表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
771/1109

第770話 迷宮への誘い

次話を読んでいただきありがとうございます。


 なぜ、罪を犯すのだろうか? なぜ、過ちを犯すのだろうか?

 なぜ、失敗するのだろうか?

 それは人が持つ基本だから。人は必ず過ちを犯す、失敗する、後悔をする。

 それが人にとって備わっている機能なのだから。故に許しなさい。

 人は不完全なのです。


              ―マリア・エーキント―



 ディオスは、エルディオンの艦橋にある席に座って深呼吸する。

 ホントに助かった。

 アースガイヤのみんなが来るのは、早くても二日だと思っていた。

 なにせ、日の本星系区の超空間ネットワークの接続部が破壊されているのだ。

 超空間航行や、超空間ネットワークを使った通信も出来ない。

 故に近くの惑星や星系に出て、超光速航行で来るとしても二日は掛かるはずだ。

 それが…。

「本当に助かったよ」

と、ディオスは安心して椅子に深く座る。

 

 隣にいるナトゥムラが

「ソフィア陛下が、お前との通信中が突如に途絶して…ヤバいと判断して、早急にオレ達だけでも先行させたんだ」


 阿座も近くにいて

「運が良かったですよ。日の本星系区の近くにある廃棄された資源衛星に、超空間ネットワークの接続が残されていたので、それを経由してここに来る事が出来ました」


 ナトゥムラが

「何にせよ。お前とラハトアが…無事で良かったよ」


 ディオスが皮肉な笑みで

「ギリギリだったけどね」

と、立体映像を投影させる。


 その立体映像には、破壊された機械兵士を分析したデータが載っていた。


 ナトゥムラが

「それが例の…」


 ディオスは頷き

「ああ…使われている素材、その他のシステム、今までにない技術だが、類似するモノはある」


 阿座がデータを見つめて

「アレですね。アヌンナキ・ホモデウスのアルダ・メルキオールのエクスデウスと似ていますね」


 ディオスも頷き

「その通りだ。そして、他にも北斗達、メガデウス人類の技術と似た部分もあるが…この動力を司っていたコアが…」


 ナトゥムラが鋭い目で

「ロアデウスの技術があると…」


「そうだ…」とディオスは頷く。


 そこへ、ルビードラゴンが入ってきて三人の元へ来る。

 ディオスが

「悪いな、分析を任せて…」


 ルビードラゴンが肩をすくめて

「気にするな。ディオスは大変だったのだ。少しは休んだ方がいい」

 そして、データの入った端末をディオスに渡す。

「これが調べたコアの構造だ」


 ディオスが受け取った端末から、立体映像のコアの分解図が出る。

「神格炉の技術が混じっているなぁ…」

と、ディオスは呟く。


 ルビードラゴンが

「ロアデウスの持つ物質を変成変異させる技術、アースガイヤの高次元のエネルギーを利用する神格炉の技術、そして…ヘオスポロスにあるネオデウスナノマシンの技術、それが合わさってコアが構築されている」


 ナトゥムラが

「オレ達が関係した世界や時空達の技術、てんこ盛りってか!」

と呆れて肩をすくめる。


 ディオスは額を抱えて

「問題は、その技術達を統合できる人物か、存在がいるって事だ」


 阿座が

「ディオスさんとラハトアを襲撃した。二人の女性は…」


 ディオスが額の閉じたサードアイの部分を触りながら

「その統合した技術の最高峰の塊だろうな」


 ルビードラゴンが

「サイボーグ…いや、人型ゴーレムのような部品の塊ではなく、複雑で緻密な存在。新たな生命といえるか…」


 ナトゥムラがディオスに

「勝算は?」


 ディオスが額を抱えて

「人手も武器も、対処装備を作る生産する装置も足りない」


 阿座が

「どのくらいの戦闘力だと思いますか?」


 ディオスが苦しそうな笑みで

「軽く惑星一つを半日か、数時間程度で壊滅できる戦闘力はあると見た方がいい」


 ルビードラゴンが

「人サイズの惑星兵器か。コストがいいなぁ…」


 重い沈黙が全体に広がる。


 ディオスが頭を面倒くさそうに掻いて

「さて…どうしたものか…」


 ナトゥムラが

「お前の報告通り、今回の事がアースガイヤに関係するなら、何とかする必要はあるが…」


 ルビードラゴンが

「不用意な介入は遺恨を残す。面倒もな…」


 話し合っているそこへ「あの…」と牧山が来た。


 ディオスが牧山を見つめ

「どうしました?」


 牧山が苦しそうな顔で

「今回の首謀者の人と知り合い…いえ、その…」


 ルビードラゴンが

「何か事情でも?」


 牧山が意を決して

「今回の事件を起こしている中心人物と、私は…特別な関係にありました」


 えええ…と無言の驚きがディオス達を包んだ。



解決がない事態、そこは迷宮に落ちていくようだ

次回、思惑の推測


続きを読みたい、面白いと思っていただけたなら

ブックマークと☆の評価をお願いします。

次話を出すがんばりになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