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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
讐怨《シュウエン》
733/1109

第732話 愚か者達

次話を読んでいただきありがとうございます。

 それは突然の事だった。

 セレソウム時空全体を管理する軍システムが一斉に特別戒厳令下を発動した。

 都市部に配備されている無人兵器のクガイ達が突如として都市部に設置されている兵器システムビルから放たれて、一斉に都市部やそれに繋がる道、小都市までも包囲した。


 特別戒厳令は、今まで発動された事がなかった。

 いや、そもそも…統一されたセレソウム時空内では、テロや災害があった地域限定で発動されるだけで、全体に広がる事は一度もなかった。

 それが今、成されている。


 ゲイオルは外へ出る。

 クラドと話し合っていた所へ突如、発動された特別戒厳令に困惑する。

「何が…起こっているんだ?」


 その隣にクラドが来て、立体映像端末を開いて特別戒厳令の発動理由を探すも…

「どういう事だ…特別戒厳令が発動された理由が載っていない」


 ゲイオルがクラドの肩を掴み

「アンタは、さっき話していたよなぁ…セレソウムで新たな超越存在を作り、セレソウムに革命をもたらすって!」


 クラドが困惑し

「で、でも…まだ、計画は…」


 ゲイオルが鋭い顔を接近させ

「もっと詳しく話せ!」


 クラドから話を聞いたゲイオルは走る。

「まどろっこしい!」

と、ゲイオルは超越存在の力を使って跳躍する。

 一気にビルの上に来て、そのビルとビルの合間の百メートルを飛ぶ。


 クラドから聞いた計画。

 新たな超越存在を作る為に、アムザクの遺産を使う。

 その適合者は…レイシュンとシュンカの弟妹だ。

「クソがぁぁぁぁぁぁぁ!」



 別の場所、あのアムザクの遺産を搭載した千メートルの時空戦艦が出航する。

 その周囲には、軍システムを乗っ取ったガラム達の艦隊が併走する。


 ゲイオルの家族がいる町の上空まで、数分で到着すると、その前に一隻の時空戦艦が立ち塞がる。

 ガラムがいるアムザクの遺産搭載の巨大時空戦艦の通信に、ヴィシャル上皇の姿があった。

 立ち塞がる時空戦艦にヴィシャル上皇が乗っている。

「何をしているのですか…」

と、ヴィシャル上皇は、鋭い威圧の顔の通信画面があった。

 ヴィシャル上皇は、ゲイオル達がいる町の隣に居を構えていた。

 なので、この異常事態を察知して、立ち塞がる。


 ガラムと共に乗る赤王家と碧王家の者達は、困惑と怯えが広がるもガラムが

「どうも、引退した女帝陛下様。どいてくれませんかね?」


 ヴィシャルは鋭い顔のまま

「何をやっているのですか?」


 赤王家と碧王家の者達は、どうすれば良いか?と怯えて動かない。


 ガラムが舌打ちして

「殺せ」


「え…しかし…」と砲撃を戸惑う赤王家の若い兵士をガラムは撃った。


 若い兵士は腕を押さえて砲撃の席から転がると、ガラムが来て目標をヴィシャルがいる時空戦艦へ向け

「死ね。老害が…」

と、巨大時空戦艦の砲口を放つ。


 だが、ヴィシャルはガイラスから受け継いだ超越存在の残り香を使って巨大な防壁を展開する。

 それによって巨大時空戦艦のエネルギー砲が防壁に触れて消失する。


 それを見てガラムが

「あら、そんな老婆を前の超越存在は抱いたんですか?」

と、嘲笑う。


 ヴィシャルは鋭い顔のまま

「このまま、撤退し全てを」


 ガラムが右手に端末を持ち

「するわけねぇだろうが! 老害ババァがぁぁぁ!」

と、右手にあるアムザクの遺産を操作する端末で高次元域の力を取り出して、ヴィシャルが発動している超越存在の力を相殺して

「老害はとっとと墓へ沈め!」

 再度、巨大時空戦艦の攻撃を放つ。


 ヴィシャルの時空戦艦には、ヴィシャルだけが乗っている。

 ヴィシャルは、操縦桿を押して目の前にある巨大時空戦艦へ向ける。

 無数のエネルギー砲を受けて炎上しながら、ヴィシャルの時空戦艦は、ガラム達が乗る巨大時空戦艦へ特攻する。


「な!」と驚愕するガラム。


 ヴィシャルは、この特攻で死ぬ事を覚悟していた。

 巨大時空戦艦へ特攻すると迷わずに、攻撃する。

 ヴィシャル女王の時空戦艦から無数の強力な攻撃エネルギー砲が放たれ、巨大時空戦艦を貫くと、巨大時空戦艦の空間書換推進装置にダメージが刻まれ墜落する。


 ヴィシャル女王の時空戦艦は、その墜落によって押し潰れて、ヴィシャルは死ぬが、その寸前に過去を思い出す。


 ガイラスが双極無限を行う前に

「もし、これが失敗したら…次の甥っ子達を守ってくれ」

 その言葉を受けたヴィシャル女王が望んだ事は、ガイラスとの褥の触れ合いを求めた。

 超越存在には、心が通じ合う男女で超越存在の力の一端を譲渡する作用がある。

 ガイラスは呆れていたが…。

 そして、ヴィシャル女王は…ガイラスの望みを叶える為に死を選んだ。

 ヴィシャルは、死に際に

「ゲイオル…アナタなら…次の前へ進めるわ」

と、告げた瞬間、爆発の光に飲まれ、その光の先に懐かしい(ガイラス)彼女(セリュア)がいた。



「クソがぁぁぁぁぁぁぁ! 老害は余計な事しかしねぇ!」

と、巨大時空戦艦の司令室で叫ぶガラムがいた。


 落ちた巨大時空戦艦は完全に動けない。

 

 ガラムが苛立ちながら

「早く! あのガキ共を探せ!」

と、司令室にいる赤王家と碧王家の者達に怒鳴るが、赤王家の兵士が

「上皇様まで殺してなんて事を」

と、告げる兵士をガラムは撃つ。

 倒れる兵士に他の兵士達が駆けつけ治療のエネルギーで応急処置をする。


 ガラムが銃剣を他の者達に向け

「もう、後戻りできねぇんだよ! 死体になりてぇかぁ!」


 兵士達は俯きつつも、ガラムの言う事に従って、レイシュンとシュンエイを探す。

 展開された無人兵器のクガイ達の視覚から探す。

 

 ガラムが天井へ銃剣を打ち

「早くしろ。見つけてオレ達の手にすれば、全てチャラになって終わる」


 兵士が

「見つけました」


 レイシュンとシュンカは、両親と共に町から出ようとしていた。


 ガラムが

「待機していろ」

と、告げてゼキスから受け取った偽装したクガイ兵器達を連れて、その場へ向かう。



事態は更なる悪化を辿る。そして…愚か者達の手が…


次回、奇縁

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