第７１６話 探す遺跡
次話を読んでいただきありがとうございます。
ルビードラゴンは頭を抱えて荒野にある岩を椅子に座っている。
その隣にはディオスの娘ティリア、十一歳がいて
「おじちゃん。どうしたの？」
と、頭を抱えるルビードラゴンを心配している。
それを遠巻きにアズサワと艦長メディチェが見つめている。
ルビードラゴンがティリアを見つめて
「どうして…来た？」
ティリアは、てへっと生みの母クレティア譲りのイタズラな笑みで
「会いたかったから来ちゃった」
ルビードラゴンは、更に深く頭を両手に乗せて抱える。
どうすれば…と、完全に詰んでいた。
それをアズサワが見つめている。
隣にいる艦長メディチェが
「あのままで…良いのですか？」
アズサワが
「フリーズ・フレアが解決する問題だ。我々は見守れば十分だが…」
遙か上の宇宙域で時空転移が生じて超巨大な時空戦艦が出現する。
超大型惑星級艦ヴァライマス、ディオス達だ。
そこから光の速さで幾つもの流星が落ちた。
その流星達が着地した場所、そこはルビードラゴンとティリアがいる場所だ。
「ティリアぁぁぁぁぁあ！」
保護者ディオスがご到着だ。
周囲には、セイントセイバー達十人がフル装備で来ている。
セイントセイバー達のネオデウス組の奈々が
「ティリアちゃん！ 大丈夫？」
と、見た瞬間。
ティリアを目の前に苦悩するルビードラゴンがいた。
急いできたディオス達は、しばし硬直。
ティリアはバツが悪そうな顔をする。
ディオスの後ろからアズサワが来て
「事情の説明が必要か？」
ディオス達にとってシャクな感じだが…アズサワに求めた。
説明して数分後、仁王立ちするディオスの前に、ティリアが項垂れて立っている。
ティリアは怒られると思って
「ごめんなさい、パパ」
ディオスは溜息をつき、跪いてティリアを抱きしめて
「良かった。無事で本当に良かった…」
ティリアが父ディオスに抱きしめられながら
「本当にごめんなさい」
その光景をルビードラゴンは、セイントセイバー達に囲まれて見ていて、静かにルビードラゴンが抜けようとしたが
「待て！」と阿座が止めた。
ルビードラゴンが面倒くさそうな顔で
「もう事は解決したろう…。それに今は、敵対中ではない」
アーヴィングが
「それでもお前が危険人物であるのは変わりない」
ルビードラゴンが面倒な顔で
「ヘオスポロスからの依頼でやった事で、私に責任はない。責任を取らせるなら、ヘオスポロスか」
と、アズサワを指さし
「依頼した時空の支配者達にしろ」
と、次に艦長メディチェを示した。
アズサワは肩をすくめて
「私は、関係ない。フリーズ・フレア、いや…ルビードラゴンと同じく依頼された側だ」
艦長メディチェが
「私は、一介の軍人なので…」
ティリアがディオスから離れて
「ねぇ、ルビードラゴンのおじちゃん。お話しようよ」
と、ルビードラゴンの右手を持つ。
えええ…という困り顔の顔のルビードラゴンは
「いや、私は予定があって」
アズサワが
「ルビードラゴンは休暇中だ」
ティリアが微笑み
「なら、ちょうどいいじゃん！」
ルビードラゴンはアズサワを凝視すると、アズサワのイタズラに笑み顔があった。
絶対に事態を楽しんでやがる…とルビードラゴンは怒りが沸いた。
ディオスも目の前に来て
「お前…ここで何をやっている？」
ルビードラゴンは額を抱える。
全てがメチャクチャだ。
「この惑星にあるであろう。アムザクの遺産を探しに来た」
ディオスは鋭くアズサワを見ると、アズサワが不敵な笑みで
「ヘオスポロスにある休暇申請もそれだ」
ティリアが手を上げて
「じゃあ、アタシも探すの手伝う！」
えええ…と困惑するルビードラゴン。
ルビードラゴンの手を引っ張るティリアが
「良いでしょう！ いっぱい人がいた方が早く見つかるって！」
父ディオスは、もの凄い顔でルビードラゴンを凝視する。
ルビードラゴンは溜息をつく。
ここでディオス達に抵抗しても意味はない。
おそらくだが…暗殺事件の後、ディオスはルビードラゴンが使った術式に関して分析して対応策を練っているのは自明の理だ。
聖帝ディオスは、技術と叡智の超越存在、宇宙王だ。
そのレベルは、自分を構築する元の一つであった人型の全能、王水の多頭龍と同じレベルだ。
そして、周囲にはその叡智と技術によって鍛えられたセイントセイバー達がいる。
絶対に勝てない。
要求を呑むしかない。
「分かった。頼むよ」
「やったぁぁぁぁぁぁ！」
と、喜ぶティリア。
父親ディオスがルビードラゴンを鋭く凝視していると、ルビードラゴンが手を上げて
「誓おう、この子がいる前では…絶対に争わない」
アズサワが
「私もその約束の見届け人になるよ。もし、ルビードラゴンが暴れたら私も抑えるのを手伝う。それでどうだね？ 聖帝殿」
ディオスは
「まあ、一応は信じよう」
と、答えた。
ティリアとルビードラゴンは遭遇し、困惑するルビードラゴンにディオス達が来て
混迷するもアズサワの助力で一応の共同となる。
そして、ティリアはルビードラゴンと対話して
次回、探す遺跡 その二
