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第718話 遺跡の少女

次話を読んでいただきありがとうございます。

 惑星から発信されるアムザクの遺産の信号。

 そして…

 ”誰か…”


 ルビードラゴンは背中にティリアを乗せて、空を飛ぶ。

 ディオスは、その隣でデウスマギウス・アミダライオウを展開して併走する。


 惑星の上には、惑星の何倍もある木星サイズの超弩級惑星級時空戦艦ヴァライマスがいる。


 ヴァライマスからディオスへアーヴィングが

「すいません。信号、途絶しました」


 デウスマギウス・アミダライオウの通信からディオスが受け取り

「また、発信されるかもしれない。注意深く見てくれ」


「はい」とアーヴィングの返答があった。


 ディオスが娘ティリアを乗せて飛ぶルビードラゴンに

「おい、いい加減に娘を下ろしたらどうだ?」


 ルビードラゴンは背中に乗っているティリアを横見して

「と、父親が言っているが…」


 ティリアは首を横に振り

「ダメ、まだまだ、こうするの! 多分、ルビードラゴンのおじちゃんと一緒にいると、信号が受信できるから。このまま」


 ルビードラゴンが左で共に併走飛行している保護者に

「だと…」


 ディオスは項垂れてしまう。

 

 ルビードラゴンが背中のティリアを横見して

「ティリアちゃん。その根拠は?」


 シー!とティリアが

「聞こえる…」


 えええ?とディオスとルビードラゴンは困惑する。


 そんな二人に、ヴァライマスの隣にいる時空戦艦にいるアズサワが

「二人に朗報だ。どうやら、このアムザクの遺産と共に発信される音声の主と、ティリアちゃんは同調できるようだ。不定期に発信されるアムザクの遺産より、当てになるぞ」

 アズサワが、放たれた信号の特性を調べて報告する。


 ティリアは両手を耳に当て

「聞こえる。あっち!」

と、右手で指さす。


 ルビードラゴンとディオスは、ティリアの誘導で空を飛んでいく。

 ディオスは、子供達が自分達とは違う特別な感覚を個々に持っている事を知っている。


 ディオスは父親として複雑だ。特別な存在でなくてもいい。ただ…人と交わって幸せになって欲しい。

 特別な運命や宿命なんていらない。

 それは、自分がそうして苦労した事から来ている。

 特別な運命や宿命は、神々やそれを越えた存在達の奴隷に過ぎないのだから…。

 命は、誰かの奴隷じゃあない。

 そう思いつつ

「あそこ!」

と、ティリアは、とある地面を指さす。


 そこは荒野のど真ん中だが…。

 ディオスとルビードラゴンは、降り立った周囲を見て警戒する。

 それにティリアが

「どうしたのパパ、ルビードラゴンのおじちゃん?」

と、二人を見る。


 ディオスが

「おい、ここは…」

 

 ルビードラゴンも頷き

「気づいたか…何かが爆発して風化した後だ」


 自分達がいる場所を中心に、半円形の窪地になっている。

 つまり、何らかの力の放出によって地形が変形した証だ。


 そして、ルビードラゴンとディオスのセンサーにアムザクの遺産の雑音が乗る。

 ザザザザザザザザザザ

 そして

”誰か…”


 ディオスはサードアイを開いて周囲の空間を観測すると…

「ここだ」


 一部、空間が圧縮されている形跡があった。


 ディオスは魔方陣を展開、それとデウスマギウス・アミダライオウの四対の装甲腕を広げて、空間を広げる魔法で圧縮を展開しつつ、その被害が広がらないようにデウスマギウス・アミダライオウで防壁を作り包む。


 空間の圧縮が解除される。七色の渦が現れそれが大きくなって圧縮された空間が広がる。

 地形が本来の広さを戻して、そして中心に巨大な建造物が地面に付いている情景が出現した。


 その建造物は銀色に光り、所々が壊れている。

 大きさとして百メートル。長方形で何かの突起がある。

 解放された空間を見渡すと所々に、それから分離したであろう部分が散乱している。


 ディオスが周囲の部品達を凝視しているとルビードラゴンが

「なんの施設だと思うか?」


 ディオスは冷静に正直に

「最初は、時空戦艦か、それに匹敵する移動要塞の施設と思っていたが…違うな」


 ルビードラゴンもディオスと同じサードアイが開いている。

「何かの定住型施設の可能性が高いか…」


 ディオスが壊れた破片の一部へ近づくと、そこが鋭利に切れている。

「おそらくだが…何かの施設が…緊急避難として空間転移した可能性が高い」


 散乱する部品には、何かが円形に鋭角に削られた痕跡があった。

 つまり、この施設は強制的に空間転移してここへ来たと推測が出来る。


 ティリアが最も大きい部分へ近づくと、それをルビードラゴンが

「待て、勝手に動くな」

 どんな危険があるのか分からない。

 ルビードラゴンはティリアの肩を持って止める。


 そこの上空から、一隻の小型宇宙船が降りる。

 アズサワが乗っていた。

「お目当てのモノが見つかったね」

と、降りてくる。


 ティリアがルビードラゴンの手を取り

「おじちゃん。あそこから声がするの」

と、一番大きな部分を指さす。


 ディオスがそこへ近づきサードアイで見て

「なるほど、ここが…開閉部分か」

と、デウスマギウス・アミダライオウの腕の一つをそこへ接触させる。

 デウスマギウス・アミダライオウの腕が様々な端子に変わって、開閉部分のドアの端末を探り見つけた。


 ガキンっとロックが解除されて開かれる。

 円形のドアが開き、人型が入れるドアが出現した。


 ディオスが先頭を進み、その後をルビードラゴンとティリア、アズサワが続く。


 アズサワが通路を進んでいると立ち止まり、とある壁を凝視する。

 ルビードラゴンが

「どうした?」


 アズサワが首を横に振り

「いいや、ちょっと見た事がある部分があったが…違ったようだ」


 ルビードラゴンがそこを見ると、何かの紋章の跡があった。

 桜の花と剣が交差する紋章。

 それをルビードラゴンが凝視すると、ティリアが

「おじちゃん、呼んでる」

と、ティリアが引っ張る。


「すまん」

と、ルビードラゴンはティリアに引っ張られる。


 それにアズサワが続く。

 アズサワは、その紋章について知っていたが…。




ついに遺跡を見つけたディオス達、その中を進み

次回、遺跡の少女 その二

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