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第787話 分水嶺が決まる

次話を読んでいただきありがとうございます。

苛烈になるアースガイヤの戦場、ティリオを使って超越存在となった一莵。

それに激怒する父ディオスが超越存在としての力を爆発させて

それが引き金となって聖ゾロアスの計画が動き出す。

 

 そこには、宇宙開闢の戦場があった。


 惑星アースガイヤを下地に、空には別世界を広げるディジレーター(廃棄女神)達とサタンヴァルデウス達の世界を喰らい尽くし合う戦い。

 その上、宇宙と空の境では、全長百キロの天の車メルカバーから降臨する光の巨人ディスカードと戦うセイントセイバー達の閃光の戦場。

 その上、宇宙域にして、メルカバーの下。

 ルビードラゴンとデウスマギウスのアルファティヴァがぶつかる。

 そこは、七色の閃光と無数の質量兵器達が飛び交う。

 七色の閃光はルビードラゴン、無数の質量兵器達はデウスマギウスのアルファティヴァがデウスマギウスから創成している。

 

 その合間を縫うように北斗と、ティリオを格納したコアを持つゾロアスの竜人がぶつかる。

 北斗は、無数のイースピアの銃身を従えて竜人を攻撃するも、その攻撃全てが吸収されて竜人が体皮から豪速の隕石を噴出して攻撃する。

 それを北斗は、イースピアで打ち抜き防戦しつつ取り込まれたティリオを助け出す方法を探っていた。


 その戦場達の上、遠方宇宙域では…二柱の惑星サイズの超龍帝(ドラグラー)、ディオスの赤き翼のドラグラーと一莵の黒きドラグラーがぶつかっている。

 惑星サイズの両者の攻撃は、その一撃一撃が惑星を粉砕する程に強大で苛烈だった。

 ティリオを利用されて殺されたと嚇怒するディオス。

 新たな超越存在として覚醒した冷静な一莵。

 動と静のぶつかり合い。


 全体を見ると一枚の天と地のような芸術画のようだ。

 その多層の戦場の周囲を聖櫃が回る。


 まるで、何かを編み込むように螺旋状の動きをする聖櫃。

 それは、準備であった。

 神格と超越存在との戦いによって、時空の変移、超高次元への回廊を形成する為に戦場から漏れ出す超越存在のエネルギーを収束していた。


 全てはメルカバーにいる聖ゾロアスの思惑通りに進んでいく。

 あと少しで…天頂の門が開く。


 一莵のドラグラーと戦うディオスのドラグラー。


 ヴォオオオオオオオ!

