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第765話 裏側サイド 後編

次話を読んでいただきありがとうございます。


 アースガイヤへ帰還する龍機戦艦の中でティリオが

「父さん、どうなるんだろう?」

と、席にいて移ろう窓を見つめていた。


 隣の並ぶ席にいるリリーシャとゼティア、リリーシャが

「問題になったんだから…一度、アースガイヤの帰ってくると思うわ」


 ゼティアも

「パパに任せれば問題ないって。アタシ達の仕事は終わったのよ」


 ティリオが

「判別不能な未知の兵器の可能性があるって事は、信長兄さんの時のように…」


 それを聞いてリリーシャとゼティアが困る顔をするも、メルディオルが来て

「心配ない。そんな時でも君達のお父さんが何とかしたろう。多くの人の力を借りて、何とか解決したじゃあないか」


 リリーシャが

「そうだよ。心配ないって」


 ティリオが頷き

「そうだね…」

と、窓の外を見ると自分達が帰還する龍機戦艦と交差するように別の宇宙戦艦が外宇宙へ向かった。


 ティリオ達が乗る龍機戦艦は、アースガイヤ星系を守るイージスシールドの上を走るアルガイヤ号へ向かう。そこからアースガイヤ星系に入る。

 龍機戦艦と交差したのは、アルガイヤ号で乗り換える外宇宙民の宇宙戦艦で、何処かの銀河系へ帰還する。

 その何処かの銀河系へ帰還する宇宙戦艦の客室には、一莵と奈瑞菜が乗っていた。


 一莵は窓から見た龍機戦艦を見つめていた。

 一莵はティリオの気配を龍機戦艦から感じていた。




 ディオスは、ラハトアと共に日の本星系区の惑星の衛星軌道にある宇宙港へ向かっていた。

 その宇宙港へは、直通で繋がる軌道エレベーターがあり、そのエレベーターを走るリニアにディオスとラハトアが向かい合って座り

「全く」

と、呆れと怒りを放っているディオスを前にラハトアが

「仕方ありませんよ。向こうが拒否するなら、我々は」


「分かっている」とディオスは告げて

「だからこそだ。後で…とんでもない事になっても」


 唐突に振動がディオス達が乗るリニアを揺さぶる。


 宇宙リニアがゆっくりと減速する。


 ラハトアとディオスは視線を交差させ、自分達が乗る客室から出るとそこには混乱する車中があった。

 宇宙を登るリニア途中で軌道エレベーターが破損しても、宇宙船に切り替わるので問題はない。


 ディオス達が感じた振動、それは事故的な振動ではない。

 何かが爆発した時の振動に似ている。


 ディオスとラハトアは、急いで先頭へ向かい正面の景色を見る。

 幸いにも、リニアは宇宙船モードに移行して、このまま日の本星系区へ強制的に帰還するが、その前に先の宇宙に浮かんでいる宇宙港が、爆発して砕けていた。

 

 宇宙港の宇宙戦艦や宇宙船が発進するゲート達が粉砕され、そこにあった宇宙船や宇宙戦艦に被害が拡大していた。

 巨大な水晶のような力場に守られるスフィア型の宇宙港の中で炎上する様子が見える。


 それをディオスにラハトアが見て青ざめる。


 ラハトアが

「何が起こっているんですか?」


 ディオスが鋭い顔で

「これは…ヤバい予感がする」




 ディオスとラハトアは、引き返すリニアに乗って日の本星系区へ戻った。

 宇宙船になったリニアは、指定された安全区に着陸して、ディオス達が降りると、その周囲も同じく宇宙船になったリニアがあり、そこから人々が降りて来る。


 ディオスは急いでアースガイヤに連絡する為に通信できる施設へ向かう。

 それにラハトアも続き、まず…自分達の無事を家族へ伝える事にした。


 宇宙間超空間ネットワークの通信ビルの通信の一室で、ディオスがアースガイヤ星系との通信を開く。

 その開いた先は、軌道エレベーター式コロニーのミリオンであり、ミリオンを管理している人工魔導精霊イヴァンに連絡する。

 そして、イヴァンは直ぐにミリオンの総務室にいるソフィアに回してくれた。

 ディオスが通信立体画面に映るソフィアに

「ソフィア、大変な事になった」


 ミリオンの総務室のデスクからソフィアが立ち上がり

「どうしたの?」


 ディオスは事情を説明する。

 自分達の警告が受け入れられなかったので、帰還する為に日の本星系区の宇宙港へ向かっていたら、その宇宙港が爆発した事、それによって日の本星系区の惑星に戻ったのも説明して。


