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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
讐怨《シュウエン》
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第724話 桜花の過去

次話を読んでいただきありがとうございます。

 その日、ディオスが何時もの三時のおやつを作っている所へ、桜花が来て

「あの…」


 ディオスがボールの中身を混ぜるのを止めて

「どうしたんだ?」


 桜花がためらい気味に

「私…ここの子になるって無理だよね…」


 ディオスはそれを聞いて微笑み

「そうか、なら…色々と手配しないとな。という事は…今日から…」


 桜花が照れ気味に

「お父さんって呼んでもいい?」


 ディオスは微笑みながら頷き

「ああ…いいに決まっているだろう」


 こうして、桜花はディオスの子供なった。

 そして、テンションが上がってしまい巨大なケーキを作ってしまい、お裾分けをする事になった。


 その夜、ディオスが書斎で本を読んでいる所へ桜花が来て

「父さん、私…」


 ディオスが

「桜花の話は、アイツから…ルビードラゴンから聞いている。詳しくではないが…概要をだ。最初からそれを知っていて桜花を受け入れている。心配するな」


 桜花は涙して

「ありがとう。父さん」


 ディオスは桜花の頭を優しく撫でて

「いいんだよ。もう…いいんだ。色々とあったけど、それを受け止めて前に進めばいい。過去は無かった事に出来ない。だが、一歩踏み出すのも過去を受け入れるって事なんだよ」


 桜花はディオスに抱き付き

「ありがとう父さん」


 その背中をディオスは優しく撫でていた。

 ディオスは真っ当な人間だ。

 過去は変えられない。それを受け止めて前に進んでいる者達をたくさん知っている。

 この言葉を…言いさえすれば…。

 それだけでも悲劇が惨劇が防げたのだ。

 本心は違っているのに、人は見たくない過去に直面するとそれを否定して、無かった事にしたがる。

 だが、過去は変えられない。無かった事にはできない。

 それでも前には進める。


 その夜、桜花はティリアと一緒にベッドで寝ていると、ティリアが

「パパが、桜花をアタシと同じ家族にしてくれた」


 桜花が

「うん。これからもよろしくね」


 ティリアが仰向けになり

「ねぇ…何があったの? 桜花…」


 桜花が暫し黙った後

「私はね…」

と、ティリアに話をした。

 桜花は、記憶を取り戻していた。

 だからこそ、告げる。


 聞き終わったティリアが

「そうか…じゃあ、桜花は…ここに来る事になっていたんだよ。二人の兄さんが願った事だから」


 桜花が

「こうなるなんて…不可能に近かったのに…」


 ティリアが隣に寝る桜花へ顔を向け

「でもなった。これは運命だよ」


「うん」と桜花は頷いた。




 翌日、ルビードラゴンを連れてティリアが桜花の買い物へ向かう。

 ティリアと手を繋ぐ桜花と、荷物持ちのルビードラゴン。

 ティリアに逆らえない事を良い事にルビードラゴンは使われている。

 両手に荷物を持つルビードラゴン。

 その様子は、どこか呆れているようだ。

 その前に嬉しそうにしているティリアと桜花。

 どこぞのお嬢様方に仕える執事みたいな感じだ。


 楽しいショッピングのティリアと桜花、そこへルビードラゴンに通信が入る。

 アーヴィングからだ。

「ああ?」とルビードラゴンが鋭い顔をする。


 それにティリアが気づいて

「どうしたの? ルビードラゴンおじさん」


 ルビードラゴンが周囲を見渡すと…

「ティリア、桜花、荷物をダメにしても良いよな」

と、両手に持つ荷物を誰もいない正面へ投げた。


「え?」と困惑するティリアと桜花だが、その荷物が見えない何かに当たって散乱する。


 そこへルビードラゴンが深紅の装甲を纏って鉄拳を放つ。

 何かが吹き飛び転がりつつ体勢を直した。

 紫電の次にステルスの外装が剥がれた。


 鎧武者のような装甲を纏う人物が現れ、ルビードラゴンは更に誰もいない筈の場を殴る。

 そこには、何かが衝突した音がして、見えないそれが転がる。

 見えないそれは、ステルスの外装を剥がされ、鎧武者のような装甲の姿を現す。


 桜花がそれを見て

「まさか…クガイなの…」


 鎧武者の装甲をした者達は両手に、日本刀のような剣を取りルビードラゴンへ向ける。

 

