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第749話 再開の場 その三

次話を読んでいただきありがとうございます。

ミリオンに別の時空戦艦が到着する。

 その時空戦艦には、ネヴァ達が乗っていた。その後ろには、エメロード姫とネヴァが並び、その後ろにフレアとドラグもいる。

 フレアがミリオンの宇宙港を見渡して

「しかし、この全部がディオスのヤツのモノなんて…」


 ドラグが

「凄まじい技術の産物だ」


 ネヴァが

「お前等…ちょっとはジッとしていろ!」

と、注意していると前から護衛を連れたソフィアとディオスが来る。

 ディオスは、ナトゥムラを始めゼウスリオン・アーマーに武装した兵士達を連れてエメロード姫を迎える。


 ソフィアが

「ようこそ、エメロード・ネルファル・ミネルバ王女様」

と、挨拶をする。

 

 別世界の王族が来たので、アースガイヤで王族であるソフィアがお出迎えをする。


 エメロード達を専用の小型飛空艇に乗せて、バルストランの王都ベンルダンへ下ろしながら、同席するソフィアが

「エメロード姫、護衛が少ないのが…」


 それをソフィアの両隣に座るディオスとナトゥムラが聞いて微妙な顔をする。

 ソフィアとて王の時に結構、単身で飛び出す無茶をやっているのを知っている。


 エメロード姫が微笑み

「これは、王族の責務が伴った公式の訪問ではなく、わたくし個人の旅行ですから。お気になさらずに…」


 ソフィアが

「とは言うものの、貴女様は、アースガイヤでも同じ王族という象徴です。それを失えば…民のよりどころ、アイデンティティーが失われてしまう。それは、とても危険な事なのです。それを承知して置いてください」


 ディオスは、ソフィアが王権の本質を告げているのを聞いて、凄く微妙な顔になる。

 結構、ムチャクチャをしているのに、真面な事を言っているのが不自然に感じる。


 エメロード姫が乗っている小型飛空艇の窓の外を見て

「しかし、本当に凄い世界ですわ」


 エメロード達が乗る小型飛空艇の周囲には、護衛のゼウスリオン達が併走して、外から見える惑星アースガイヤは、ディオスの子供達が作った惑星を一周する特別空中トンネルのフォルトゥナ空中路と、その上には全長五万キロで傘の骨のように巨大なコロニーを伸ばす軌道エレベーター式コロニー・ミリオンが見える。


 エメロード姫の世界は、やっと国同士と種族同士の争いが終焉して、世界の復旧と…同じ世界にいる同レベル惑星の文明との繋がりを構築し始めた程度だ。

 アースガイヤと自分達がいる世界の技術と物量差を肌で感じる。


 エメロード姫達を乗せた小型飛空艇がアースガイヤのバルストラン共和王国の王宮に着地すると、その前に多くの人々がいた。

 それは…エメロード姫が降り立つと目の前にアインデウスを筆頭にライドルやヴィルヘルム、曙光国の帝、アーリシアの十二王や、アフーリアのフィリティは筆頭に王族、アルスートリのナイトレイド連合帝国の王族達、とアースガイヤの世界王族会議の面々がいた。