 ディオスの赤き翼のドラグラーは怒りの咆哮を放つ。

 桜花の時と同じく、自分より大切な命、子を奪われた怒りで理性がブレーキが消し飛んでいた。

 際限なく超越存在としての力を呼び込み、それが極天がある超高次元への回廊を形成する。


 惑星アースガイヤの遙か上、そこに超高次元への回廊が出現する。

 それに向かって聖櫃が安定化させる二重螺旋の光を放つ。

 左右対称で回る光の二重螺旋の回廊を二柱の赤と黒のドラグラー達が昇っていく。


 そして、超高次元へ到達する。


 宇宙、時空達が最小の砂粒となる世界、その上には黄金の空と太陽が広がり

 永遠と無限、絶大と超絶が同じ場所になる全なる一の領域。


 そこで、ディオスのドラグラーは更なる超越存在としての力を呼び出す。

 それは、ディオスと最も深く繋がる□□□□□(魔導天)だった。

 ディオスのドラグラーの背後に、超高次元を呑み込む程の巨大な樹が出現する。

 その巨木の枝は全てが龍の頭部であり、中心である幹も装甲の龍神だ。

 膨大な数の宇宙達を下にする魔導天の超大龍樹。


 その光景を遙か遠方で見つめる者がいた。

 シンイラの王神、ガオス・カスパールだ。

 ガオス・カスパールが座する王座は、シンイラが主を執る宇宙群で構築されている。

 その宇宙群、時空群の座でガオス・カスパールはディオスと一莵の衝突を見つめ

「やはり…防ぐ事はムリであったか…」


 ディオスは、自分と繋がる極天と接続する。

 極地顕現。

 魔導天の超大龍樹から無数の龍の顎門が一莵のドラグラーへ襲いかかる。

 惑星サイズである一莵のドラグラーが砂粒になる程の巨大な龍の顎門達。


 だが、一莵に焦りはない。

「これを待っていた」

 一莵のドラグラーが何かと接続する。

 その繋がる背後。

 それは、六つのホモデウス(神人)の神座達であった。

 アヌンナキ・ホモデウスの六柱が一莵のドラグラーと繋がる。

 かつて、信長とユイの時に、ディオスが救世全煌帝(ヴァルゼリア)でアヌンナキ・ホモデウスの六柱との縁を破壊した筈だった。

 それが一莵という超越存在を通じて、再び繋がろうとしていた。


 アヌンナキ・ホモデウスの六人が嬉しげな狂気の笑みを浮かべる。

 そして、アヌンナキ・ホモデウスの六柱の背後にある極天、進化の果てが繋がる。


 魔導天と進化の果ての二つの極天が相対した。


 それによって、アースガイヤに浮かぶ聖櫃が激しく輝く。

 まるで、太陽が誕生したかのように目映い光を放つ。


 それをアルファティヴァが見て

「ははははははは! 我が願い成就せり!」


 アルファティヴァと戦っていたルビードラゴンが青ざめる。

「そんな…」


 

 聖櫃の光がメルカバーへ降り注がれると、百キロのメルカバーが鋭くねじれて細くなり聖櫃の中へ吸収される。


 百キロという超弩級の存在が人サイズの結晶の棺、聖櫃に全て吸収される。


 聖櫃の周囲に何かが現れる。

 空間から黄金の光をばら撒き、それが何かの存在を構築する。

 七つの何かが出現する。

 まずは、空間に黄金の光文字が浮かぶ。

 それは…かつて、神と人を最も理解した者達の言霊だった。

 その者達の名を冠したレメゲトン(黄金叡智書)が構築される。


 黄金に輝く円形と長方形が合わさった七つの石版。

 

 アラン・スミス…名を冠しない者、AS

 ザヒール・アザド…知恵の盲者、ZA

 ユキヒト・ツゲ…悲しき覚者、YT

 ジークハルト・ファーレス…罪罰を理解する孤高者、GF

 マリア・エーキント…愛を知る聖者、ME

 マリア・エージリット…人の本質を知る愛者、MAE

 MY…世界の叡智に接続する者。


 七つの黄金叡智の石版、AS、ZA、YT、GF、ME、MAE、MYと刻まれたコアを光らせて聖櫃の周囲を回る。

 そこから膨大なエネルギーが放たれて光輪となり。

 そして、聖櫃が開く。

 天の車という叡智の結晶、完全なる神の機械を人へ、神人へ、アヌンナキへ昇華させた。


「ふふふふははははははは!」


 聖櫃から出現した男は喜び歓喜する。

 黄金の髪に黒毛を後頭部に備える彼は、ホモデウス(神人)しての産声を放つ。

 ここに、アヌンナキ・聖ゾロアスが誕生した。


 聖ゾロアスが産声で歌い出すと、空間から存在が出現する。

 歌が光となって、光から存在が出現する。

 なり損ないのディスカードではない、ディオートン(完全なる御使い)である光の翼と光輪を持つ巨人天使達が創造される。


 聖ゾロアスが右手を挙げると、聖ゾロアスの誕生を手助けした七つのレメゲトン達がその手中に収まり、聖ゾロアスの中へ入り、その背中にレメゲトンの真理で構築された魔方陣、いや神座が備わる。黄金と輝く金糸で編み込まれたクリスタルな神座を背負う。


 神座を背負った聖ゾロアスは、上を…自分を誕生させる為に超高次元の力を呼び込んだディオス達の回廊を見上げて

「お礼をしなければな…」

 飛翔して、超高次元への回廊に入った。

 同時に聖櫃も引っ張れて、またしても超高次元への回廊から何処かの世界へ飛んでいった。



ここまで読んで頂きありがとうございます。

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次話を出すがんばりになります。


次回、覚醒の聖ゾロアス

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