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第7 0 9話 賊の襲撃

次話を読んでいただきありがとうございます。


 ティリオは、何時も通りオルディナイト邸宅から学校へ向かう。

 その途中、ヴォルドルの屋敷に行き、ジュリアとナリルを迎えに行き、アリルの家に行き四人は一緒に学校へ行く。


 ティリオは三人の彼女達と共に学校に進みながら

「父さんが認めてくれた」


 ジュリアが

「私も母様と父様と話して、了承してくれたわ」


 ナリルも頷き

「父さんと話し合って、良いって」


 アリルが

「ウチは、ちょっと父さんの大きな背中が小さかったけど、頷いてくれたわ」


 ティリオが

「僕の中の優先順位が変わったよ。ジュリアとナリルにアリルの三人が一番上だ。だから…」

 

 ジュリアが呆れ気味に

「ティリオ、何でも一人で抱えるってかっこ悪い」


 ナリルがティリオの手を握り

「アタシ達も一緒に戦うわ。だから」


 アリルがティリオの腕を抱いて

「そう、私達四人で何かあっても一緒に戦って前に進むのよ」


 ジュリアが微笑み

「そうよ」


 ティリオは嬉しかった。

 本当に彼女達を好きになって良かった。愛しているという気持ちが理解できるようになった。

「分かった。僕と…オレと一緒に生きてくれ。ずっとずっと」


「うん」とジュリアとナリルにアリルが微笑んで頷いた。


 こうして、四人は最後の初等部の終わりを迎える。



 ディオスは何時も通りの訓練をした後に、会長職の為にオルディナイト邸宅へ来て、会長職をしていると、秘書のオルストルが

「すっきりした顔をしておりますね会長」


 ディオスがフッと笑み

「息子の事でね。一区切りをつけた。ティリオ達に任せる」


 オルストルは頷き

「そうですか…。では、会長さっそくですが…大きな仕事が」

と、データ資料をディオスに渡す。


 ディオスはソレを見て

「あああ? これは…」

と、鋭い顔をする。


 オルストルが厳しい顔で

「今朝、緊急に来た事です。メルディオル様が会見を望んでおります」


 ディオスは頷き

「分かった。直ぐに手配してくれ」


 オルストルが手帳から時間を計算して

「早急なら、今日の夕方に…」


 ディオスは「ああ…頼む」と手配させた。

 そして、再びディオスはデータ資料に眼を通して

「まさか…メルディオルさんが…狙われるなんて」


 ディオスが眼にしているデータ資料には、メルディオルが襲撃された事が載っていた。

 メルディオルにケガはなかったが…それを襲撃した人物達が重要だ。

 人であるが、その動きは明らかに人間のそれを越えている挙動。

 それに憶えがあった。

 ヘオスポロスの兵器人だ。




 ティリオは、ジュリアとナリルにアリルの三人と帰宅していた。


 ティリオが鋭い顔をする。

「三人とも…」

 ジュリアとナリルにアリルは頷く。


 後ろを追跡されている。

 四人は、何時でも武装を出せるようにして、緊急信号を送りつつ人気が少ない王都の河川へ来る。


 河川を渡る橋の上に来ると、ティリオ達は立ち止まる。

 そして、その後ろには四人の男達がいる。

 その目はどこか無機質だが…殺気がある。

 感じる魔力も不気味だった。人工的な魔力の反応だが…肉体の癖は人だ。


 ティリオ達が後ろを振り向くと、男達の手から警棒のような武器が伸びる。

 それは金属色の液体が袖からしみ出して警棒のような武器になったのだ。

 明きからにアースガイヤの犯罪組織が使う人型ゴーレムとは違っている。


 ティリオ達は、直ぐに両手に魔導力で構築された武器を形成して握る。

 そして、ジュリアとナリルにアリルはスカート破いて腰で結び動きやすいようにする。

 ティリオを前に四人が構えたと同時に、金属色の警棒を持つ四人の男達が疾走する。


 早い!とティリオ達は、待ち構える。