 アインデウスとライドルがエメロード姫の前に来て

「ようこそ、アースガイヤへ」

と、アインデウスが挨拶をする。


 エメロード姫は、微笑みお辞儀して

「アースガイヤの陛下、猊下様達によるお出迎え、感激に極みにございます」

と、貴族らしいスカートを上げるお辞儀をする。そして

「最高の護衛を伴わせていただいた事、わたくしが歓迎されているのを心身に届いております」


 最高の護衛とは、聖帝ディオスと妻ソフィアに仲間のナトゥムラ達の事だ。

 アースガイヤで最強の武力と、どんな事にも対応できるディオス達は、まさに最高の護衛だろう。


 エメロード姫は、王族故にバルストラン共和王国の王宮の滞在となる。

 王宮への案内は、世界王族会議の面々と共にいた現バルストラン王のゼリティアが行った。


 その移動の最中にフレアがディオスに

「よう。色々とあったけど、おひさ」

 気軽に挨拶する。


 ディオスが笑み

「ああ…久しぶりだな」


 ラフな挨拶をしたフレアの隣にドラグが来て

「気軽に挨拶をするな。ここは、聖帝ディオスの国ぞ。敬え」


 ディオスが「ええ…」と困惑する。

 そんなつもりは必要ないと本人は、思っている。


 フレアが

「じゃあ、本人はどうして欲しいの? ねぇ…ディオス様」


 その問いにディオスは

「いや、前の通りでいいよ。ここでの立場は、あくまでも妻であるバルストラン王のゼリティアの部下なのだから」


 ドラグが頭を抱え

「女王を妻にするとは、普通ではないぞ」


 ディオスの隣にいるソフィアが

「ちなみに、アタシも元この国の王様で、コイツの妻だから」

と、ディオスの頬をつまむ。


 ドラグは、渋い顔をして頭を抱え

「普通、女王二人を妻にしているなぞ…ありえんぞ」


 ネヴァがディオスを凝視していると、それにディオスが気付き

「どうしたんだ? さっきから静かなんだけど…」


 ネヴァが腕を組み

「本当にお前は、ディオスは凄いヤツなんだなぁ…」


 ディオスの近くにいるナトゥムラが

「ああ…コイツは凄いから、強い嫁さんが四人もいないと、ブレーキにならん」


 そこへエメロード姫が来て

「楽しそうに話して、わたくしも加えてくださいな」


 フレアが

「エメロード姫、みんなで改めてコイツの…ディオスの凄さを実感している最中ですから」


 エメロード姫の隣にいるゼリティアが

「皆様、どこかへ行きたい場所がありますでしょうか?」


 エメロード姫、ネヴァ、フレア、ドラグの四人がアイコンタクトして、エメロード姫が

「では、ディオス様のお家へ行ってみたいのですが…」


 こうして、ディオスの屋敷へ向かう為に、第二の屋敷であるオルディナイトの邸宅へ来ると、ゼウスリオンを建造し実験する子供達と遭遇する。


 そこでも、ディオスの男児達を見て、エメロード姫達四人が苦笑いをする。

 その意味をディオスは分かる。

 長男のティリオ十三歳を始め、十一歳のシュリオにゼティオ、十歳のディフィオ、八歳のティオル、ゼリオ、ディオル、ディアルの総勢八人に及ぶディオスとそっくりの子供達を見ての反応だ。


 そして、共に来たソフィアがお腹を摩り

「まあ、まだまだ、増えるんだけどね」


 そう、ディオスの妻達、ソフィア、クリシュナ、クレティア、ゼリティアの四人が懐妊しているのが最近になって判明した。

 検査の結果、全てが男児だった。


 エメロード姫がソフィアの手を握り

「とても、おこがましいお願いですが…お一人、こちらで許婚にしませんか?」


 ソフィアが、またか…という苦笑いで

「すみません。もう…予約が決まっているので…」


 エメロード姫が、ディオスと同じ背丈の長男ティリオに近づき

「どうでしょう。アナタなら…」


 ティリオは冷静に

「すいません。もう、婚約者がいますので…ムリです」


 ディオスはティリオの冷静な受け答えに、ティリオが絶えず迫られている事情を察してしまった。

 それを理解して少しショックを受ける。

 それをソフィアが理解して、ディオスに近づき背中を摩り

「まあ、あの子も大人になっているのよ」


「うん」とディオスは小さく頷いた。


 それをネヴァやフレアが見て、同じくドラグが

「フレア…お前の色仕掛けに、なびかなかった理由が分かるだろう」


 フレアが後頭部に腕組みして

「ああ…ここにくれば、色々と分かると思っていたのに…やっぱ、ムリだって思い知らされるか…」



 その夜、ディオスは王宮にいた。

 エメロード姫を始め会議のドームに、ドラグ、フレア、ネヴァがいて、ディオス側にはソフィア、ゼリティア、アインデウス、ライドル、ヴィルヘルムと円卓で話し合いが行われる。


 エメロード姫が

「例の方が来て一年くらい経ちましたが…問題なく、わたくし達の世界は回っております」


 ディオスが

「あのシンイラからの…」

 

 そう、エメロード姫の世界の超空間ネットワークに封印されていたサタンヴァルデットがシンイラの育成を受けてサタンヴァルデウスとなって戻っていた。


 ドラグが

「相対した時に分かったが、鳥肌が立ったぞ」


 フレアが

「並大抵の存在じゃあない。何て言うんだろう。深淵の底を人型に押し込めた感じだった」


 ネヴァが

「我々の世界に来て、魔法を作り出し元でもある超空間ネットワークの整備や維持管理をしているが…」


 エメロード姫が

「たまに…逃亡した凶悪犯が…片腕だけを残して消えてしまっている事があるのです」


 ディオスが渋い顔で

「十中八九、喰っているだろうな…」


 フレアが

「具体的な証拠がないから、追求できない」


 アインデウスが

「そのサタンヴァルデウスの者の名は…確か…」


 ディオスが

「天原 霧矢でしたよね。和名の…」


 ドラグが

「ああ…こちら側の言語と、その者の生まれの国、ニッポンというらしいが…。そこで名付けられた名前らしい」


 ディオスが顎を摩り

「過去の平行世界か…」


 フレアが

「キリヤ殿は、そんなに好戦的ではないが…どこか…怖いというか、淡々としているというか…」


 ネヴァが

「雰囲気が武人に近いかもしれない」


 エメロード姫が

「今の所、キリヤ殿とは…問題なく行っていますが…もし、何らかの事が起こった場合は…ディオス様に頼るしかありません」


 ドラグが

「能力も力も、密度も、圧倒的にキリヤ殿の方が遙か上だからなぁ…」


 ディオスは、エメロード姫達からの報告のデータの端末を持って

「まあ、今後とも問題がないようにして欲しいがな…」


 ネヴァが

「キリヤは、ディオスに興味があるらしい。一度、顔を見合わせて見ては、どうだ?」


 ディオスがネヴァが、キリヤに関して気軽のを察して

「ネヴァ、なんか…キリヤという者に対して気軽だな」


 ネヴァが

「ああ…まあ、なんて言うか…よく私には喋るから」


 エメロード姫が

「キリヤ殿は、ネヴァに関して気を許しているような節があるのですよ」


 ディオスは「へぇ…」と驚きをネヴァに向け

 もしかして、ネヴァに関して何かあるのか?

 考えをよぎらせる。

 雷御の事もそうだが…サタンヴァルデウスは、罪人を食らう事に関しては徹底的で他人に対して冷淡だが、何か関わりがある者には、どこか…気を許してしまう所がある。


 もしかしたら…ネヴァには、何かがあるのかもしれない。

 深い部分でだ…。

 

エメロード姫達と再会したディオス。

そして、エメロード姫達からシンイラの存在の話を聞いて


次回、シンイラの者

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