 ソフィアが頭を抱えて

「そんなトラブルに巻き込まれるなんて…」


 ディオスが

「自分とラハトアは無事だ。だが、帰還についてだが…」


 ソフィアが

「こちらで迎えを寄越す方がいい?」


 ディオスが厳しい顔で頷き

「ああ…イヤな予感がする。セイントセイバー達の護衛やナトゥムラさんを連れて」


 突然、通信室の画面が消えた。


 それに「え?」とディオスとラハトアが困惑する。


 ラハトアが通路に出ると、同じく連絡していた者達が通信室の部屋から出て、突然に通信が途絶した事に困惑する。


 ディオスも通路を見るラハトアの隣に来て

「何か…この施設でトラブルが…」 


 ラハトアが意識を集中して、エネルギー波動的な超龍(ドッラークレス)を展開。

 透過する波動のドッラークレスが施設及び、周辺の数百キロを調べて

「ディオスさん、この施設や周辺施設への問題は見つかりません」


 ディオスは額のサードアイを開いて、上を見上げる。

 この日の本星系区に繋がる超空間ネットワークの状態を観測すると… 

「なんて事だ…この日の本星系区に繋がる超空間ネットワークが破壊されている」


 ラハトアが驚き

「そんな、出来るんですか? そんな事…」


 ディオスが困惑気味に

「不可能ではないが…。だが、相当に困難だぞ。この現在次元より上位次元にある構造体を破壊するのだから…物理法則では…は!」

 ディオスの脳裏に子供達が見つけた未知の兵器の話が過った。


 それはラハトアも同じで

「ディオスさん。これ…もしかして、ぼく達が提示した危険性の…」


 ディオスが頭を振り

「とにかく、外へ出よう。他の通信手段があるはずだ」


 ディオスが施設の外へ出ると、ディオス達を待ち構えていた者達がいた。

「ディオス・グレンテル様のご一行で?」


 ディオスは警戒で待っていた制服の者達に

「何の用件で?」


 制服の者達は

「わたくし達は、宇上陛下の宮中官僚の者達です。宇上陛下から、ディオス様達を保護するように命じられて、ここにいます。どうか、我々とご同行して頂けないでしょうか?」


 ディオスとラハトアが信用できないでいると、その制服達の後ろにある車両の窓が開き

「お久しぶりです。ディオス様」

と、宇上天皇の顔があった。


 ディオスがそれに近づき

「お久しぶりです。宇上陛下。これは一体…」


 宇上天皇が

「事情は説明します。こちらへ…」

と、ディオス達を車内へ誘導して、ディオスとラハトアが乗り込み車両は発進した。


 進む車内で、宇上天皇と座るディオスが

「一体、何が起こっているのですか?」


 宇上天皇が厳しい顔で

「良い事ではありません。この日の本星系区の一部の者達が…問題を起こしているのです」


 ディオスの隣に座るラハトアが

「テロですか?」


 宇上天皇が

「テロなら、対処もできましょう。ですが…お恥ずかしい事に暴走が起こっているようなのです」


 ディオスは察する。

「まさか…この日の本星系区の統治関係で、内乱のような事が…」


 宇上天皇は目を閉じて

「ええ…急く者達によって…」


 ディオスは青ざめる。

 とんでもないトラブルに巻き込まれてしまった。          

日の本星系区で起こる破壊活動。

残されたディオスとラハトアは宇上天皇と共に…


次回 原動 前編

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