表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
753/1112

第752話 協力者 その一

次話を読んでいただきありがとうございます。

 ディオスは、直ぐにオルディナイト邸宅の医療へ運ばれて検査を受ける。

 意識不明、回復用の魔法カプセルに浮かぶディオスをクリシュナとクレティアがつきっきりで見つめる。

 その間、ディオスの屋敷でオルディナイト財団の耐魔法汚染部隊を連れてナトゥムラと充人、ルビードラゴンが来ていた。

 セイントセイバー達は、屋敷の周囲を固めている。外に何かあった場合の被害を広げない為に。


 ディオスの屋敷に来た部隊が睨むモノ、それは淡く光るシンイラの契約の剣だ。


 耐魔法汚染部隊が様々な装置を持って、淡く光る契約の剣を観測して

「これから、何か…未知の力が放出されています」


 ナトゥムラが腰にある剣の柄を握り

「ディオスがこの前に倒れていた。コイツが原因である可能性が高い」

と、壊そうとするが


「待て」と充人が止めて

「これが原因だとして、もしコレを壊してディオスの意識が戻らなくなったら、どうする?」


 充人の隣にいるルビードラゴンが、額のサードアイを開いて契約の剣を観測して

「これは共振の波形と似ている。おそらくだが…」


 そこへディオスの容態を伝えに来た兵士がナトゥムラと充人に

「ナトゥムラ様、充人様、ディオス様の容態ですが…脳内とその他、意識活動が…沈黙しています。その他の生体活動は問題ないそうですが…」


 ルビードラゴンが

「ディオスの中にある何かの存在を励起、共鳴させてディオスの意識を持っていった…そういう所だ」


 充人が

「つまり、その踏み台にしているコレを壊せば…」

と、契約の剣を指さす。


 ルビードラゴンが

「ディオスの意識が戻らなくなる可能性がある」


 ナトゥムラが怨み顔で

「こんな不気味な武器、早く…封印処置をすれば良かったんだ!」




 ディオスは、回復用の魔法カプセルからベッドに移され、その両脇にクレティアとクリシュナの二人が来てディオスの手を取って祈るようにする。

 ディオスの頭の上には、ディオスの状態を検査する魔導具が浮かび、絶えずディオスの状態を装置に送信している。


 そこへソフィアとゼリティアも駆けつけて、ソフィアが

「全く、アンタは」

と、近くに座る。


 ゼリティアは、クレティアに近づき

「ディオスは…大丈夫なのか?」


 クレティアが

「肉体的には問題ないけど…意識が完全に沈黙していて…」


 ゼリティアも傍に座り、ディオスの足元の布に伏せて

「妾達を置いていくな…」


 そして、そこへ学校から帰宅した子供達も駆けつける。


 意識がない父を見てティリオが「父さん」と告げた次に、ディオスの状態を見る魔導具の装置から、意識の波の揺れ幅が大きくなる信号をキャッチして知らせる。

 直ぐにオルディナイト邸宅にいる医師のボアド達三人が来た所へ

「う…」

と、ディオスは額を押さえて起き上がる。


 それを泣きそうな顔でクリシュナが

「アナタ…」


 ディオスは呆然とした顔で周囲を見ると、ああ…と

「アイツ…瞬時に意識だけの世界で何とかなるだろうに…」


 クレティアがディオスに抱き付き、ソフィアがディオスの肩を叩いて

「心配かけるな! 全く…」


 ゼリティアも安心して涙してしまった。


 ディオスが頭を下げ

「すまない。心配を掛けた…」

 現在、妻の四人は身重だ。それに余計な負担を掛けてしまった。本当に申し訳なかった。


 その後、駆けつけくれたライドルとヴィルヘルム、義父アルヴァルドと一緒に医療室のベッドでディオスは話をする。

 そこにナトゥムラや充人、ルビードラゴンも来た。


 ディオスが冷静に

「シンイラの宗主に意識を持って行かれて話をしました」


 チィとナトゥムラが舌打ちして

「おい、ディオス…あの契約の剣、アインデウス様が管理する封印格納庫へ放り込むぞ」


 ディオスが頷き

「ああ…直ぐにでも手配して貰おう。契約の剣の現在は?」


 充人が

「通常の状態だ。お前が倒れた後、光を放っていたが…それもない」


 ルビードラゴンが淡々と

「もし、シンイラがディオスと交渉したいなら…シンイラの側から来るだろうし。まあ、こっちが…ないか…」


 ライドルが

「ディオス…何が起こった? シンイラの宗主に意識を持って行かれた…と」


 ディオスが難しい顔で

「シンイラの宗主、王神ガオス・カルパールが…このアースガイヤにアズサワ達に匹敵する存在が出現する…と警告を受けました」


 周囲がどよめき、ヴィルヘルムが

「誠か? その情報は…」


 ディオスは頷き

「ええ…シンイラにとっても、ソイツは都合が悪い。しかも…アヌンナキ達が獲得する為に画策しているようです」


 アルヴァルドが

「手がかりは?」


 ディオスが首を横に振り

「アヌンナキや、様々な高位の存在の干渉によって、人物は捕捉できませんが。その反応はあるそうです。それを…そうならないように保護して欲しい…と」


「そうか…」とライドルが告げて、他の者達は沈黙する。


 ディオスが

「とにかく、話し合いをしましょう。相当な事案ですから…」




ディオスと接触したシンイラの王神。

その助言によってディオスは、協力者を探し


次回、協力者 その二

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