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第747話 再開の場 その一

次話を読んでいただきありがとうございます。


ディオスは、マキナをオルディナイトの屋敷へ入れて客間でお茶をしながら話をする。

 ディオスが溜息を吐いて

「これほどの技術があるとは…性格はバカでも、能力は一級って事か…」


 逃げたデットルの事だ。

 ディオスが前に来たメリンダス世界では、八王とされたダーク・デス・スターに使えていた強者の者達は、マキナ、リブレア、ビーストルの三人を除いて五人は、犯罪者として扱われ、その能力を管理されて使役されていた。

 元八王で犯罪者となったデットル、ノーダット、ゴウガ、アルデロ、シャダンは、無期懲役の懲役就労者として日々を過ごしていた。

 だが、デットルが逃げた。

 逃亡したデットルは、メリンダス世界と同じ系列の世界を渡って逃れながら、とある秘匿研究施設にいるのを発見されて、捕縛される寸前に逃亡した。

 その秘匿研究施設で作られていたのが、マキナが持って来たロアデウスのコアだった。


 ディオスとお茶をして会話するマキナが

「まあ、能力は高くても性格に難点があるのは、当たり前にいるからね」


 ディオスが眉間を寄せて

「そうだな。能力も高く性格が真っ当で信頼が置けるなんて人物は…極小数だからなぁ…」


 マキナには、それが嫌味に見えた。

 目の前には、超絶な能力を持ち、真っ当な正しさを行う聖帝ディオスがいる。

 それが、自分もその極小数に入っていないような口ぶりなのだ。


 マキナが

「謙遜が過ぎると嫌みに聞こえるってホントね」


 ディオスが困った顔をして

「何か、悪い事でも言ったなら、あやまるよ」


 マキナが肩をすくめて

「気にしないで、こっちの勝手な思い込みだから。それよりも…さっき渡したロアデウスのコア、息子さんに調べさせて問題ないの?」


 ディオスが笑み

「基礎的な事に関して、ティリオは十分すぎる程に出来ている。それに…下手をしたら、素材に関する研究では、私より優れているかもしれない」


 そこへノックが入り「父さん、入るよ」とティリオが


「ああ…いいぞ」とディオスが告げてティリオが入ってくると、ティリオは片手に分析したデータの端末を持っていた。


 ティリオがマキナにお辞儀して

「提供、ありがとうございます。分析した結果ですけど」

と、データ端末を置いて立体映像化して伝える。

「惑星を浸食するような機能は、まだ…ないけど…」


 ディオスが

「ないが…いずれは…」


 ティリオは頷き

「ああ…このまま開発が続けば、通常のロアデウスと変わりがないくらいの機能を持つ」


 ディオスが腕を組み

「さて、どうしたものか…」


 ティリオが

「曙光国の聖司兄さん達の元へ、これを持って行って詳しく分析したいんだけど、いい?」


 ディオスがマキナを見ると、マキナが

「いいよ。こんなのアタシ等じゃあ手に負えないから。存分に調べて」


 ディオスがティリオを見て

「だそうだ。存分に調べてくれ」


 ティリオが頷き

「ああ…手配を色々としてくる。それと…後々にアインデウス様や、ライドルおじさん達、世界王族会議の…」


 ディオスが

「世界王族会議の方は、父さんとソフィアにゼリティアのママ達でやって置く、だから」


 ティリオが

「分かった。詳しく分かったら直ぐにデータを上げるから、なるべく早くに話し合いをしてね。大事になる前に止めたいから」

と、ティリオが部屋を出て行った。

 これから、曙光国の聖司達に連絡して、ロアデウスのコアを更に分析する仕事へ入った。

 だが、ティリオがドアを少し開けて顔を出し

「リリーシャとゼティアにも手伝って貰ってもいいかなぁ?」


 ディオスが

「声を掛けて聞きなさい。それからで…」


 顔をドアから見せるティリオが頷き

「どうも、何かの圧縮した魔法効果の形跡もあるんだ。リリーシャとゼティアが一緒なら、詳しく分かるから」

と、ドアを閉めた。


 見ていたマキナが

「頼もしい息子ね」


 ディオスがお茶を口にしながら

「まだ、十三歳だぞ。十から急に背が伸びてきて、それと同時に大人びてきた。もっと子供のように遊びたい盛りだったはずだ。自分がこんな感じだから…」

と、何処か悲しげだ。


 マキナが

「いいんじゃない。子育ては思い通りに行かないけど、でも…アタシから見れば、ディオス様の子育ては成功だと思うわ。ルティーナと会ってきたけど、穏やかで優しい顔になっていたから、良い家族がそばにいるんだなってと分かるわ」


