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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
讐怨《シュウエン》
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第742話 最悪な結末

次話を呼んでいただきありがとうございます。

 桜花は考えていた。

「どうして、こんな事になったの?」

 その言葉が全てだった。


 桜花、シュンカは…どこが始まりなのだろうか?と考える。

 最初の…始まり、この悲劇の根幹は、何処なのだろうか?

 私が、シュンカ・新王として生まれた事?

 それとも、私がセレソウム時空の超越存在の力を受け継ぐ血族だったから?

 それとも私達の血族が…いたから?


 自問自答しても答えが出ない。


 一人、部屋で考えている桜花。


 そこへドアが開きラハンが姿を見せる。

「シュンカ様…」

と、告げる顔はどこか苦しそうだった。


 桜花が

「準備が出来たのですね」


 それは、桜花を主軸としてラハンと繋がり双極超越存在となるシステムの準備が整ったので呼びに来たのだ。


 ラハンが桜花に跪き、とある指輪を向ける。

「これは、双極の指輪と呼ばれる二人で一つとなるシンクロさせる装置です。これを片方が私に、もう片方がシュンカ様が付けていただき、もし…何かあっても私がシュンカ様を守る防壁になります」


 差し向けるラハンの左手には赤い対の双極の指輪がハマっていた。


 ここまで人を追い詰めた事態に桜花は悲しくなり

「わかりました」

と、ラハンとシンクロする双極の指輪を左手の薬指に填める。

 双極の指輪は、桜花の指と一体化した。

 ラハンとシンクロした事で、ラハンの心の内が見えた。

 ラハンは、純真で本気で桜花を守るつもりでいる。

 ラハンの内にあるのは、この世界を、セレソウム時空の安寧と桜花を守るという決意だけ。

 ラハンから色んな事を知った。

 新王派とラハン達、赤王家と碧王家の確執、兄ゲイオル達がこのセレソウム時空を平和にする為に新たな方法を探して旅立った事。

 皆、この世界、セレソウム時空の為に行動していたの…全ての歯車が致命的な程に狂ってしまい、こんな悲劇になってしまった。


 悲しい、どうして…ここまで悲劇が加速してしまったのだろうか?

 そう桜花は思いを過らせる。


 その気持ちは、ラハンにも伝わる。

 双極の指輪によって、お互いの心が触れ合う。

 桜花…シュンカが自分達の事を考えて悲しんでくれている。

 それにラハンは涙する。

 理解してくれた。共感してくれる。

 安らぎを感じていた。

 

 二人は、共に思う。この悲劇を終焉させたい…と


 ラハンが手を伸ばして

「行きましょう」


「うん」

と、その手を桜花が取り


 二人は双極超越存在となるシステムへ向かう。



 ヘオスポロスのネオデウス・ウェポンである六人、ウィングゼロ、アルトロン、ヘビーウェポン、サウンドロック、デスサイズ、エピオンが双極超越存在となるシステムへ飛ぶ。

 空に浮かぶビル型システム、双極超越存在となるシステムへ突撃する。


 下部に突入して穴が開き、内部へ侵入すると直ぐにサウンドロックがシステム内の通路にある配線に手を伸ばして掴み浸食、内部をハッキングする。


 それがシステムを操作している司令室まで伝わる。

 司令室が混乱する。

「膨大な出力のハッキングです」

「防壁を展開」

「ハッキング場所を…」

「特定できません。相手の演算速度が速すぎて」

「システムが…乗っ取られます」


 ゼキスが鋭い顔をして

「双極超越存在となるシステム以外を隔離して、作業を続けさせろ」

と、告げて司令室を出て行く。


 それに司令室にいる一人が

「どこへ向かうのですか?」


 ゼキスは、背中を向けたまま

「全システムが双極超越存在となるシステムを除いて手中にされたんだ。増援を要請する為に、外に出て通信をする。その間、双極超越存在となるシステムのハッキングだけは、なんとしても死守しろ」


「分かりました」と尋ねた一人は納得して作業に戻る。


 ゼキスが司令室から出て通路を早歩きで進み

「私だ。すぐに…迎えを頼む」

と、立体映像端末で呼びかける。

 ここを見捨てるつもりだ。


 だが、ゼキスが進む通路の前が破壊されて、そこから三つの鋭い眼光を持つ者達が出現する。

 エピオン、アルトロン、ヘビーウェポンのネオデウス・ウェポンだ。


 エピオンが破壊されていない通路にいるゼキスを見つめ

「ゼキス・マーキス…我々と一緒に来て貰おう」


 ゼキスは下がるも、立体映像端末から繋がる体内通信から連絡が入り、その後…余裕の体勢で

「そうですか…。どういう了見で?」


 エピオンが淡々と冷徹に

「現在の事態に至る資源と装置にシステム達は、ヘオスポロスで生産されたモノではない。それが…どこからもたらされているのか…」


 アルトロンが

「ゼキス・マーキス。汝には、その所在を語って貰おう」


 ゼキスが笑み

「そうですか、そうですか…残念です。ヘオスポロスにとって必要な事だったのに…」

と、告げた瞬間、ゼキスを中心に空間転移をして消えた。


 ゼキスがいた通路の周囲も空間転移で削れてゼキス共々、どこかへ逃れてしまった。


 だが、エピオンもアルトロンもヘビーウェポンも焦ってはいない。

 そして、三人の背後に不可視にしたデスサイズが現れて

「ゼキスに探査ナノマシンを塗布した」


 三人がゼキスと会話している間に、ステルスにしていたデスサイズがゼキスの背後に来て、ゼキスにナノマシンの探査端子を塗布したのだ。


 エピオンが

「次は、聖帝の娘の奪還だな」


 アルトロンが

「先行しているウィングゼロとサウンドロックが」

と、告げた瞬間、三人がいる場所から上層の階層が爆発した。


 四人のネオデウス・ウェポンが視線を交差させて、ディオンスで情報共有をした。

 それは、先行していた二人からの緊急情報だった。


 急いで四人は上に飛翔する。




 爆発したビル型システムの上層部。

 そこから白銀に輝く翼を伸ばした機神が出現する。

 双極超越存在となる為のシステム、双極超越存在(ツイングレード)となるシステムを搭載したオメガデウス・ノーヴァだ。


 そのオメガデウス・ノーヴァのコアには、桜花とラハンが乗っていた。


 オメガデウス・ノーヴァのコアであるゾディファール・セフィールの結晶の棺の中に桜花が浮かび、その前の操縦席でゾディファール・セフィールから伸びる様々な接続端子やパイプを背中に背負い接続するラハン。

 オメガデウス・ノーヴァは、桜花とラハンを繋げて、双極超越存在としての覚醒へ移行する。



 それを破壊されたビル型システムの上部から見たネオデウス・ウェポンの六人。

 エピオンが

「予想される展開で最悪な方向へ転がった」




 様々な思いを巻き込んでいく事態。これに終わりが見えるのだろうか?

 そして、讐怨の終焉は訪れる。


 次回、彼の願い

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