表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
714/1110

第713話 収束と戸惑い

次話を読んでいただきありがとうございます。

 七名のフランギル達護衛、ゼウスリオン・アーマーを装備した戦士達がフリーズ・フレアへ攻撃する。

 音速を超えた速度で、斬りかかる。

 そんな動きをできるのは、ディオスが作ったゼウスリオン・アーマーのお陰だ。


 瞬きさえも遅い世界で迫る攻撃。

 だが、フリーズ・フレアが消えた。

 次に、七名全員が吹き飛んで壁に埋まる。

 突撃した護衛達が防がれたのを理解した瞬間、フランギルを筆頭に三名が

「おおおおおおおお!」

 フリーズ・フレアへ襲いかかるも、次の瞬間、同じように吹き飛んで壁に埋まる。


 ディオスは驚きだ。

 サードアイを使えばその空間に起こった現象を全て知覚できるはずなのに、全く見えない。


 埋まった壁からフランギルが這い出して

「やろう…」

と、立ち上がろうとしたが、全身を立てない程の激痛と脱力に襲われてその場に倒れる。

 

 フリーズ・フレアが

「全員の魔導に関する体内回路を暴走させつつ、全神経の麻痺を行った。明後日まで立てないだろう」

と、告げつつディオスへ向かう。

 ローブの隙間から、ルビー色の装甲が見える。


 ディオスがデウスマギウス・アミダライオウで攻撃しようとしたが、突然にデウスマギウス・アミダライオウが動かなくなる。

「な…」

と、ディオスは驚愕する。

 デウスマギウス・アミダライオウが、起動したまま動かない。

 まるで時が止まったかのように…。


 次にフリーズ・フレアが足踏みした瞬間、ディオスの周囲の空気が…空間の法則が変わる。魔法に関する全ての法則が封鎖された。


 ディオスは次の動きをしようと…そこでディオスだけの時が止まった。


 フリーズ・フレアの力だった。

 ディオスだけの時間を止めた。


 フリーズ・フレアがディオスに近づきつつ右手を伸ばすと、そこにはルビー色の装甲の腕があり、そこから燃えるような輝きの刃が伸びる。


 動けないフランギルが

「や、やめて…く…」

と、告げる。

 

 フリーズ・フレアは淡々とディオスに近づきトドメを刺そうと…した背後の窓を突き破ってナトゥムラが出現し、ナトゥムラは神格フェンリルの喰らい尽くす力を背負い、フリーズ・フレアへ襲いかかるも、ナトゥムラの時間が止まった。

 ディオスと同じように、そこだけの時間が動かない。

 空中固定されたナトゥムラへフリーズ・フレアが空いている左手を差し向けると何かの波動を飛ばした。

 それにナトゥムラが触れて過ぎ去った後、ナトゥムラの時間が解除されてナトゥムラが飛び入りした窓の向こうへ消えた。


 フリーズ・フレアは再びディオスへ向かう。

 だが、そこに

「やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」


 金髪の少女が割り込む。

 ディオスを背にフリーズ・フレアへ

「お願い、父さんを…助けて」

と、告げるのはティリアだった。


 そこへティリアを追いかけてきたゼティアとラハトアが、フリーズ・フレアへ攻撃しようとするが、フリーズ・フレアがナトゥムラを倒した波動の攻撃を二人に浴びせた瞬間、二人は邸宅の果てまで飛び抜け、壁を破壊して外に出された。


 フリーズ・フレアがゆっくりとティリアに、ディオスへ向かおうとするが。


「おねがい…やめて…」と、ティリアは時間停止した父ディオスに抱きついた。


 それにフリーズ・フレアが立ち止まっていると、その眉間に忌まわしそうなシワが寄る。


 それにティリアが気づいて、フリーズ・フレアの目をまっすぐと見つめて

「あの…お願い。父さんを殺さないで、その代わりにアタシが…アナタにできる事を…するから…」


 フリーズ・フレアは忌まわしい記憶に襲われていた。

 捨てはず、生まれ変わったはず、なのに…新たな存在となっても…。

 動けないでいると、通信が入る。

 それはヘオスポロスのエグゼクティブだ。

「ルビードラゴン。撤退せよ。それか、もしかして…もう…」


 フリーズ・フレアは肩の力を抜いて

「いいや、終わっていない。寸前の所で…だ」


 エグゼクティブが

「それは殊勝だ。動くだけの機械ではないと…証明した。まさかに素晴らしい成果だ」


「はぁ…」とフリーズ・フレアがため息を漏らした後

「貴様ら…これを分かっていたのか?」


 エグゼクティブが

「その為のテストだ。ただ単に命令された事を実行するだけの機械に進化は起こらない」


 その通信が終わった後、フリーズ・フレアは構えた右腕を下げて刃をしまい。

「終わりだ」

と、告げて背を向けて空いた壁から外へ向かうと、その穴から見えるバルストラン王都の夜空に時空戦艦の艦隊が出現する。


 ティリアは唖然としつつ、フリーズ・フレアに

「ありがとう…」


 フリーズ・フレアが少しティリアを見た次に、指をはじいて鳴らした。

 ディオスの時間凍結が解除され

「え? えええ?」

 ディオスは現状に困惑する。

 デウスマギウス・アミダライオウも機能を回復している。

 そして、抱きつく娘のティリアに

「ティリア、どうしてここに?」

 ディオスは、ティリアが見つめる先を追うと、襲ってきた人物が帰ろうとしていて、その先の夜空に時空戦艦の艦隊があった。


 ディオスが

「何が起こっているんだ?」


 その疑問にフリーズ・フレアが

「我らの暗殺案件が失敗したとされて、ドサクサに紛れて依頼した時空達が艦隊を派遣した所だ」


 自分を殺しに来た人物に説明されてディオスが困惑するも

「つまり、最初から私の暗殺が本命で、周囲を襲わせたのはそれから目をそらす為に…で。それが失敗で、どうして…派遣した時空達が来る理由になるんだ?」


 フリーズ・フレアが答えず無言のまま空いた穴から飛び出そうとした次に


「あの…」とティリアが「お名前は?」


 フリーズ・フレアが手を上げて

「ルビードラゴンとでも呼べ。どうせ…王水の多頭龍が説明に来るだろう」

と、告げた瞬間、消えた。

 退却したのだ。


その後、メルディオルとアインデウスを筆頭にアースガイヤの部隊と、天の川銀河連合の艦隊、そして、アダムカインのレガリア宇宙のレガリア部隊に、無断侵略した時空戦艦の艦隊は包囲されて軌道エレベーターコロニー・ミリオンに収監された。


 捕縛した時空戦艦の時空国家達は、アースガイヤが自分達を嵌める陰謀だった!としてアースガイヤに収監されている艦隊の解放をアースガイヤに命じた。


 事態が混迷しているので、詳しく分かるまで時空戦艦の艦隊は、外との通信を監視されつつ行えるとして、アースガイヤのミリオンに滞在中だ。


 そして、王水の多頭龍が来て

「全ては、ヘオスポロスの策略だ」

と、説明してくれた。


全ては、ヘオスポロスの策略通りに終わる。

ディオス達に残された混乱。


次回、後の祭り

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