 ディオスが

「私は運が良いだけだ。いい人達に囲まれている。才能ある若者達が来てくれる。その彼ら彼女らを助けて生かしたいと思っている。だが…世界には、それが届かない場所もある」


 マキナが

「出来る事には限りがある。その中でやれるだけの事はやるだけさ」


 ディオスは、それを聞いて頷いた後。

「そういえば、逃走したデットルの事だが…」


 マキナが

「アタシ等の時空には、いない事は確かね。何処かの時空へ逃れたかも…」


 ディオスが厳しい顔で

「その逃走を助けた連中に思い当たる節は?」


 マキナがとある立体映像を投影する宝石を手にして

「コイツが手伝ったみたい。秘匿研究施設に残っていた通信のデータから探し出したわ」


 ディオスは厳しい顔で、デットルの逃亡を手伝った人物の映像を見る。

「ゼキス・マーキスか…」


 その立体映像の主は、桜花や信長の時にも関わったゼキスだった。


 マキナが

「秘匿研究施設の資材もコイツが提供したんだと思うわ」


 ディオスが厳しい顔で考える。

 ヘオスポロスから完全に切り離れているのは、ルビードラゴンから聞いている。

 ヘオスポロスも、ゼキス・マーキスを探している。

 だが、ゼキスが見つからない。

 おそらく、協力者がいる。それは…

「んん…」とディオスは唸り

「そいつを探し出すには…時空間同士の連携が必要か…」


 マキナが微笑みながら

「ディオス様なら可能でしょう」


 それにディオスは無言で肯定する。

 できる、できるのだ。

 ディオスは様々な超越存在である宇宙王達と通じている。

 基本、宇宙王同士は互いに干渉しないのスタイルだが…問題が起これば協力する。

 今回の事は、間違いなくそれに匹敵するが…。

 宇宙王達の連携は、それを持たない宇宙達に警戒される。

 こっちにその宇宙達を侵略もしないし、何もしないつもりでも、大きな力は警戒と不安を呼び起こす。

 それはやがて、集団の極性化、過激な意見へ向かう。


 ディオスは「はぁ…」と溜息を漏らして

「こうも…トラブルが起こるとは…。アースガイヤの国家間の争いは消えて、アースガイヤは連邦として纏まり、外の交流を緩やかに経て進歩するはずが…」


 マキナが

「枠組みが大きくなれば、それ相応の者達が現れますよ。その枠組みがチャンと動いているなら余計にですよ」


 苛立ち気味にディオスは頭を撫で

「色々とありがとう。こっちからも外交文書を持たせるから、その間はゆっくりとしていってくれ」


 マキナが

「ええ…ゆっくりとさせて色々と見させて貰いますよ」


 マキナは、オルディナイトの邸宅で二泊する事になった。

 その間、マキナの相手をルーがする。

 二人は、仲良くバルストランの首都の店を回ったり、ディオスの血族である子供達がゼウスリオンを作っている様子の説明をする。


 ディオスは、会長仕事の合間にそれを見て

 マキナ…姿が違うけど…大丈夫なんだなぁ…。


 マキナは、角がある頭部に、メリハリが効いた女性の体、足は蹄鉄がある。

 姿は、明らかにアースガイヤの人々とは違う。

 でも、普通に子供達は接している。


 ディオスの娘達、ゼティアとティリア、アイカにルーがマキナを連れて王都ベンルダンを歩いている姿をディオスが隠れて見ている後ろにルビードラゴンが来て

「おい、親馬鹿もそこまで来ると、ヤバいぞ」

と、告げる。


 ディオスが振り向き

「いや…子供達がマキナみたいな種族を普通に受け入れているからなぁ…」


 ルビードラゴンが町の脇を見ると、そこには様々な種族の外宇宙民達が歩いている。

「まあ、慣れだろう。色んな形状の種族がアースガイヤには、来ているからな」


 ディオスは頷き

「なるほど、子供達は適応する速度が早いという事か」


 ディオス達にもてなされているマキナは、とある目的を遂げる。

「はぁ…い。ディオス様の奥方様」


 マキナの目の前には、クレティア、クリシュナ、ゼリティア、ソフィアの四人のディオスの妻達がいる。

 マキナは、ディオスをモノにした妻達に興味津々である。

 

マキナと対話して、ディオスはティリオに調べモノを託す。

一時のマキナとの邂逅に…


次回、再開の場 その二

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