で右手の指を立てる。
その力は、ティリオを核とする竜人に届く。
ティリオを助けようとする北斗の目の前で、ティリオを核とした竜人が消えた。
いや、聖ゾロアスが自分の元へ召喚した。
聖ゾロアスのアールディスと、ディオスの超大龍樹の戦いにティリオを入れた竜人が出現する。
「な…」
と、ディオスは動きを止める。
聖ゾロアスが十字を切りそれに円陣を加えた光の証をティリオが入る竜人へ投げる。
竜人が砕けてティリオの背中に聖ゾロアスの加護が備わる。
ティリオには、二つの加護がある。聖帝ディオスの聖帝の証が右手に、左手には機神人類としての証が、そして…背中に聖ゾロアス、完全なる神人の証が加わる。
「う…」
と、死と生の間にいたティリオが生を取り戻す。
その生命を取り戻したトリガーとして、聖ゾロアスの加護、力が加わっていた。
超高次元で落ちるティリオをディオスは抱き留める。
「ティリオ…」
それを見下ろすのは聖ゾロアスと一莵だ。
聖ゾロアスが微笑み見下ろしながら
「大切にしろ。私も人になったのだから…汝の子を思う気持ちは痛いほどに分かる」
唖然とするディオスの遙か真上から、進化の果ての龍の顎門が墜落して、無限の宇宙より巨大な龍の顎剣に押し倒されアースガイヤの宇宙へ戻る。
アースガイヤでは、聖ゾロアスが創造の息吹から作ったディオートン達が一斉に爆発して戦場を掻き乱し、ディジレーター達はその隙に撤退した。
そして、アースガイヤの上に出来た超高次元への回廊からティリオを抱えたディオスが帰還してアースガイヤに着地した。
ディオスが着地した場所は、かつて…自分が次元を超えてアースガイヤへ来た最初の場所だった。
二百年前の魔王ディオスの跡地。
そこで、ディオスはティリオを…大切な息子を抱えて、空の果てにある消えつつある超高次元への回廊を睨む。
その超高次元への回廊から、聖ゾロアスと一莵、そして…アヌンナキ・ホモデウスの六人、そして…進化の果てが見下ろしていた。
ディオスの元に仲間達が駆けつけた。
そして、一ヶ月後
とある宇宙の宇宙全域まで発達した文明。
その全てを司るシステムの中心にゼキス・マーキスがいた。
ゼキス・マーキスは…聖ゾロアスの加護を受けて人工超越存在としての力を覚醒させた。
ゼキス・マーキスは、この宇宙達を凝視する。
窓から見える風景。
宇宙域を自在に飛んでいく生命達とその乗り物達。
数多のシステムが結晶となった装備と融合したクリスタル知性体達に
「私がしたかった事は…」
ゼキスの望みは叶った。
ヘオスポロスを超える存在、システムを作り出す事。
ヘオスポロスと同等のシステム存在であるヴァラスアルヴァがある。
このヴァラスアルヴァの根幹にあるのは聖ゾロアスだ。
全ては聖ゾロアスの愛を、加護を、狂気で知性体がいる時空達を…
ゼキス・マーキスは
「これが、本当に望んだ事なのか?」
アースガイヤのディオスの屋敷では、ゴールドジェネシスのアヌビス達と、アインデウス達が来ていた。
アヌビスとアインデウスが凝視する者、それはティリオである。
ティリオは上着を脱いで背中を…聖ゾロアスの印、黄金十字の円陣を向ける。
それにアヌビスとアインデウスが触れて
「何と言うことだ…」
と、アヌビスが重く告げる。
アインデウスも沈痛な顔で手を下げる。
その隣にいる父ディオスは二人の反応を見て絶句して苦痛の顔をする。
アインデウスが
「すまないディオス。我が力では…どうしようもない」
アヌビスが
「物質的には、金糸に見る光を放つ皮膚組織でしかないが…この印が持つ根幹は…途轍もなく深い領域まで繋がっている。そして、残念だが…この加護のお陰でティリオは、命を維持されている」
父ディオスは、聖帝としての力を使ってもティリオに繋がれた聖ゾロアスの力をを壊す事が出来ず、自分より神の権能に力を持つアインデウスとアヌビスに頼ったが…。
ティリオは服を着ながら考え事をしている。それにディオスが
「どうしたんだ?」
ティリオは首を横に振り
「なんでもないよ。父さん」
その夜、ディオスはアヌビスとアインデウスの三人で話し合う。
その話し合いはティリオに関してだ。
屋敷の書斎で様々な事を話し合うディオス達三人。
ティリオはベランダに出て夜空を見上げる。
王都から離れている屋敷の夜空は満天で美しい。
そこへ
「ティリオ」
と、声を掛ける彼女達、ジュリア、アリル、ナリルの婚約者達。
ティリオが彼女達を見つめて
「どうしたの?」
聖ゾロアスの事件の後、彼女達はディオスの屋敷に、ティリオのそばにいる。
ティリオを失うかもしれない恐怖の余韻が抜けないのだ。
三人はティリオの隣に来てジュリアが
「何を考えているの?」
ナリルとアリルもティリオの顔を見つめる。
ティリオが背中を触り
「どうして、こんな事をしたんだろうって…」
その答えばかりティリオは探していた。
それから一週間後。
ティリオは通常通りに学校へ通い、彼女達と共に日々を過ごしていた。
一莵が…どうして?と、ティリオの悩みに答えが出ずに…。
だが、その答えは直ぐに…
ティリオ達四人の目の前に、彼と彼女達四人が現れた。
一莵とディジレーター達がいた。
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次回、理由