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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
讐怨《シュウエン》
732/1109

第731話 反乱の前夜

次話を読んでいただきありがとうございます。


 そこは巨大な時空戦艦を製造しているドックだった。

 全長が千メートルにもなる巨大な時空戦艦は、その巨大さを収納できるドックで建造されている。

 その全体が一望できる塔で、リュウセイとその部下達が自動で動くロボットアーム達を見て

「あと、どのくらいで完成する?」

と、リュウセイが隣にいる製造統括者の訪ねる。


 製造統括者は

「あと、一週間ほどで完成です」


 リュウセイが

「早いな…」


 製造統括者は笑みながら

「全ての組み立て建造、検査がオートですから。人が介入するのは設計をしたり、製造の手配やプラン、どの武装を付けるか?の選択だけですから…」

 

 リュウセイが

「これ程の巨大戦艦…その動力は…」


 製造統括者が

「ハンエイ博士からもたらされたアムザクの遺産をトリガー動力にして、主機関は…我らセレソウム時空の高次元増幅波動炉ですから…。いや…助かりましたよ。これを動かす為のトリガー動力をどうしようか…と困っていましたから」


 リュウセイが渋い顔で

「しかし、普通の時空戦艦とは違う部分が多いようだが…」


 製造統括者は

「アムザクの遺産について色々と実験をしたいので、それの部分が多いですから…」


「そうか…」とリュウセイが告げる頃、建造中の時空戦艦の上部から、とある装置が降りてくる。

 それは、将来…桜花と融合する改良されたアムザクの遺産だった。

 その球体型の動力システムがこの時空戦艦の中に組み込まれた。



 反体制派のガラムがとある人物と接触していた。

 そこはとある酒場で、ガラムは正面にする人物にお酌をして

「まあ…アンタの気持ちは分かるよ」


 正面にする人物は、リュウセイ達主流派の外れにある者達だ。

 その者達が

「彼ら、新王派は…セレソウムの王の力を独占している」


 その者達が

「リュウセイ将軍の新王派から…誰一人として次世代の真の王が誕生せずに、横からの適合者を登用している。これは…間違いだ」


 ガラムが笑み

「オレもそう思うよ。新王派の連中は…自分達の権勢の為に独占して支配している。ここで打破するべきだろう」


 その者達が

「しかし、どうすれば…」


 ガラムがとあるデータ端末を出して

「これさ。アムザクの遺産…」

 そのデータ端末に映っているのは回収されたアムザクの遺産の画像が載っていた。

 誰かが横流しをした。

「コイツを使えば…新たなセレソウムの宇宙王、ハイパーグレートを誕生させられる」


 その者達がデータ端末を手にして

「本当なのか?」


 ガラムが怪しく笑み

「本当さ。あのヘオスポロスのデータから判明した事実さ」


 その者達は、そのデータ端末を持って行った。

 事実を確認するとして…。


 その酒場のテーブルに残ったガラムは、とある所へ通信を入れる。

「おう、ゼキスか?」


 通信に出たのはゼキスだった。

「やあ、どうだね?」


 ガラムが

「多分、乗ってくるだろう。連中も上に立ちたくて、ウズウズしているからよ」


 通信のゼキスが笑み

「上々、で後は…何を用意すれば良いのかね?」


 ガラムが

「セレソウムに偽装した大型クガイ達の部隊とそれを乗せる時空戦艦が欲しい」


 ゼキスが頷き

「用意しよう。では…」


 ガラムが

「任せておけ、オレが上になったら…良い思いをさせてやるぜ」

と、別のデータを見る。

 そこには、レイシュンとシュンカの二人が映っていた。

 アムザクの遺産の適合率という数値も載って…。 



 ゲイオルは、少しだけ…ハンエイ博士の家にいる事になった。

 両親とも話し辛い。

 レイシャとの事がここまで大きくなるとは…思っていなかった。

 ハンエイ博士のそばにいる間、ハンエイ博士の研究を手伝う事になった。そこで…

「双極無限…」

と、ガイラスがやろうとしていた研究のデータを眼にした。


 隣にいるハンエイ博士が

「そう。ガイラスがやろうとしていた事…そのデータさ」


 ゲイオルは、そのデータを見つめる。

 双極無限、それは…一極しか誕生しない超越存在を同じ時空で、対として成り立たせる方法だ。

 このデータの元になった事例は、天臨丞王と異端帝王、収天螺王と全事顕王だ。

 だが、それは双極無限ではない。

 対存在の超越存在だ。

 双極無限とは…違う二人、男女による双極の超越存在だ。

 ゲイオルは、考える。

 別の性質を持つ男女双極無限は、遙かに難易度が高い。

 対存在の超越存在、つまり、同じ力を持つ二対が反対の性質を持って誕生する。

 その方が成功しやすい。


 ハンエイ博士が悩むゲイオルに

「何を悩んでいるんだね?」


 ゲイオルがハンエイ博士に

「こんな、失敗するような理論、ガイラスおじさんが…」


 ハンエイ博士は頷き

「そうか…君は知らないか…。ガイラス様が亡くなった時の事を…」


 ゲイオルは厳しい視線で

「双極無限を作る為に失敗して死んだ…と。要するに力を求める愚か者達が…」


 ハンエイ博士は首を振り

「違う。ガイラス様は…彼女を…セリュア様を信じてみようと…。だが、結果は失敗してガイラス様とセリュア様は共に…」


 ゲイオルが戸惑いに

「おじさんは…ウソをついていたんですか?」


 ハンエイ博士は、首を横に振り

「ウソは言っていないだろう。だが、人の心は一枚の板ではない。幾つもの思いが重なって出来ている。口ではそう言っていても、腹の中では別の事を思っているものさ」


 ゲイオルがガイラスの作ろうとしたデータを見て

「前代のヴィシャル女王様とお会い出来ますか?」

 これが本当なのか…知りたくなった。


 ハンエイ博士は頷き

「良いとも。多分、大丈夫だろう」


 ゲイオルはハンエイ博士と共に前女王、ヴィシャル上皇が静かに過ごす屋敷へ来た。


 ゲイオルはテラスのある縁側に通されると、そこに真っ直ぐとした瞳の婦人が座っていた。

 ヴィシャル上皇だ。

 ヴィシャルはゲイオルを見ると微笑み

「良く来ましたね」


 ゲイオルは、ヴィシャル上皇と話をする。

 その話を聞いた後、ゲイオルは一人になりたいとして…町中を歩く。


 ゲイオルは町中を歩きながら呆然としていた。

 自分がそうだと思っていた事と事実は違った。

「ガイラスおじさん…」

と、つぶやき空を見上げると、イタズラに笑うガイラスの顔がよぎった。


 そこへ「ゲイオル様…」と呼びかける男がいた。

 ガラムと話していた者達の一人、クラド・赤王だった。


 クラドがゲイオルに

「ゲイオル様、初めまして。私はクラド・赤王。赤王家のモノです」


 ゲイオルが少し身を退かせる警戒だ。

 赤王家は、新王派である自分達の事を良くは思っていないと知っている。

「何の用ですか?」


 クラドが

「少し、お話をしてくれませんか? 重要な事です」



 別の頃、ガラムの元にゼキスから偽装された兵器達が届いた。

「はははは!」

と、ガラムは喜び通信を開く。

「もしもし、どうですか? オレと一緒に、セレソウムを手にしようぜ」

と、通信を呼びかけていたのは…新王派とは別の赤王家、碧王家の者達だ。

 

 ガラムは、計画を早めに進める事にしたのだ。

 赤王家と碧王家の者達の中でくすぶっている者達を刺激して…。

 その企みは、成功する。


 リュウセイがいる将軍の執務室に、数名の者達が駆けつける。

 リュウセイは、その場に打たれて血を流す秘書の止血をしていた。

「よし、これで…」

と、薬剤と回復エネルギーで打たれた腹部を応急処置した。

 そして、立ち上がるとそこへ、数名のクガイ装備の兵士達が剣銃を向ける。


 リュウセイが厳しい顔で

「何のつもりだ?」


 クガイの兵士達が

「これで、新王派がこのセレソウムを独裁する時代が終わる」


 リュウセイが項垂れ

「こんな事をしても何も変わらないぞ。なぜなら」


「変わるさ」

と、ガラムが入り

「オレが新しいセレソウム時空の超越存在になるんだからなぁ…」


 リュウセイが鋭い顔で

「どういう事だ?」


 ガラムが怪しい笑みで

「見ていればいいさ」


 ガラム達は、セレソウム時空を守る軍部システムを独占した。

 反乱が始まった。

様々な話を聞いたゲイオル、迷える彼に出会う赤王家のモノ

だが、事態は…悪化していく。


次回、愚か者達

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