 その動き、洗練されていて、四人の不審者達はそれぞれに襲いかかる。


 ティリオが魔導力の剣を振るう。その速度、残像を残す程だ。

 見えない速度の剣戟を男は対応して打ち合う。


 同じく魔導力の剣を持つ彼女達四人へ残り三人も襲いかかる。

 彼女達は鋭い突きと連携で三人へ応戦する。

 それに対応してきた。


 ティリオ、ジュリア、ナリル、アリルの四人の技量は、剣聖とされるヴァンスボルトやクレティアに匹敵している。

 それに追いつき、賊の動きは洗練されている。

 何処かの野盗レベルではない。

 戦える戦士、いや…兵器といった感じで正確無比に対応する。


 ティリオは瞬時に理解して、最も最善の行動を発揮する。

「すまん、コイツを使う」

と、ティリオの背中から機神が噴出する。

 十メートルの機神が出現して橋に乗り上げて、橋を破壊する。

 その間に機神は、ティリオとジュリアとナリルにアリルの四人をコクピットに入れて保護する。


 圧倒的な機神を前にする賊の四人。

 これで手出し出来ないと、機神のコクピットでティリオは彼女達三人と共に決着を感じるが…。


 賊の一人が何かを空へ投げた。

 その投げた何かが爆ぜて、その爆発から一機の人型兵器が出現する。

 足下の瓦礫をばら撒いてキャタピラの足で着地して、肩と腕部に砲台を装備する人型兵器。


 人型兵器は、肩と腕部の砲台でティリオの機神を攻撃する。

 轟音と噴煙が響く。


「マズい!」とティリオは、機神に防壁を展開させて後退させる。

 機神の防壁を貫通して弾頭が届く。

 機神が揺さぶられ河川に沈む。


 機神のコクピットでティリオが

「そんな。ええ…まさか…」

と、困惑している間に

「ティリオ!」

と、一緒に乗るジュリアが叫ぶ。


 人型兵器が墜ちた機神の前に来て再び砲撃を繰り出そうとした瞬間、人型兵器が頭上から火花を放って真っ二つになる。

 両断したのは、完全武装のナトゥムラだ。

 全身が蒼いゼウスリオン・アーマーのナトゥムラが人型兵器を両断した後、疾風のように人型兵器を更に細切りにする。


「大丈夫か! ティリオ!」

と、ナトゥムラがティリオの機神の上に着地する。


 ティリオが

「ああ…ありがとうございます。ナトゥムラおじさん」


 ナトゥムラが安堵して

「そうか、とにかく…」

と、告げた瞬間、後ろで大爆発が起こった。


 ナトゥムラと共に来た部隊が、ティリオ達を襲った四人を囲んで逃がさないようにしていた。

 その部隊の一人にアルダスがいて

「さて…お前達…」

と言った瞬間、四人が自爆した。

 

 アルダスは機神に守られ、部隊は纏っていたゼウスリオン・アーマーの自動防壁に守られた。

 四人が爆発したそこは、深いクレータになっていた。


 その後、様々な部隊が来て現場が騒然としていた。

 ディオスも駆け付けて

「ティリオ!」

と、無事だったティリオ達を発見する。


 ティリオは、飲み物を貰っていて

「ああ…父さん」


 ディオスがティリオの頬を大事そうに抱え

「大丈夫そうだな…」


 ティリオは頷き

「父さん。アースガイヤにある人型ゴーレムみたいな連中じゃなかった」


 そこへメルディオルも来ていて

「ティリオくん、話を聞かせてくれないか?」


「うん」とティリオは事の顛末を話した。


 それを聞いてディオスは青ざめ、メルディオルが鋭い顔をして

「あの連中…」


 そこへ事の操作をしていたサラ捜査官が

「ディオス様…これを」

と、何かの金属片をディオスに渡す。

 

 ディオスはそれを受け取りサードアイで視て

「これは…ヘオスポロスの兵器人の構築素材…」

ティリオ達に襲いかかった者達はヘオスポロスだった。

それはとある計略の始まりだった。


次回、雑な策略

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