第776話 ルビードラゴンの調査
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ルビードラゴンはディオスに中山 雅人の遺体の疑問点を伝える。
それをエルディオンの艦橋で聞いたディオスが困惑で
「え? 時間がずれている?」
ルビードラゴンが頷き
「そうだ。遺体の時間がずれている。言葉の通りだ」
ディオスの隣にいるナトゥムラが
「意味が分からない。言葉の通りって…」
ルビードラゴンが
「時間の性質については知っているか?」
ナトゥムラがディオスを見つめる。こういう説明はディオスが得意だ。
それを察してディオスが
「時間は、重力や量子効果、時空の性質によって延び縮みするし、経過の速度も変わる」
ルビードラゴンが
「それは進み方の進捗であって、時間は、その時空固有の波動を伴っている。重力や量子効果、物質、エネルギーの進み方が違っても、その時間固有は、その時空で決まっている。それ故に光速不変の法則が成り立つ。光が約秒速三十万キロな理由は、その時空にある時間固有があるからだ」
ディオスが頭を掻いて
「だから、何が言いたいんだ?」
ルビードラゴンが
「あの、首謀者の遺体、時空の時間固有波動のズレが生じている」
ナトゥムラが
「未知な支援者との交渉で、この時空とは別の時空へ行ったなら、ズレがあってもおかしくないだろう。時空同士は時間のズレがあるんだから」
ディオスは
おお…ナトゥムラさんのこういう所が鋭いのが良い。
と、思っているとルビードラゴンが
「違う。別時空へ行った事でのズレじゃあない」
ディオスが渋い顔で
「ええ? 本当にどういう事だ?」
ルビードラゴンが
「言葉の通りだ。ズレだ。この時空にいながら、この時空での時間がズレている」
ええええ…とディオスとナトゥムラは、更に困惑する。
ルビードラゴンが伝える方法を暫し考えて
「要するにだ。あの遺体だけ、この時空から完全に切り離されて、時が完全停止していた。という事だ」
ディオスとナトゥムラは、それでやっと意味を理解して、ディオスが
「何かの重力を使った物理装置の痕跡は?」
ルビードラゴンが首を振り
「それなら重力子の加速が出るはずだが…ない」
ナトゥムラが
「俺等の知らない技術の可能性は?」
ルビードラゴンが眼を細め
「そっちの方が可能性が高い」
ディオスが顎に手を置き
「今回の事案で、技術を提供した者達は…我々の技術を複合的に組み合わせて使う程の力を持っている。なら…そういう装置ないし技術を持っていてもおかしくない」
ナトゥムラが
「それじゃあ、連中の目的はなんだ? 革命やらに偽装してアースガイヤへの再侵攻を考えていたヤツに力を貸して、何の得があるんだ?」
ルビードラゴンが沈黙する。
その答えが浮かばないからだ。
ディオスが鋭い目で
「テスト…つまり、自分達がどれだけ…相手に出来るか、というテスト…」
ナトゥムラが
「ちょちょ…これがテストなら、どんな規模の…いや、待て、今回の事案を試金石にしたってなら…」
ルビードラゴンが鋭い目で
「つまり、これよりもっと大きな事態が起こるかもしれない…と」
それを聞いてナトゥムラは青ざめて、ディオスは苛立ちで顔を歪ませた。
そして、中山 雅人の遺体を再びルビードラゴンが調べる。
といっても中山 雅人の遺体からエネルギー反応を見るだけであって解剖はしない。
ルビードラゴンは遺体安置で、中山 雅人の遺体を額のサードアイで観測して、残留しているエネルギーを調べて、確信に変わった。
時間固有のズレが起こっている。
おそらく、三ヶ月前に中山 雅人は殺されて、殺された瞬間に時間を完全停止された。
その報告をディオスに上げて、ディオスはそれを日の本星系区の政府に渡すも、日の本星系区の政府及び官僚各所は、自殺という線で終わりにさせた。
ディオス達の疑念は、受け止められずに…。
そして、ヘイムダムガッツオーは、アースガイヤへ回収される事になった。
その素材やシステムを詳しく調査される為に…。
ヘイムダムガッツオーがアースガイヤの軍勢達の時空艦隊に運ばれるのを遠方のネットワークから見るディジレーター達。
奈瑞菜が
「予定通り、ヘイムダムガッツオーはアースガイヤに回収されたわ」
巴が
「これで布石の一つが置かれた」
ジャンヌが
「後は、時期を待つだけ…」
先輩の少女が
「楽しみだな…その時が」
一莵が
「そう、彼の創世の為に…完璧なる者達のね」
ルビードラゴンが見つけた疑惑、それを更に調査する為にルビードラゴンは
次回、疑惑と続き