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第744話 後始末

次話を読んでいただきありがとうございます。

 ディオスは、とある会議の場を前に立っていた。

 

 ディオスの目の前に置かれたテーブルには、六人の宇宙王達が座っている。

 アヌビス、ラズベリア、統神、輝妃羅、ナカロフ、ジェイダス。

 アヌビスは、ディオスとの繋がりと長い時を経た超越存在の宇宙王の代表格として。

 他の五人は、ディオスのいる時空に隣接する時空の宇宙王だ。


 本来なら、通信会話くらいで会議をしているが、全員がこの場、アヌビスの時空の首都惑星の会議室に来ていた。


 アヌビスが額を押さえて

「ディオス…」


 ディオスが

「はい、すいませんでした」

と、頭を下げるディオス。


 ナカロフが

「やってしまった事は仕方ない。それに…情状酌量の余地は、十分にありますが…」


 輝妃羅が

「ディオス様。貴方様のやってしまった事は、大きすぎる」


 ディオスがやった事、娘の桜花を誘拐されてブチ切れ、その時空へ侵攻して…その時空のシステムを作り替えてしまった事。

 桜花を奪還すれば終わりが、宇宙を時空のシステムを新たに書き加えた。

 その時空、セレソウム時空は…今回のディオスがやった事に関して、ディオスに罰を与えるつもりもないし、元々は自分達がまいた種なの不問にしている。

 

 だが、しかし…それでもディオスのやった事はデカい。


 セレソウム時空に加わった新たなシステムとは、超越存在の血族に寄らない、適正者が超越存在の力を継承するシステム。

 そして、元からあったセレソウム時空の超越存在との融和もして、セレソウム時空を維持する。

 ダブルの宇宙王。


 これによって、セレソウム時空は…今までの比ではない程の空間を操作するエネルギーを獲得できた。

 それに預かろうと、超越存在や宇宙王がいない時空達がセレソウム時空へ接触しようと画策を始めた。

 それをやったのは、この会議の目の前にいる男、ディオスだ。

 今後、どのように結果が波及するのか…予測不能だ。


 ディオス自身は、完全に娘の桜花を奪われた事で激怒して、この結果になった。

 後先など、考えていない行動だ。

 桜花は取り戻せた。

 だが、セレソウム時空を作り替えてしまった。

 人的被害はないが、物理的な被害は…微妙なラインだ。


 ディオスは、桜花が戻って来た事で冷静になり、やってしまった事に青ざめていた。

 どうしよう…

と、ディオスの中で猛烈な後悔の念に罪の意識が襲いかかっていた。


 アヌビスが

「ディオス、アースガイアの者達はお前がやった事に関してアースガイヤでも、相応の責任を果たすと…アインデウス皇帝をはじめライドル皇帝や、ヴィルヘルム王達が手を差し伸べている」


 ディオスは、それを聞いて涙ぐむ。

 本当に、申し訳ありません…としか…。

 それを口にしても軽い。


 統神が

「セレソウム時空のアルジャナス女王を筆頭に、セレソウム時空の統治関係者は、今後の新たなシステムの調節と整備にディオス様を指名している。そして、新たな超越存在のシステムの主である。ディオス様の娘の桜花様の育成もディオス様に任したいと…している」


 ラズベリアが

「我々の採決としては…ディオス様がセレソウム時空と繋がりを持ち、助けるという事をオチにしたいと思っています。どうでしょうか?」


 ジェイダスが

「ディオス様のご意志を聞きたい」


 ディオスは頷き

「それで良しとしてくれるなら…全力で真っ当させて頂きます」


 アヌビス達は、それを聞いて頷いた後、アヌビスが

「あと…ディオスとヘオスポロスとの関係だが…。ディオスの采配に任せる。良いな」


「はい」とディオスは頷いた。




 こうしてディオスは、様々な事を了承してアースガイヤへ、自分の屋敷へ帰ってくる。

 送り迎えをしたのは、北斗の時空戦艦だ。

 ディオスの屋敷の前に北斗の時空戦艦が着地して、ゲートからディオスが降りていくと、その背に北斗が

「ディオスさん。今後…色々と大変でしょうが…。ムリをなさらずに。後…今回の事はこれだけにしてください」


 ディオスは、北斗へ振り向き

「すまん、君にも迷惑を掛けた」


 それに北斗は手を振って答えて帰った。


 ディオスは、屋敷の玄関を潜ると

「おかえり、ダーリン」

と、クレティアが声を掛けて、その横のクリシュナ、ゼリティア、ソフィアの妻達がいた。


 ディオスが少し固い笑みで

「ただいま…」


 そして…

「パパ、おかえりなさい」

と、桜花を始め、子供達が迎えてくれた。


 ディオスは、桜花に近づき

「桜花…無事で良かった」

と、桜花を前に涙すると、桜花が父ディオスを抱き締めて

「うん。ありがとう…パパ」


 とんでもない結果には終わったが…桜花は家に帰宅できた。


 それを屋敷の遠巻きに見るルビードラゴンと、その隣にエピオンがいた。


 ディオスは、桜花を抱き締めた後、遠巻きにいるエピオンに気付き、エピオンに近づき

「今回の事は、ヘオスポロスに感謝する」


 エピオンは淡々と

「別に構いません。こちらの落ち度ですから…。ですが、この事態を起こした人物が捕縛されていない。それに関して…こちらから協力を要請する場合があります。その時は…」


 ディオスが頷き

「分かった。で…どういう協力を?」


 エピオンがディオスの横を通り過ぎながら

「後々に、ルビードラゴンを通じてお知らせしますので…では。後、娘様が無事で良かった」

と、屋敷から去って行った。


 色々な因縁は残った。

 だが、一つだけ救われた事は…桜花だけは、帰って来られた。

 その結果だけで、ディオスは満足だ。


 ディオスがアースガイヤに帰還すると、直ぐにセレソウム時空から使者が来た。

 ゲイオルとレイシュンの二人だ。

 今後のセレソウム時空に関して、ディオスと話し合う為に…。

 

 ディオスの屋敷で兄の二人と、妹は十年ぶりの再会を果たした。


 そして…ディオスは、ゲイオルから自分達が使おうとしていたシステムの事について説明を受けた。


 それは、ディオスが驚くべきシステムだった。

「北斗くんと同じように神越存在の力を…可能なのか?」


 ゲイオルが頷き

「はい。その為の器を…ヘオスポロスは持っていました」

 

 ゲイオルの隣にいるレイシュンが

「経緯は不明ですが…神格化した人の器で、555という番号で呼ばれていました」


 ディオスが驚きで黙ってしまう。


 ゲイオルが

「その神格化した人の器に、私の超越存在としての力と…弟の力も合わせ、ディオス様が生み出した双極超越存在となるシステムをトリガーに、セレソウム時空の神越存在を創造しようと…しました」


 ディオスは呆れ気味に

「超越存在や、双極超越存在といった存在を作る為に生み出したデータではなかったのに…。そこまで進化させるとは…ヘオスポロス。恐ろしい」




セレソウム時空での事を任されたディオスは、その力を持つ娘の桜花の為に

ルビードラゴンに会って…


次回 必要な事

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