第774話 エンディングの役者
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人は、なぜ…罪を犯すのか?
それは、罪を犯す罪人でさえ、自分は正しい、これは当然なんだ。これは正しい行いなんだ。そうして罪を犯す。
だからこそ、神は、人に知恵ではなく善悪の実を与えた。
己の悪を理解させる為に。
― アーベル型ナノマシン加工機を生み出したMY―
ディオス達、アースガイヤの軍勢が日の本星系区へ到着すると、日の本星系区の主要地区へ拡散しつつ、エルディオンの周囲に先陣の戦力が集まる。
そのエルディオンの周囲にゴールドジェネシスの時空艦隊の翡翠の時空戦艦が並び、それ等を連れてエルディオンは出発する。
向かう先は、ステルスに隠れる上空にある十キロ級の存在だ。
機神型時空要塞戦艦エルディオンが機神に変形する。
翡翠の頭部を持ち、白き翼を持つ千メートルの機神に変貌する。
その周囲に、ゼウスリオンの機体達と、ゴールドジェネシスの時空戦艦が周回して続く。
その変形したエルディオンの頭部艦橋にはディオスがいる。
ディオスは、全体が見える最上位席に座り、その下に広がるオペレーター席は全てが全自動で動く。
ディオスの隣には、ナトゥムラが立ち並び移動するエルディオンの画面を見つめる。
他のセイントセイバー達、ネオデウス組の奈々と綾妃、悠希、愛、朱里の五人はネオデウスのフル装備、エクセレント・アーマーを展開してエルディオンに併走する。
ユリシーグ、ラハトア、阿座、ルビードラゴンは、エルディオンの各部の攻撃端末の所に立ち、エルディオンに乗って移動する。
無論、神鎧であるゴットディオンアーマーをユリシーグやラハトアは展開装備して、阿座は自身の融合装備達を展開していた。
アーヴィングと洋子は、都市部に配置され各地の部隊の取り纏めをメルディオルと共にしている。
その部署となっている施設の通信がディオスに届く。
アーヴィングの顔が映る立体画面がディオスの空いている左に投影されて
「ディオスさん。例のステルスの存在に動きがあった」
と、その画像を投影させる。
ディオスは、その映像を睨む。
日の本星系区の赤道にある大洋の上を飛んでいるステルスの存在が、その姿を現す。
巨大な円柱型の物体で、そこから蜘蛛の巣のように円錐の物体を広げている。
その姿は、ラーの眼のような形だ。
全長十キロのラーの眼のような浮かぶ建造物。
その画像は、宇宙域から捉えるレガリア時空の部隊と、その近くにあった海洋探査ドローンの両方だ。
ラーの眼のような浮かぶ建造物から、細々した存在が放出される。
それは、海上施設を破壊した機械兵の軍団だ。
エルディオンの艦橋でディオスは、展開される機械兵達を見て苦しそうに目をつぶる。 その隣にいるナトゥムラが
「ディオス、あの兵器に関しての」
ディオスが冷静だが苦しそうに
「回収した同型機から、弱点と攻撃を防ぐ方法を探り出している。全部隊にその対処方法と情報は転送済みだ」
ナトゥムラが頷き
「そうか…」
そして、戦闘が始まった。
ラーの眼のような巨大空中要塞ヘイムダムガッツオーから放出された機械兵…アームメタル達が一斉にアースガイヤの軍団へ襲いかかる。
空間を削り取って消滅させる攻撃を放つアームメタル達だが、それに対しての防壁を構築できるゼウスリオン部隊やゴールドジェネシスの時空艦隊、レガリア時空の部隊が対処する。
アームメタル達は、攻撃を繰り出すも防がれて撃墜される。
それでも膨大な数のアームメタル達が放出されている。
ナトゥムラがその映像を見て
「一体、幾つ中に入れてやがるんだ?」
ディオスが「見ろ」と撃墜されたアームメタルを拡大すると、撃墜されたアームメタルが瞬間移動して消えてしまう。
「おそらくだが、破壊された場合は即座にあの要塞へ転移させられているんだろう」
ナトゥムラが渋い顔で
「何度でもリサイクルされるって事か…」
ディオスが鋭い顔で
「今の所はな」
そう呟いた瞬間、強大な閃光が機神化しているエルディオンへ向かう。
当然、エルディオンは防壁を展開して閃光から身を守ると、その防壁に四つの小さな点が衝突して、防壁を展開するエルディオンが後退する。
その四つの点は、ディジレーターの先輩の少女、奈瑞菜、巴、ジャンヌだった。
それに外で戦うネオデウス組の彼女達が向かおうとするが
「オレ達で対処する」
と、阿座が呼びかける。
ネオデウス組の彼女達は、アームメタル達の戦闘へ戻り、ディジレーターの四人はエルディオンの右肩へ着地すると、その目の前にユリシーグ、ラハトア、阿座、ルビードラゴンの四人が来た。
先輩の少女が
「じゃあ、お兄さん達、アタシ達と遊んでよ」
ユリシーグ、ラハトアは神鎧であるゴットディオンアーマーで、阿座は融合装備達を展開、ルビードラゴンは右手の赤く燃える剣と左手に斧の手甲に深紅の鎧に身を包む。
ディジレーターの四人は、両手にエネルギーを集中させると、各々の巨大装甲武器へエネルギーを変貌させて装備する。
先輩の少女は、両手に握る数メートルの銃剣。
奈瑞菜は、巨大なライフル銃。
巴は、巨大な剣を握る右手の鎧と剣の翼。
ジャンヌは、足にスラスターとガトリングが合体した装甲と両手に巨大な槍を握る。
ゴットディオンアーマーをユリシーグとラハトアが先行、それに阿座とルビードラゴンが続く。
四人のディジレーター達は散会して四方から、彼ら四人を襲う。
エルディオンの周囲に爆発と閃光が煌めく。
ディジレーター達とセイントセイバー達のぶつかり合いが起こっていた。
その様子をディオスは静かに見つめる。
セイントセイバー達が押されている訳ではない。
かと言って勝っている訳でもない、拮抗だ。
ディオスのアシストは、加味されていない。
セイントセイバー達は、相手の正体を探る為に相手に力を出させるように戦っている。 だが…
「ひゃほおおおおぃ」
と、喜んで戦っているディジレーターの先輩の少女の様子を見て、こっちと似たように探り合いの戦いをディジレーター達はしているのが見えた。
爆発と閃光が幾つも咲き誇っているのに、どこか予定調和な戦闘がそこにあった。
ディオスがエルディオンの艦橋で
「腹の探り合いか…」
と、鋭く呟く。
別の頃、牧山は一人、軍施設の保護区にいた。
そこの公園で一人、ベンチに座っていると
「アナタは、そのままで良いのですか?」
と、呼びかけるサングラスを掛けた青年がいた。
牧山がその青年を見つめ
「アナタは?」
青年が
「中山様より、伝言と装備を預かっています。アナタに渡せと…」
ディオス達の部隊が戦闘する中、牧山を乗せた機体がヘイムダムガッツオーへ入り
そこには…
次回、疑惑の閉幕