 ルビードラゴンが構える。

 その後ろにティリアと桜花が構えるが、唐突にその後ろへルビードラゴンが手を伸ばすと、何かをつかみ上げて地面に叩きつけた。


 見えないそれによって、地面のレンガが人型に凹む。

 その人型の凹みから紫電が走り、姿を隠すステルスが消えて、先程と同じく鎧武者の装甲を纏う人物が現れる。

 ルビードラゴンによって、地面に叩きつけられた人物は、気絶しているのか動かない。


 ルビードラゴンが鋭い眼光を持って前に出つつ、右手に深紅の光を携える剣を握り、左手の装甲から斧のような剣が伸びる。

 二人の鎧武者の装甲者が剣を持って構えていると、ルビードラゴンが自身の左へ深紅の光剣を突き刺すと、そこから紫電は走り別の鎧武者の装甲者が出現、鋭い深紅の光剣の突きによって、装甲は破られないも突きが当たった所から屈んでしまうと、それの首をルビードラゴンが握り更にレンガの地面へ叩きつける。

 完全に気絶してしまい、二名の意識が途絶した鎧武者の装甲者がいた。


 姿を荒らした二名の鎧武者の装甲者は、ルビードラゴンへ向かって疾走する。

 その間に、ルビードラゴンは背中にある自動小銃から空へ向かって赤い信号を発射、向かってくる二名へ剣を振るうではなく、二名の間にある空間に剣を突き刺す。


 別の五人目がいた。


 鋭い突きによって仲間の間に隠れていた鎧武者の装甲者が吹き飛び、それに驚く二名だが…それが命取りだった。

 強烈なルビードラゴンの右フックで一人が吹き飛び、別の一人がルビードラゴンの斧型の左腕によって地面に叩きつけられた。

 正体不明の五人がルビードラゴンの圧倒的な戦闘力によって轟沈した。


 ルビードラゴンが別の場所を凝視する。

 そこへ突進しようとしたが…。

「お待ちください!」

と、唐突に姿を現す鎧武者の装甲者が被っている頭部の鎧を外して姿を現した。


 女性だった。黒髪で年齢的に二十歳くらいの彼女を見て桜花が…

「ルイシャ…」


 ルビードラゴンは動きを止めて、下がりティリアと桜花のそばに来る。


 桜花のルイシャと呼ばれた彼女は跪き

「お久しぶりでございます。シュンカ様…」


 そこへ空からセイントセイバー達が降臨する。

 あっという間にルビードラゴンを守るように展開するセイントセイバー達、ネオデウスの奈々と綾妃、洋子、倒された五人の元へアーヴィング、阿座、ラハトア、ユリシーグ、朱里に愛が包囲する。


 そして、漆黒のゴットディオン・アーマー、ザ・ビーストを装備するディオスが怒りの顔でルビードラゴンの前、ティリアと桜花を守るように仁王立ちする。


 桜花が父ディオスから少しだけ顔を見せ

「なぜ…来たの…ルイシャ」


 ルイシャは苦しそうな顔で

「シュンカ様に助けて頂こうと」


 ルビードラゴンが

「誘拐しようしたクセに…助けて頂こうとは…傲慢な」


 ルイシャは苦しそうな顔で

「それは、本当にその」


 ディオスが怒りの顔で

「私の娘に手を出すとは良い度胸だな…」


 ルイシャが

「我らは、強力な力を秘めた時空戦艦で」


 アーヴィングが

「それは、もう押さえているぞ」

 ルビードラゴンの通信は、正体不明の時空戦艦を拿捕したという報告だった。


 ルイシャが項垂れて土下座して

「どうか…お願いします。シュンカ様を我らセレソウム時空へのご帰還を…」


 ルビードラゴンが

「人をエネルギー源の電池にしようとした連中の言葉を信じろと…」


 アーヴィングと阿座は、怒り心頭しているディオスとルビードラゴンを見て首を傾げるも、阿座が

「ディオスさん。少し事情を聞いた方が…」


 ディオスが「はぁ?」と怒りの顔で

「ルビードラゴンの言う通りなんだがなぁ…」




桜花を襲撃した、桜花の過去の者達をディオス達は捕縛。

アヌビスを立てて解決の話し合いが行われるが。


次回 決裂の場

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