第783話 ディジレーターとの戦闘
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驚愕の事実と共にディジレーター巴の世界に押し流されたディオス達。
その戦いは…
ディオスと一樹のブラック・デスは、突如、出現した永遠と続く海岸と、それを走る武士達の騎馬隊に押し流されてメルカバーから離れていく。
「邪魔だぁぁぁ!」
と、ディオスはゴットディオンアーマーから攻撃の光の波動を放って押している騎馬隊を破壊する。
ディオスを押す騎馬隊は、砂で出来た彫像のように砕け散った。
それは一樹のブラック・デスも同じく、胸部の攻撃光線砲を開いて拡散光線で薙ぎ払うと、砂のように砕け散った。
そして、ディオスと一樹のブラック・デスは宇宙の海岸線というデタラメな場所に着地する。
宇宙空間なのに、まるで海岸、波と砂浜がある境のそこにいる感覚がある。
ディオスと一樹の目の前、そこには黒き馬に乗り槍を持つディジレーターの巴と、その後ろには膨大な数の武士と甲冑の騎馬隊の姿ある。
ディオスはゴットディオンアーマー・マハーカーラーの神域知覚で周囲を探る。
「クソ…」
と、呟く。
神域知覚が、そこには大気があると同時に真空のような状態も存在するという矛盾が成立している事を示していた。
もし、アヌンナ・アルダ・メルキールの創ったデウスエクスなら自分達の内世界に取り込むので、そんな矛盾は起こらない。
その矛盾が通る現状という事は、目の前に現在の事象を起こしている存在が…ヒトに神宿りをさせていない存在という事だ。
そして、ディジレーター巴の隣にアルファティヴァが降り立つ。
アルファティヴァはディオスに向かって笑む。
アルファティヴァは、ディジレーターと違う。
ヒトだった者で、ディオスと同じデウスマギウスと…。
アルファティヴァが
「どうかね? 私の構築した理論は…救世全煌帝、救済の願い様…」
と、ディオスに嘲笑を向ける。
ディオスは答えず戦闘態勢へ構える。
その反応にアルファティヴァはつまらなそうだが、背中からデウスマギウスの四対の装甲腕を伸ばし
「では、私も参戦しよう。これで同数で平等だ」
一樹が
「そっちが多勢に無勢だろうが…」
アルファティヴァが
「これはディジレーターの能力であって多勢ではないのだよ」
巴は静かに鋭い視線で一樹のブラック・デス、その操縦席にいる一樹を見る。
その視線に一樹は気付き
「な、なんだ? オレに…何かあるのか?」
巴はフッと笑み
「いや、ただ…お前は情けないヤツだなぁ…と思ってな。子供も救えない、妻も娘も救えない。クソ餓鬼のように相手から奪うだけの、チンピラが…よく…吠える」
ディオスは一樹を凝視する。
一樹の事は一莵の事で知っていた。剣術だけが強い、どうしようもないクズ。
これは挑発だ。
アルファティヴァも動きを止める。
この挑発に一樹が乗れば…有利だと。
一樹は息を吐き
「そうだ。その通りだった。オレはクズだったさ。だからこそ…今度こそ…死んで黄泉返りしたからこそ…。一莵を救って見せる」
ディオスは安堵する。どうやら挑発に乗らなかったようだ。
巴が鋭い顔で
「なるほど、バカは死なないと治らない。まさに死して地獄に落ちて治ったか…」
と、告げた瞬間、自分が乗る馬の腹を叩き走らせる。
それにアルファティヴァも続く。
巴が呼び出した騎馬隊の軍勢と海岸がディオス達に迫る。
ディオスが隣にいる一樹のブラック・デスに
「今は、共闘という事で」
ブラック・デスが剣を構えて
「了解だ」
と、一樹が答える。
巴が召喚せし世界を伴って突撃する。
それにアルファティヴァが飛んで続く。
ディオスは、一樹のブラック・デスの後ろに浮かび、数多の魔方陣、マジック・ジェネシス・スカイを展開する。
膨大な数の攻撃魔法の魔方陣の巨大翼を背負うブラック・デス。
突撃する巴達を待ち構える。
それを見てアルファティヴァが
「なるほど、超越存在の力は切り札に…という事か」
巨大な魔方陣の群体の翼と、膨大な数の騎馬隊と海岸の世界がぶつかる寸前。
巴達の前に幾つもの光が降り注ぐ。
そして、巴とアルファティヴァの軍勢が止まったそこへ
「久しいな…アルトラ…」
と、鉤爪のように構えるシンイラのアマカスが現れた。
アルファティヴァが渋い顔をして
「キサマか、狂った軍人が…」
アマカスは肉食獣の笑みをする。
え…と困惑するディオスの隣に
「大丈夫ですか?」
北斗が現れる。
ディオスが
「北斗くん。どうして?」
北斗が複雑な顔で
「本当は、協定とか色々と許可を取らないといけないのですが…今回は…」
と、北斗はイースピアに弾丸を込めて巴達に放つ。
それは一瞬で無限の弾丸達に変わり、光の槍となり巴達を襲撃する。
その光の槍の軍勢を背にアマカスがアルファティヴァと巴に突進する。
アマカスが両手に蠢く闇を伴って巴の召喚した世界を切り裂く。
そこへ北斗が発射した光の軍勢が襲いかかる。
巴が渋い顔をした次に
「退却するぞ」
アルファティヴァも頷き
「ええ…頃合いでしょう。シンイラと…メガデウス世界の主が来たのですから」
巴が召喚した世界から大洪水の海を呼び出してディオス達に襲いかからせる。
それを応戦するアマカスと北斗だが、その間に巴とアルファティヴァが消えた。
海辺と騎馬隊の世界が消えて、元の宇宙空間があった。
アマカスが北斗と共にいるディオスの元へ来る。
ディオスが
「どういうつもりだ? なぜ、シンイラが…」
アマカスが腕を組み
「我々も看過できないという事だ。まあ、そもそも…我が王神が警告をキサマに与えたのに…」
ディオスは渋い顔をして
「それは…そうだが…」
アマカスが別方向を見ると
「ともかくだ。少し対策を練らんといかんな」
と、見た方向には、セイントセイバー達がこちらへ向かってくる姿があったが、その彼ら彼女達に損耗があった。
そして、その彼ら彼女達セイントセイバーを連れているのは、雷御と同族のシンイラのサタンヴァルデウス達だった。
ルビードラゴンがディオスの元へ来て
「すまん。攻撃は出来るが…応戦は…」
と、語るルビードラゴンの所々にダメージがある。
ディオスが頷き
「とにかく、アースガイヤへ戻ろう」
ディオス達は撤退するしかない。
それを迎えるかのようにディオスが乗ってきた自動運転の魔導戦艦が到着した。
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次回、聖ゾロアスとは?
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